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2007年12月12日 (水)

主流と異端のバランス(3) 下克上M&A

大事なことを忘れていたので続けます。

この本は示唆に富む記述が多かったのですが、第四章の「登れるが、降りられない」は特に興味深かったです。

  1. 企業にとってのお得意さんは、複雑で高価な製品(ハイエンド商品)を買ってくれる客である。いったんこの分野での地位を確立したなら、ブランドと既存客の維持に集中したほうが利益率が高いから。いったんハイエンドの市場に行ってしまうと、今さらローエンドで薄利多売をやろうという気はなくなる。「登れるが、降りられない」ということ。
     
  2. 一方で破壊的イノベーションは当初、性能は低くコストが安い。だから収益性の低い顧客にしか受け入れられず、大手企業には見向きもされない。
     
  3. しかしいずれ破壊的イノベーションは洗練され、中位・上位の市場のニーズを満たすようになる。たとえば大型コンピュータ(メインフレーム)に代わってPCが使われるようになり、製鉄でも高炉に代わってコストが1/10である電炉に代わられたりする。新興企業はそうして上位市場に君臨する「かつての王者」を追い落とす。
      
  4. そうやってのし上がった新興企業も、やはりかつての王者のように利益率の高いハイエンド商品に特化し、新しい破壊的イノベーションには見向きもしなくなるかもしれない。ローエンド市場は別の新興市場に制覇され、いずれハイエンド市場までも席巻される。かくて歴史は繰り返す。

これは経験的に知っていたことですが、「(上位の市場に)登れるが、降りられない」と言われたらその通りです。

「プレゼントの値段は上げられるが、落とせない」
「結婚相手の条件は上げられるが、落とせない」

何にでも使えそうです(笑)。

 

ここで思ったのは「ブランドや特許を持っているからと言って、経営者は安心できないな」ということ。

たとえば私が新興国にある会社の社長で、何かを作っていたとします。技術もなくブランドもないですが、地元民の人件費が安いので先進国のローエンド市場を開拓します。これは先進国と新興国の「人件費の裁定取引」なので、儲かる可能性は高いですよね。

さて、カネはできた。しかし依然として技術力は低い。

では下位と中位の間ぐらいで苦しんでいる同業他社を買収して、その市場にふさわしい技術と販路を手に入れましょう。本国の安い人件費を活用し、他社のシェアを奪っていきます。そのうち中位企業でも苦しくなるところが出てくるでしょうから、それを買って技術と販路を手に入れましょう。

これを繰り返してゆくと、「安い人件費」が「潤沢なキャッシュフロー」になり、いずれは「ブランド」「技術・特許」が手に入ることを示しています。破壊的技術がなくとも上位市場に移行できるということです。いずれは安い人件費にも限界が来ますが、それまでに市場を制覇してしまえば関係ありません。

 

うーん、これは個人に例えるとなんだろうなあ・・・。「カネさえあればいずれ地位も名誉も女も思いのまま」みたいなもんか(笑)。

ということは、先進国の経営者は「ブランド」「技術・特許」を持っているからといって、下克上M&Aという錬金術がある以上は新興企業からの挑戦に対して油断してはいけないということになります。ミッタル・スチールなんかはもろにその戦略ですからね。技術を持っている日本の鉄鋼メーカーはターゲットにされるでしょう。

wikiですまんが・・・ミッタル・スチール
            ↓↓↓
    http://tinyurl.com/2qfd9c

たとえメーカーに技術やブランドがなくとも、後からそれらを手に入れることも可能なのですから面白いものです。

(終)

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コメント

またお笑いでやってみますか。(笑)

ゴールデン枠には進出できるが、
深夜枠には戻れない。

さんまの地方番組や「恋のから騒ぎ」で実験して、ゴールデン番組で万全を期して使用するってのは、無敵の戦略です。

あー、なるほど。深夜枠は実験やインキュベの場と考えればいいんだな。

そしていったんゴールデンに出たら深夜枠には戻れず、競争に負けたら消え行くのみと。

負けずに考えてみた。↓↓↓

「横綱にまで登ったら、大関には戻れない。
残るは引退のみ」

横綱の件は経済原則ではなくて、名誉とか体面の問題ですからねーー。

モンゴルやロシア系の大陸横綱が「給料出るうちはヤル。そんなのはルールに無いね!」ってゴネられたら相撲協会は困るでしょうね。(笑)

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