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« グローバル化の行き着く先はファシズムか | トップページ | 環境問題への疑問(2) CO2増加は温暖化の原因ではなく結果、という説 »

2008年7月 9日 (水)

「排出権」を突き詰めると「空気の所有権」になる

環境問題を目玉に据えた洞爺湖サミットは、問題意識の共有だけにとどまり、「2050年の半減」などの具体的な数値や時期の合意には至りませんでした。

****** Nikkei Net 2008/7/8 ******

http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt237/20080709AT3S0900H09072008.html

(7/9)温暖化ガス削減、長期目標の共有支持 新興国とG8 数値は国連で

 主要国首脳会議(洞爺湖サミット)は9日、中国やインドなど新興国を交え、地球温暖化問題などを討議した。主要8カ国(G8)を含む16カ国で構成する温暖化ガスの主要排出国会合(MEM)は「排出量削減の世界全体の長期目標を含むビジョンの共有を支持する」との首脳宣言を採択。ただ「2050年の半減」などの具体的な数値や時期は明記せず、今後の国連での交渉に委ねた。サミットは同日午後に議長総括をまとめ、閉幕する。

************************

合意できなかったことを残念がる声も多いですが、私は逆に合意しようと思っている人たちがいるほうが不思議です。変わった意見かもしれませんけど、聞いてください。

 

「温暖化ガス」が何を示しているのかはいまだにわかりませんが、しばしば「CO2」のことを指しているようなので、ここでは「温暖化ガス=CO2」という前提で話を進めさせてもらいます。

二酸化炭素の排出権をカネで取引するという話があります。そう言うとなんだか他の動物にはマネのできない、人類の英知のように思うでしょう。しかし何かを燃やしてCO2を出すわけですから、裏を返せば「エネルギーや酸素を消費する権利」と呼べるわけです。

  二酸化炭素排出権
=エネルギーや酸素を消費する権利

 

さて、不思議なことにエネルギー効率が悪い国ほど大量の排出権を持つことになっており、それを持たない日本はその権利を買い上げることによってのみ、今までの経済活動が可能ということになっています。

・・・おいおい、ちょっと待ってくれよ。

世界でもトップレベルのエネルギー効率を誇る日本が罰金を払って、エネルギーを無駄遣いする国に報奨金を与えるつもりかい?それは環境汚染を奨励するだろうが!公正な国際競争とやらはどこへ行ったんだよ?

エネルギー効率の比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4060.html

(過去ログ)環境問題への疑問(1) カネを与えちゃマズイだろ!
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/1_c2d2.html

 

「酸素を消費する権利」をある特定の国が多く持つということは、言ってみれば空気の所有権を認めることです。「日本人は息をするな。したければ俺様から空気を買え!」ということですな。

水や空気の所有権を誰かが持つのであれば、持たない者は奴隷以下です。逆らうと生きて行けないわけですからね。そしてそれをつきつめると生存権の問題に突き当たりますから、下手をすれば殺し合いになります。水や空気の所有権を誰かに与えることは危険なんです。

「エネルギーを所有する権利」は産油国などから買ったわけですが、それを燃やすためにはなぜか他のエネルギー消費国に「排出権」の代金を払わなくてはならない。日本のエネルギー効率は中国の10倍以上ですが、なぜかその中国に対して「排出権=空気代」を払わなければならないのです。・・・うーん。どう考えてもおかしすぎる???

だから私は、途上国がCO2削減目標に合意しないことも理解できますし、アメリカが京都議定書を批准しなかったことも理解できます。日本の産業界が排出権取引に後ろ向きであったことも理解できます。「おまえはこれ以上、息をするな!」という合意なんですから、ふつうはイヤがりますわい。

合意したらしたでもっと激しい争いが生まれ、下手したら戦争になるわけですから、無理に合意しなくたっていいんですよ。

 

この問題でもうひとつ疑問に思うのは、「その国の森林・田畑・海がCO2を吸収し、O2を生産していることをどうして無視するのか」ということです。

もちろん計算は難しいのでしょうが、日本の国土が生み出す酸素が、消費する酸素よりも多いのであれば他国にカネを払う必要はないはずです。

ちなみにこの記事によると↓、日本の森林は日本の人口の2倍を養える酸素を生産しているそうだ。ただし産業によって排出される二酸化炭素ははるかに大量なので、全然吸収できていないとのこと。それにしても、森林がほとんどなくエネルギー効率が悪い国にとやかく言われる筋合いはありません。
http://www.waseda.jp/student/shinsho/html/68/6824.html

仮に排出権に代金を払うとしても、それは二酸化炭素を大量に排出している国ではなく、「より少なく排出している国」か「森林その他で二酸化炭素を固定化している国」に払うべきだと思いますがね。

 

環境問題は大事だと思います。

しかし町内が汚れてみんなが困るからといって、それを日本の負担で解決する理由はありません。

排出権を取引するなら、日本はカネをもらう側であるべき。そうでなければ、各国がそれぞれの責任で国内環境の改善を競えばいいでしょう。

町内のゴミ屋敷に補助金まで払って、責任持たされるなんてやってられません。

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コメント

どこかで見たことがあるんです。
人の罪悪感に付け込んで、実体のないものを売ってお金を取る商売を。

カトリックの坊さんが、信者の信仰心に付け込んで売った免罪符と排出権は、どー違うのでしょう?

免罪符によってカトリックの支配は終わりました。
同じように環境運動の支配も排出権で終わると見ました。

皆さんはこーういう事に耐えられますか?
生活保護から年金まで財政悪化に伴い減らされる福祉予算。
同じ政府が福祉予算より多額の排出権を海外から購入って事態に。

数年後に温暖化から寒冷化へシフトするという
説もあるそうです。2050年には、ただの笑い話
になっている可能性が高いように思います。

それにしてもここまで突き進む力を持つ勢力が
恐ろしいです。

nicolloさん、

なるほど、これは一種の「贖罪ビジネス」ですか。昔からありますもんね。

そういえば、「日本軍の戦争責任」について何十年やっている人たちも、同じビジネスモデルですね。エコカルトを先導する人たちも同じようなメンツかもしれません。

「銀行もクレジットカードも、同じ与信業務」と気付いたときのような新鮮さです(笑)。


Jおじ さん

ちょうど、そのことについてまとめようと思っていました。「CO2犯人説」に異議をとなえている科学者たちがいることです。しかし、そういった意見はテレビではとりあげられません。

私はこの問題が解決しても、利権は残ると思います。というのも騒いでいる人たちは、環境問題が解決しようがしまいが関係ないからです。

そのあたりのことを、次の記事でまとめさせてもらいます。

うそつき

おっと、そーいえば顔ぶれは戦争責任ビジネスと同じ方々ですね。
コレは気づかなかった。

二十八先生をはじめとしたカウンター・インテリジェンスが功を奏して事業ポートフォリオを再構築してるのかもしれません。

本当は日本人金払えって言いたいんだけど、それじゃお金取れなくなってるから、1990年を基準とした先進国払えって巧妙に言ってるわけですね。

nicolloさん

私もうすうす思っていましたが、二酸化炭素を悪者扱いしたり、環境特集を組んでいるテレビ局は日本のものではないですね。

やっぱりターゲットは日本だとしか思えませんよ。しかし言われるがままに毎年何兆円でも支払いそうで怖い(笑)。

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