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2007年10月 6日 (土)

選挙という名の内戦

うおっと!

分析プログラムの改良やらバタバタやっている間に、運用成績が7月の高値を軽く超えとる!サブプライム問題はどこ行ったんだよ(笑)。

会員サイトではずっと「株は割安」と主張していたので想定どおりではあるんですがね。国際優良銘柄もそのあおりで売られていたので、そちら系の投資家さんはウハウハしながら仕込めたでしょう。

このブログでは投資と直接関係なさそうなネタを取り上げることも多いですが、実は深いところでつながっていたりします。今回の話は特にロシアや新興国の株価につながるでしょうね。

 

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Nikkei Net 更新: 2007/10/06 12:38
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ウクライナ議会選、親欧米派の勝利が確定

 【モスクワ=古川英治】ウクライナ議会選(定数450)は開票が3日、99%まで進み、親欧米派2党の勝利が確定した。自身が率いる政党が躍進したティモシェンコ元首相は中央選管による結果発表を待ってユーシェンコ大統領派と連立協議を本格化する意向を示した。連立が決まればティモシェンコ氏が首相に返り咲く公算が大きい。

 開票率99.48%現在の得票率は「ティモシェンコ・ブロック」と大統領の「われらのウクライナ」が合わせて44.95%となり、230議席前後を確保する見通し。親ロシア派ヤヌコビッチ首相率いる地域党は34.29%でトップとなり、親欧米派がわずかに半数を上回った。
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「おまえー! 何で投票から3日も経ってるのに集計が終わってねえんだよ!ロシア民謡の「一週間」みたいにダラダラ仕事してんじゃねえ!月曜に風呂を焚いても火曜には冷えて入れねえだろ!さっさと最終結果を発表しろ!」 

とツッコミたくなりますよね。今回はそれも含めて、謎解きをしてみたいと思います。

 

これは何かと言いますと、

中ロ vs 英米欧NATO

という構図の中で、ウクライナでは再び欧米側が議会を押さえたということです。

もともとウクライナといえば親欧米と親ロシアが激しく争っています。

  1. (2004大統領選挙)親欧米派の大統領候補ユーシェンコが毒を盛られただの、選挙の最終結果が10日近く発表されないだの、だけど親ロシアのヤヌコーヴィチが勝ったことにしようだの、選挙で不正があったから10万人のデモだの、みんなで政府庁舎を包囲しちゃうもんねだの、勝つまで再選挙を要求しちゃえだの、で結局ユーシェンコになりました。

    →wikiですまんがオレンジ革命
     
  2. ロシア「んじゃ、特別扱いはもうやめだ。ガス代5倍にするからな!払わないなら、ガス止めるよ」
    西欧「ガビーン!こっちまでガスが来ませんけど」
    ユーシェンコ「まあまあロシア様。ここはひとつ新しいパートナーシップで行きませんか・・・」
    ティモシェンコ「なにヘタレてんのよ!この玉無し男!」
    ヤヌコーヴィチ「おやおや仲間割れですか。では私がまた親ロシア内閣を作らせてもらいますよ。ごっつあんです!」

    →wikiですまんが「ロシア・ウクライナ ガス紛争

ウクライナは旧ソ連ですから、ロシアにとっては裏庭のようなものです。それを「オレンジ革命」によって親欧米側にひっくり返し、ガス紛争で親ロシアが巻き返し、そして今回はまた議会選挙で親欧米がリードし、もしかしたらNATOやEUへの加盟が実現するかもしれないというわけです。

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Sankei Web  2007.10.2 23:40
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9月30日投票のウクライナ最高会議(議会)選挙は2日までの開票の結果、2004年の「オレンジ革命」で親欧米のユシチェンコ大統領と共闘したティモシェンコ元首相の陣営が躍進、第三党を維持した大統領の支持基盤「われらのウクライナ」と合わせ、両党で過半数の議席を獲得することが確実となった。

 これにより、親欧米派はティモシェンコ氏を首相とする「オレンジ連立」を復活、親ロシアのヤヌコビッチ首相から国政の主導権を奪還する見通し。大統領と首相が対立してきた二重権力状態も収束に向かうとみられるが、接戦で負けた首相が抵抗する可能性も残る。

 ティモシェンコ氏は欧州への統合を進めると表明しており、大統領が掲げる欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)早期加盟などの政策への追い風となる。

 一方で「われらのウクライナ」は議席を減らし、大統領の威信はさらに低下。より急進的なティモシェンコ氏が政治的発言権を強めそうだ。

 中央選管によると、開票率約97%時点の得票率はティモシェンコ連合が約31%、「われらのウクライナ」が約14%で、両党の合計は約45%。これに対しヤヌコビッチ首相率いる地域党は約34%で首位を維持するものの、改選前の連立相手の共産党と合わせても約39%にとどまった。(共同)
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とまあ、ここまでが基本となる材料。
ここから先は、マニアのためのディープな解釈です。
   ↓↓↓

英米などの西側諸国は、敵対国の周辺国を切り崩して自分のほうに寝返らせるための工作をやります。ここのところ良く使われたのは「民主化」という美名のもとに「政変」「革命」を裏から支援する方法です。旧ソ連などの東側諸国で言えば、ユーゴスラビア、グルジア、キルギス、そしてこのウクライナがそうです。

 

このあたりの手口は、北野 幸伯 (著)「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」に詳しく書いてあります。

自分はどうしても日本や西側のメディアを情報源にすることが多いですから、その中にプロパガンダや偏向があることを知っていてもその罠から逃れることはできません。しかしこのように、ロシアを知る人が地政学的な動きをわかりやすく説明してくれるとありがたいですね。別の角度から光を当ててもらうことで、よりはっきりと物事を見ることができます。

この本は、「なぜアメリカは北朝鮮よりもイランを優先するのか?」「なぜロシアはアメリカを敵視するようになったのか」といった疑問に答えてくれました。これもまた疑ってかからなければなりませんが、かなり矛盾なく説明できていることは確かです。

そうするとエネルギー確保の観点から見て、アメリカは非常に苦しい戦いを中ロに対して強いられているということになりますね。まあこれは長くなりそうなので、ここでは説明しませんが。

 

さて、この本の中でさらにこんなことを言っています。

  • アメリカは、旧ソ連諸国に対してNPO・NGO経由で「民主化」「革命」勢力を支援し、ロシアから引き剥がそうとした。ユーゴスラビア、グルジア、キルギス、ウクライナでは成功した。
  • プーチンはその手口を見破り、NPO・NGOを潰しにかかった。ウズベキスタンでは2005年5月、カリモフ政権に反対するデモを武力鎮圧し、2001年から駐留していた米軍を追い出した。
  • ここで重要なのは、「欧米からの民主化攻撃には武力鎮圧」という対応策を学んだこと。民衆はメシを食うためにデモをやっているんであって、死んでも民主化したいわけではない。

なるほどなあ、と思います。

確かに中国の民主化運動は、天安門事件で多数の死者が出てから下火になりました。中国人民は政府に不満があってもそれを口にしたら殺されてしまうので、代わりにカネ儲けと反日運動にいそしむようになりました。マジで怖い人には誰も文句を言いません。一罰百戒が良く効いたということですね。

 

また英米が「民主化」「人権」を旗印にした団体を操って、他国を揺さぶるという手口もよく見えるようになります。

しかしこれはお互い様です。日本にだって独裁国家と仲が良くマスコミにやたらと顔が利くNPO・NGOがたくさんありますし、「平和団体」「人権団体」「反核団体」に至っては日米欧英の自由主義諸国にしか抗議活動をしません。そういったプロパガンダを行わず、やられてばっかりの先進国はおそらく日本だけでしょう。

 

それに加えて最近わかってきたのは、武力鎮圧されて情報が遮断されると、主に英国系のメディアが「実は死者はもっと多いんじゃないか?」と国際世論の疑念をかきたてることです。

  • 情報が遮断されたら、デマを流して悪いイメージを相手に塗りこむ。
  • 相手がそのデマに対応したら、それによって新たな情報を得る
  • 相手のプロパガンダは、それ以上のプロパガンダで消す

こういうのが情報戦の基本なんでしょうね。大英帝国の行動は本当に勉強になります。

では私も自由主義諸国の一員として、ささやかながらお手伝いしましょう。「大躍進による死者は数千万以上!チベット・ウイグルなどの少数民族を弾圧するな!宗教の自由を認めろ!南京大虐殺は中国共産党の捏造!通州事件を謝罪しろ!満州国を賠償しろ!おまえが悪い!ぜんぶ悪い!アーアー聞こえない!聞こえない!(笑)」。

 

さて、カンの良い人はもう気付いたと思います。
そう、ビルマ(ミャンマー)の武力鎮圧もウクライナなどと同じ「自由主義諸国からの切り崩しパターン」なんですよ。

  1. 物価が上がって民衆の生活が苦しくなったので、お坊さんたちも一緒にデモ(という話だったはず)。
  2. ビルマ政府が「反政府デモ」を武力鎮圧。英米欧は激しく非難。中国ロシアはビルマ擁護。国連マターに。
  3. 軍政府の発表では「死者10人」。しかしネットが遮断されると、英国系通信社が「死者200人以上か?」と報道。
  4. すかさず国連大使が飛ぶ。軟禁されている民主勢力の星アウンサンスーチー女史の解放が求められる。
  5. あれ、もともと民衆は民主化を求めていたんだっけ?(笑) 

こうして見ると、表向きは「民主化」だの「選挙」だの言いながら、実は親欧米vs親中ロで内戦をやっていることがわかります。ミャンマーは反政府デモが広がったので「ウズベクの教訓」に従って武力鎮圧した。ウクライナでは民主化勢力が選挙で勝ったので、デモも起こらず鎮圧もない、それが違うだけですかね。

 

いやーコワイコワイ。日本は平和でいいですねえ・・・ってアナタ! ついこのあいだ日本でも似たような内戦があって、「親欧米」から「親中ロ」に舵を切ったんですよ。

そう、参議院選挙での自民惨敗・民主躍進のことです。

安倍さんは欧米NATOと結束を固めようとしていました。しかし日本の選挙民が民主党(小沢さん)を選んだことで、欧米の輪から外れてインド洋での給油を停止しつつあります。欧米側から見たら「ジャップのやつら、寝返りやがった」と思っているかもしれませんね。

日本が教育・メディア・財界を乗っ取られて西側(自由主義諸国)から離れてゆくのは、全体主義から自由主義への逆の切り崩しパターンと言えるでしょう。

まあ小沢さんも福田さんも本心はよくわからない人ですし(笑)、欧米側もいろいろ工作してくるでしょうから、日本がこのまま中ロに取り込まれるとも思いませんがね。

しかし日本人が「選挙」「民主化」という名前の内戦があること、またそれに勝利するため各国が世界中で工作合戦を繰り広げていることを知らずに投票しているのだとしたら、そちらのほうがコワイと思ってしまいます。

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コメント

この手の運動で陥りがちなのが民主制=善、独裁制=悪的(又はその逆)なイデオロギー闘争です。
この手の方々は、民主制を行うための前提条件やメリットを全く考慮しないまま、ひたすら独裁は悪だと叩きます。そして無理やり民主制を採用させた結果、その国家が傾いてしまい
「民主制は欧米が国家を破滅させるために仕組んだプロパガンダ」
と取られ、要らない反感を買う失敗パターンに嵌ります。
ベトナムでは腐敗政権を援助した結果敗退し、ロシアではオルガリヒの台頭から独裁制へと後退し、イラクでもまた迷走中です。
ビルマのソレも同じ雰囲気を感じるのは気のせいでしょうか?

通りすがり さん

民主制vs独裁という構図は、戦時だったり戦後の後付としては有効だと思います。しかしそれ以外では「食べていけるのか?」ということが最大の関心事であり、「食えない民主制」より「食える独裁」が良いに決まっています。食うに困ったことのないアメリカ人はそこを間違えているような気がしますね。
ある意味、自分が使ったプロパガンダに嵌ってしまっているのでしょう。

拝啓、なんだかんだ云っても戦前より普通選挙を行っていた日本は素晴らしい国ではありませんか? 金や権力で縛り付けても最終的に庶民の投票に委ねるのは金権選挙だね何だの言っても日本の民度の高さの何よりの確かな証明だと愚考しております。m(__)m           乱文にて  草々

(^O^)風顛老人爺さん

ファシズムの風邪にかかっても、一応民主国家でしたからね。しかし逆に言うと民主国家も国民が望めば簡単にファシズムになるという危険を示していると思います。
日本にしてもドイツにしても、貴重な経験だと思うのですが、どれぐらいの人がそれを学んでいるのやら…。

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