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2006年6月 8日 (木)

ウェブ進化論(3) -- 情報自身が淘汰を起こす

ちょっと業務連絡です(笑)。

気がついたら日本株がかなり下がっていて、「どうすればいいんでしょう?」という相談を受けます。私の経験としては「金融相場」と「業績相場」の踊り場は15-25%の調整で済むことが多いので、じっくり仕込むと面白いと考えます。

ただし気になるのは、東京市場はボラティリティやサイクルがBRICSなどの新興市場(エマージングマーケット)に似ている部分があるので、他の先進国に比べて下げるのはいたしかたありません。これによってデフレの時代に戻る可能性も否定できません。以前の記事ではこれを言うのを忘れておりました。ただしインフレ体質の欧米にとっては追い風となりますので、日本の市場もその「おこぼれ」に預かることはできるでしょう。特に注目したいのは、米国の企業収益です。

 

ということで、業務連絡終わり。「ウェブ進化論」について続けます。

この本では検索サイトで有名なグーグル(Google)にまつわる話が多いのですが、世界中にあふれるウェブの情報をどうやって整理するのかという話が出てきます。それに関する答えがふるっていて

「情報自身が淘汰を起こすんだよ」
(だから、心配することなんてないのさ)

というものでした。

これまでは、「大衆が情報を好き勝手に発信すれば混乱するはずだ」「それをどう整理して体系化するのかという問題が大きくなる」という考え方でした。しかしGoogleの答えは、「重要な情報は注目され、そうでない情報は無視される。だから誰かが管理しなくても、結果として重要な情報だけが生き残る」という理論です。

 

これは実感として理解できます。たとえば私が国際情勢について調べ物をするときには、必ず「2ちゃんねる」の関係スレッドを当たります。ここはまさに玉石混交でして、くだらないレスが山ほどあるのですが、中には驚くほどレベルの高い人たちが議論を交わして、質の高いアウトプットを出していることがあります。

  2ちゃんねるはちょっとしたシンクタンク

ということです。

一番顕著なのは歴史の考証です。たとえば「日本人はアジアにひどいことをした!謝罪しろ!賠償しろ!」と言われても、必ずしもそうではないという証拠が揃えば謝罪も賠償も必要ありません。

まあ「あの戦争がアジア解放のきっかけとなった」というのは恐らく結果論で、山本七平さんによると日本軍はフィリピンでは歓迎されていなかったようです。しかしそれでも当時は日本の一部であり、自分たちから好んで日本名を名乗って暴れていた北朝鮮や韓国の連中から「悪魔」呼ばわりされるいわれはありません。また、自国民を何千万人も殺している中国共産党に「罪人」呼ばわりされる理由もありません。それを知っているから、どうしても日本を悪者にしたがる連中を見ると頭にくるのです。

マスコミ・官僚・政治家の中にはどうやっても日本を悪者にして賠償をさせ、そのキックバックをもらって喜んでいる人間がいるようです。まあ国内では談合が難しくなりましたから、海外に利権を作ってどこかのタックスヘイヴンに入金してもらったほうがありがたいという事情もわかりますけどね。しかし今では逆に、そのような「隠し口座」をネタに脅されちゃったりもしているんでしょうなあ。

 

それはさておき、2ちゃんねるのような双方向メディアは、自分の主張をだけを一方的にまくしたてるだけの論客を残酷に排除します。ネット上では感情論は無視。証拠がなければ軽視。論理がむちゃくちゃで質問に答えない「工作員」たちは、ときには寄ってたかって笑いものにされます。

これこそが「情報自身が淘汰を起こす」プロセスそのものです。その末に出てきたアウトプットは、新しい証拠が出てきたり、情勢や認識が変わったりするまでは、かなり強固な「共通の前提」となりえます。

しかし繰り返しになりますが、今まで情報の流れをせき止めたり捻じ曲げたりして甘い汁を啜っていた人々は、こういった状況を苦々しく思っているはずです。

ネットの世界では「情報自身が淘汰を起こす」。
しかしリアルの世界では「それを許したくない人々が権力や権威を握っている」。
ここに大きなギャップがあるのです。

現に、ネット社会における人々の善意を信じ、「世界政府があったとして、それがやるべき仕事をすべて自分たちが行う」という理念を持っているGoogleでさえ、中国共産党のネット規制に協力している格好です。理想や潮流はどうあれ、リアル社会で力を持っている「抵抗勢力」は簡単にそれを手放したりはしないということです。

(続く)

 

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コメント

「資産運用のカラクリ」シリーズの愛読者です。

まず良い情報は悪い情報を駆逐するという「逆グレシャムの法則」は成り立つんでしょうか?最近は既得権益側の工作が始まり某掲示板に関する限り機能が落ちてきたように思いますが。

さて錬金術=裁定取引に関してご意見を伺いたいのですが、KIWIと羊のように相関性の高い通貨ペアでの裁定取引(ストラドル)はロー・リスク、ミドル・リターンになるでしょうか?

読者さん

「逆グレシャムの法則」ですか。いいネーミングですね。それが成り立つかどうかは、その「構成員」の質によると思います。

たとえば100人でネットで会話していて、ひとりふたりが工作員であれば無視できます。しかし工作員が15人になると、会話を成り立たせず堂々巡りさせることが可能です。「総会屋(死語か?)がひとりだけなら対処できるが、15人になると収拾がつかない」ということです。

まともな人は別の自由な「言論空間」を探して去ってしまうことでしょう。

これはリアルの世界でも起こることです。創造性の高い人々はより自由な空間を求めて会社を移ったり、移民したりします。「不自由な国」は転職や移民をされるのが怖いのでそれを禁止し、その結果ますます貧しくなるループにはまります。

恐ろしいことに、ある程度の「閾値」を超えたら「逆グレシャム強化サイクル」が簡単に、「グレシャム強化サイクル」に転落してしまうような気がします。

日本が民主国家から全体主義国家に転落した決定的な出来事は、226事件ではなかったでしょうか。「民主主義」や「言論の自由」という「環境」は、かなり脆弱なものだと考えざるをえません。


もうひとつの質問のほうですが、この場合のストラドルというのはストラドルの売り、つまりスプレッドが有意に開いたときにコンバージェンストレードを仕掛けるという逆張り的な意味でしょうか?(もし間違っていたらご指摘ください)

そういった意味であれば、両者の間に大きな構造変化がないとすれば、比較的ローリスクだと思います。ただしみんながそれを狙い始めると利ざやは薄くなり、結果的に構造変化によるスプレッド変化のリスクを大きく取っていることにもなりかねません。

自分はやったことないですが、数週間単位でスィングトレードみたいな方法をやれば面白いかもしれませんね。

>東京市場はボラティリティやサイクルが
>BRICSなどの新興市場(エマージングマー
>ケット)に似ている部分があるので、他の先進国
>に比べて下げるのはいたしかたありません。

ということですが、付け加えるなら商品相場も
エマージングマーケットに似た待遇を受けている
ようですね。需給を無視して成層圏まで打ち
上げられた価格が宇宙空間まで達するのかと
思ったらエンストして現在墜落中という感じ
ですね。このままどんどん下がって下のほうに
オーバーシュートしてくれると嬉しいですが、
さすがにそこまでは売り込まれないんだろう
なー。

商品相場の下落が材料視されてOZとかカナダ
みたいな資源国通貨が売り込まれる流れに
なるかな?

しかし、天井で途転して売り建てるのは
難しいですね。リスクリターンを考える
とそういうことは狙わないほうがいい気が
する…

隆太郎さん

確かに商品相場も「先進国金融市場」のからあふれ出たマネーで爆騰し、逆のサイクルで叩き落されるサテライトでしかありません。

そういう市場で天底を当てるのは至難の業ですが、オプションを使うとおいしいと思いますよ。

コメントありがとうございます。

商品先物のオプションは海外の市場に行かないと
まともに取引できないですが、海外の業者に
口座開くのはかったるいなーと2の足を踏んで
今にいたっております。IBで取引できる商品
先物は銘柄が少ないし。それと海外商品先物と
オプションは総合課税されてしまうのが
いやらしいですね。申告しなければばれない
という説もありますが。

IMMで通貨オプションが上場されていたと思い
ますが、安間さんはそれらを使ったりされて
ますか?

取引高が大きい市場はバブルは発生しにくく
そう滅茶苦茶な値動きをしないので短期間で
大儲けするのは難しいと認識していますが、
銅とか金先物の市場はそういった取引高が
大きく価格形成の効率性が高い市場ではない
らしいと認識を改めています。(基本的に
私はミニバブルに伴うオーバーシュートを
取りにいく取引がメインです)

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