異例ですが、会員以外のみなさんはどう考えているのか知りたくて最新の会員向けメールを公開します。
中国の57兆円景気刺激策って、みんな信じているんだろうか?
本当にやったら中国国内は強力なインフレ圧力が発生。人民元の切り下げ圧力上昇。そして外貨準備を取り崩すなら米債などが暴落(=金利が急騰)しますよね。
フィードバックいただけると幸いです。
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来週からもっと荒れそうです(会員メール2008/11/11)
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中国が57兆円の緊急経済対策を発表しました。
内容は農村の基盤整備や鉄道・高速道路の建設、港湾整備などだそうです。
毎日新聞より
http://mainichi.jp/select/world/news/20081110dde001030105000c.html
各国メディアは
「この困難な時期に、中国が世界の主要なプレイヤーであることを印象付けた」
「各国に大きな恩恵に浴するだろう」
「G20の主役は中国だ!」
などと手放しで褒めています。
- 「ほほう、国家予算80兆円の国がそれを2年間35%も増やすんですかい」
- 「財源は? 外貨準備から57兆円の米国債やGSE債を売るってか。面白いじゃねえか」
- 「そんなカネあるならODAやアジア開銀からの借金返せよ」
- 「日本もIMFにカネ入れずに国内の景気対策に使おうぜ。そうすれば各国が褒めちぎってくれるさ」
などとヤボな突っ込みをするのはやめておきましょう。
本気にしている人が多いほど、のちのち面白いことになりますから。(←悪魔)
実は金額は5兆円程度で、農民の生活がいっこうに楽にならないとしたらどうでしょうねえ。
役人が横領したなんてデマが広がらないといいんですが。
では、なぜこんな大風呂敷を広げなければならなかったのか?
ここから読み取れるメッセージは以下の通りです。
- 中国は国内に手一杯で、IMFや他国を援助している余裕はありません。
- だからパキスタンはIMFに投げました。私に期待せず日本のカネをみんなでしゃぶってください。
- 工場が閉鎖されて失業が増え、農民の不満が高まってホントに大変なんです。
私には悲鳴のようなメッセージしか受け取れません。
資金繰りに苦しむ経営者の、でかいホラ話を聞かされているようです。
ところで、11月14日からのG20はこの金融危機を乗り切ろうとする話し合いの場になってます。
新興国は
「俺たちがこんな状態になったのは先進国のせい。
G7では問題を解決できないから新興国にも国際会議の発言権をよこせ!」
と言っています。
http://mainichi.jp/life/money/news/20081111ddm008020103000c.html
しかし「その代わりIMFへの出資を増やすから」という提案はまだ聞いていません。
要するに「カネは出さないけど、権力を寄越せ」ということですかな。
G7を国連化することを狙っているようです。
では、G7に新興国を加えたG20にすれば話が進むのか?
ひとりの債権者(日本)と債務者(先進国)の話し合いに、多重債務者(新興国)を加えて話が進むわけがありません。ますます混乱するだけでしょう。
日本以外で唯一可能性があった中国がこうやって「俺、カネ出せねえから」と降りてしまったので、かなり揉めるでしょうね。
「誰かが救世主となって、自分を救ってくれるはず」
そう思って参加した国、そして参加しなくても話し合いの結果を期待していた国々はかなりがっかりすることになります。
また週明けの17日からは、ファンドの解約・廃業売りも加速するはずです。鼻血が出るような安値を試しに行ってもおかしくありません。
年内はそこがドン底になるといいですねえ。
実体経済は真っ暗ですけど。
(このメールは公共性が高いので、時間をおいてブログやメルマガで公開するかもしれません)
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