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2006年4月13日 (木)

日本人拉致問題の深淵(1)

拉致問題に関して、横田めぐみさんの娘(ヘギョンさん)の父親が拉致された韓国人と発表されるなど、風雲急を告げつつあります。

実は数ヶ月前から「日本も目立たない形で北朝鮮への経済制裁に参加している」という話がネットで噂されており、水面下で「対話から圧力へ」と交渉戦術が変わっていたようです。もしかしたら日本の会社もその影響でいきなりガサ入れを喰らったり、融資をストップされることがあるかもしれません。投資家のみなさんも地政学的なリスクが高まっていることを、頭の隅に入れておいたほうが良いと思います。

 

で、まずは軽く「6カ国協議ってなんやねん?」ということから整理しましょう。これは簡単に言うと、北朝鮮が引き起こす問題(核開発・偽札・拉致etc)を近隣6カ国で話し合いましょうということです。しかし、

 6カ国協議は、この問題が国連安保理に付託されないための時間稼ぎ

というのが本質的なところです。

北朝鮮の核開発などは、本当は国連の安全保障理事会で話し合うようなことです。もし国連の勧告に従わなければ経済制裁とか、場合によっては国連軍出動までありえます。

ところが宗主国の中国にとって、自分の「子分」である北朝鮮が経済制裁されたらマズイ。国連軍が進駐してきたらもっとマズイ。それらのことを決議するときに拒否権を使うことはできるわけですが、そんなことしたら「あれ、もしかして『ならず者国家』のお仲間かな?」と言われてしまいます。

したがって中国としては、国連安保理でこの議題が出ること自体を避けたいということです。だから「当事者で話し合いましょう」と持ちかけました。裁判になると自分の不利になることがわかっているので、「当事者間の話し合いで和解しましょう」と提案したようなものです。

しかし北朝鮮にとっては、何も解決しなくてもいいんです。単に話を引き延ばして、合意したふりをして援助を引き出し、それで核開発を進めるという作戦です。援助が得られなければまたゴネる。その繰り返しです。

こういう事情があるので、中国が音頭を取ってなんとか取りまとめ、北がそれを反故にするという茶番が何度も繰り返されているわけですな。

 

’6カ国協議 無限ループプログラム v1.02

「北朝鮮がこのまま核開発を続けたら安保理に付託される」。困った中国が「日・米・韓・北・中国・ロシア」の6カ国で協議しようと提案する。
   ↓
北朝鮮が「XXを援助してもらわないと参加しない」とゴネる
   ↓
韓国が「では、みんなで協力して援助しましょう」とスタンドプレー&援護射撃
   ↓
日米が「うるせえ太陽政策バカ! てめえひとりでやれ!」と一蹴
   ↓
「おまえ。誰のためにワシが骨を折っとるかわかっとるんか、コラ?」と中国が北に凄んで、何とか協議が始まる
   ↓
    ’以下、会議内ループ  
    アメリカが「核開発をやめろ」と言う
       ↓
    北は「やめてもいいけど、相応の援助をしろ」とおねだり
       ↓
    「その手口で何度も騙されるかよ!」とアメリカぶち切れ
  since 1994 KEDO
       ↓
    日本が恐る恐る、拉致問題を持ち出す
       ↓
    韓国が関係のない話をして、話題をそらす。
       ↓
    ロシアは、なぜ自分がここにいるのかよくわからない。
       ↓
     (会議紛糾)
     ’時間切れまで続く
   
   
時間切れになると、「将来に希望を持てる合意(らしきもの)」がなされたと中国が発表。
   ↓
アメリカの代表が帰国の飛行機に乗るや否や、北がその合意(らしきもの)を破る
   ↓
中国のメンツ丸つぶれ。だけど困った。このままじゃ安保理に付託される。

’制裁や安保理付託の話が出るたびに繰り返し

 

しかしこれではアメリカの示しがつかない。査察を受け入れて大量破壊兵器の証拠も見つからなかったイラクをあれだけボコボコにしておいて、「核兵器持ってます」「東京を火の海にする!」とか言っている北朝鮮を放置したのでは、

 あれえ? やっぱり石油が欲しかっただけなのお???

と思われてしまう。

現にイランは、「北が攻撃されなくて、イラクが攻撃されたのは、核を持っているから」というロジックで核開発を進めようとしています。(俺はイラン攻撃はアメリカの国益を傷つけると思うな。石油があるしイスラエルのためにも攻撃したいんだろうけどさ)

で、アメリカはマカオにある銀行の、北朝鮮関連の口座を凍結させてしまいました。すると効果覿面。将軍様は中国に泣きつくわ日本に外務次官をよこすわで、話し合いでは何も解決しなかったことが、圧力によって進展することを明快に示したというわけです。

日本の知識人やマスコミは「経済制裁には効果がない」と主張し、6カ国協議などの話し合いによって解決できるような幻想を振りまいてきました(まあ、スパイみたいな人が大勢いるからね)。しかしそれが相手のプロパガンダであったことが証明されたのです。

 

要するに、ならず者国家には

XXしてくれたら○○してあげる

よりも

XXしたら、○○しないでおいてやる

という交渉のほうが有効であることの証明です。 特に拉致問題の場合、時間が経つほど相手が困る状況にしておかないと、こちらのほうがじれて妥協することになってしまいます。

 

これは拉致被害者家族会や、国民(のおそらく大多数)がずっと言ってきたことなんですけどね。アメリカが本気を示したので、日本政府も動きやすくなったのでしょうか。けっこう地味な関節技や絞め技で側面支援しているようです。

本当は日本政府が率先して圧力をかけるべきだったと思いますが、それはもういいでしょう。ともかく日米の圧力によって、拉致などの問題は進展すると思います。

ただしこれによって東アジアの状況が緊迫することは確かです。大いなる混乱の時代への序章なのかもしれません。

(続く)

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コメント

東アジアの状況が緊迫するということは、中国株にとって潜在的にも長期的にも大きなマイナスの材料だと思うのですが、現在はそのマイナス(中国と北朝鮮の同盟等)より現在の中国のバブルが上回っているということなのでしょうね。

中国のバブルがはじければ日本の製造業に影響が大き過ぎるから、もしくは日本の方がより大きな打撃を受けるから日本政府は北や背後の中国に対して「慎重」になっていると考えればへなちょこな外交もなるほどと思えたりします。

欧米の資本がインドにシフトするのが加速していけば経済的に中国と腐れ縁の日本にとっては大きなマイナスだと思うのですが。

投資という視点で拉致や6カ国協議からインドに飛びましたが(ありきたり)・・・・思いっきり突っ込んでください。

仮免許修行中さん

私は中国に関しては「国ごと粉飾くさい」と思っていますので、GDP成長率が高くても、PERが低くてもあまり魅力を感じません。

したたかな企業は移転価格で第三国に利益をプールしたりもするのでしょうが、基本的に個人投資家が中国本土に投資をすることは「人質を差し出すこと」と同義に考えています。

2000年ぐらいまでは人件費が安く、環境に配慮する必要のない中国投資はおいしかったのだと思います。ただそれらのアドバンテージがなくなると資本は別の途上国に移転してしまいます。それが技術力のない国の運命です。

すでに日欧米の企業はインドやベトナムなどにシフトしています。ほとんどの日本企業がその判断を冷徹に行って、すばやくシフトしているのであれば問題ないと思います。

ただしおっしゃるように、日本の経営者には大陸に幻想を持ってしがみつく人もいますよね。会社が赤字でも「カネの問題ではない」。従業員が危険にさらされても「リスクは承知の上だ」。技術を盗まれても「同じアジア人なんだから」などと理由をつけながら深入りします。

ヤバい写真を撮られちゃったりして、簡単に抜けられない人もいるんでしょうな。

早速の返答ありがとうございます。

>私は中国に関しては「国ごと粉飾くさい」
私もその意見に同意しています。所詮は中国「共産党」です。コンプライアンスといってもそんな概念は歴史的にもなじまないと思います。

最後にジョーカーを引くのは中小企業や一部の個人投資家になってしまう気はしますが。

拉致問題とはちょっとずれましたが、特定アジア以外の国の話題のきっかけにと思い、投稿した次第です。「まだ(1)だぞ」って突っ込みはなしの方向で・・・・

「カラクリの4杯目もおかわりしまーす」皆期待してると思います。がんばってください。


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