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2006年5月15日 (月)

97年通貨危機の再来か?(2)

す・み・ま・せ・んっ!!!

いろいろたて込んでおり、得意の放置プレイに入ってしまいました。コメントやメールで情報を提供してくれた方、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

コメントを寄せてくれた中に「円調達・高金利通貨運用の円キャリーは存外溜まっているのでは?」という指摘もありました。もしそれがあるとしたら、外貨証拠金取引もそうだろうなと私は思います。ドルは110円を割れ、NZDも昨年12月の高値から2割下落した68円を付けました。特にNZDは2000年に42-43円ぐらいだったものが倍になったわけですから、その反動もひとしおだと予想しています。

一方でユーロや豪ドルは下落していませんよね。こういった現象から「円調達がパンパンに膨らんでいるわけではない」と感覚的に思うのです。

しかし逆に言うとドルやNZDで損をした投資家がユーロ・豪ドル・ポンドを売って穴埋めする。あるいは「下落した通貨を買い、高止まりしている通貨を売る」などの裁定取引などによってユーロ・豪ドル・ポンドなどが下落する可能性はあります。そんなわけで、私は63円で買った豪ドルをかなり落としました。

それだけ言うと天才だと思われてしまうので、バランスを取るために白状します。ユーロ/ドルを1年半前に1.300割れで売っておりましたが、その後追撃売りをちょっとだけかまし、今ではユーロ/ドルのポジションだけを見ると損してます。ワールドカップ開催国の通貨はその数ヶ月前から高くなる傾向がある」という私の乏しい経験則を今更ながら思い出しました(すみません、真剣に研究したことないんです)。

そんなわけで投機資金の円キャリーは97-98年のように膨らんでいないとしても、ドルの下落と米金利の上昇によって新興市場はリスクが高まっているように思います。94年の場合は似たような状況であったと記憶しておりますが、テキーラ危機(メキシコの通貨危機)や人民元の切り下げがありました。今はアジア通貨が高いので、単独の国によるプチ通貨危機ぐらいは充分ありえます。私としては韓国や中国には注目しているのですが、膨らんだ風船がいつ破裂するかは正直わかりません。

 

リクエストに答えて人民元について言及すると、通貨統制が厳しい国の通貨がどうなるかわかりません。新聞では「1ドル7元台!」と急上昇チャート付きの一面で報じられてましたが、1年弱で1.5%の上昇など誤差の範囲です。自分としてはどうしてもチャイナリスクが気になってしまうので買おうとも思いませんが、オプションを組めない限りいつ来るかわからない急落に賭けようとも思いません。

ただ前述のように米金利が上がってしまうと、リスクを取って新興市場に投資をする資金は急速に細るでしょう。そういう意味ではバブルのように資金が流れ込んだBRICsは要警戒だと思います。

中国の外貨準備には、外国人投資家から振り込まれたドルが入っているようです。つまりデットサイド(負債側)にあるわけです。今は元が高くなっているので問題が少ないですが、仮に「人民元が大幅切り下げ」とか、「外国人投資家が資金を引き上げ」ということになれば大きな問題になりえます。それに対して普通の外貨準備は(日銀など)中央銀行のアセットサイド(資産側)にあり、通貨のミスマッチリスクはあるにしても海外投資家の急な引き出しにおびえることはありません。私が「中国の外貨準備は諸刃の剣」と考えるのは、そういった理由です。

中国において「消費財は激安。耐久財は日本並み」という理由は、中国内の植民的経済構造に由来すると私は考えています。つまり消費財は人件費の安い内陸部で作って沿岸部に「輸入」できる。しかし耐久財は国内製品の品質が海外ブランドに追いついておらず、また沿岸部の金持ちが「それを持てる自分を誇示」するために出費を惜しまない。だから世界標準の価格に近いのではないかと。このような構造が中国を「世界の工場」に発展させた反面、各地で暴動が減らない要因ともなっているわけです。

上海などの建設ラッシュにからめるなら「役人が農民の土地を勝手に取り上げてマンション建てちゃった」ということが暴動の原因のひとつでもあるわけです。役人にしてみれば失敗しても自分が損をするわけじゃないですし、うまく行けばウハウハです。「本当に入居者がいるのか?」という本来のキャピタリスト的な考えは、そこにありません。だから「不良債権が100兆円」とアーンスト・ヤングに指摘されても、「てめえ!余計なこと言うと商売できねえようにしてやるぜ!」と脅してすぐに撤回させちゃうわけですな。

 

まとめますと、

  • 米金利上昇とドル安で新興市場、特にBRICsはピンチ
  • 高止まりしているその他高金利通貨も、裁定によって下落する可能性がある
  • しかし円金利上昇、円安が重なってないからまだマシだ。局地的なクラッシュはあるにしても、97-98年のような大規模な「伝染」はないんじゃないか。
  • 俺のバイアスを許してもらえるなら中国・韓国市場は危険だと思う。しかし正直、時期は読めない

こんな感じになります。

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コメント

初めて書き込みます。
結論賛成。
・円キャリーはそう溜まっていない →日米欧の3極利上げ等は誰もが知って注意している話。プロは対応済み。個人の証拠金取引は別だが基本これも自動ロスカット付きなのでもう出てしまっていると考えるのが自然。
・産油国株式はサウジ等大きく下落。ただここは産油国個人の金がメイン。市場規模からして全体への影響は軽微。
・BRICS特に中国に関してはアーンストヤングのいうように本当は100兆円位(日本の金融不安時の不良債権マックスレベル)の不良債権はあるのだろう。但し情報は隠される。中国の将来については意見が分かれるがビジネスパートナーとして法律も情報も無い国に入れ込むのはナイーブとしかいいようがない。

・私の個人的なユーロの今年の目標は1.35。ユーロ高・ポンド高は結構取れた。だが白状するとドル円は112円で止まると思っていた。
・注目は金や銀・銅等の実物資産の上昇。単にドルが対ユーロや対円で安くなるだけならばたいした問題ではない。ただ実物資産がペーパーマネーに対し上昇率を強めていると捉えると貨幣の信任の問題がクローズアップされるリスクがある(特に新任議長の下では)

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