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2009年10月 9日 (金)

基軸通貨の本質(2)

骨川スネ夫は激怒した。

必ず、かの邪智暴虐のジャイアンを除かなければならぬと決意した。

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ジャイアンだけが基軸通貨メリットを享受するのは不公平だ。

仮にこれを全世界でやったとしたら、円換算で年間4兆円とも言われる利益になる。

それをジャイアンだけが独占してよいものか?
俺にだって少しぐらい分けてくれてもいいじゃないか。

それが正義というものだろう。

スネ夫は真剣にそう思っていた。

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昔の通貨は兌換紙幣(だかんしへい)であった。
ゴールドなどの貴金属と交換できることで価値が保証されていた。

しかしニクソンショック以来、ゴールドによる担保はなくなり、
通貨の価値は基本的に「人々の幻想や信認」で成り立っている。

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それは悪いことばかりではなかった。

通貨安・インフレは不況の特効薬だ。

通貨価値を下げることで名目資産価値を上げ、デフレを防ぐことができた。
輸出競争力を保つことが出来た。
海外からの投資を呼び込み、賃金・雇用などを確保することができた。

国民全体が痛みを分かち合い、経済を回してゆくためには非常に便利な道具だったのである。

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インフレによって通貨の価値を下げると、実質的に昔の債務をデフォルト(不履行)することができた。

仮にインフレを2%とすれば、毎年2%のペースで昔の借金を踏み倒すことができる。

これによって国が得をするだけでなく、債務者も得をした。

たとえば借金で家を買ったり、企業が設備投資をしても、年2%のペースで借金が減るのであれば返済は年々楽になる。

現金のまま持っていると価値が下がるので、みんな投資や消費に励む。それによって経済が拡大し、物質的な豊かさの原動力となった。

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借金の価値が高まるデフレほど恐ろしいものはない。

それは持たざる者からさらに収奪する地獄。

通貨の価値が少しだけ下がり続けるインフレのほうが、みんなハッピーだ。

だから政府は経済成長より少しだけ余分にカネを刷って、ゆるやかなインフレに誘導する。

そして貨幣鋳悪による「差益」は政府のものになる。

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基軸通貨になると、その「貨幣鋳悪差益」を自国以上の規模で得ることができる。仮に世界規模でやれば年間4兆円という試算もある。

スネ夫は思う。
そんなおいしい話があるのなら、自分がその席に座りたい。

しかしこのような経済的ハンデがあるのでは、いつまで経ってもジャイアンの覇権が終わらないではないか!

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もちろんスネ夫は、今の自分がジャイアンに代わる実力などないことをよくわかっている。

スネ夫の作るものは他人の真似ばかりで、安くないと売れない。

スネ夫のことを賞賛はしても、同じ家に入って暮らそうと思う者はいない。ジャイアンやのび太の家族になりたがる人間はいくらでもいるのに!

スネ夫が発行する通貨「スネーオ」は、家の中ですらニセ札がはびこっている。国内でも信用がないスネーオが基軸通貨になるはずがないというのが公平な見方であろう。

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確かに、まともに戦えばジャイアンにかなわない。

だがジャイアンの覇権を内外から切り崩し、自滅に誘い込む方法はある。

「人々の幻想」がしばしば「現実」を創り出す世界、特に金融においては「信用がある」というイメージは強力な武器となる。

信用があるところにカネは集まり、カネが集まれば信用ができる。そのスパイラルを作り出すことが大事だ。

逆に「信用がない」と思われた会社や国は、なかなか這い上がることができない。トランプの「大貧民ゲーム」のようなものだ。

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だからまず、ジャイアンの悪口を広めよう。

世界がうまく行かないのはジャイアンのせいだと吹き込んで、
彼らがケンカするように仕向けよう。

ジャイアンの信用をなくして仲間を離れさせ、
こちらの手下にしてしまおう。

あらゆる機会にジャイを拒否するように誘導し、
ジャイアンの覇権を根底から腐らせよう。

彼らが争いに疲れ果てたとき、俺にもチャンスが転がり込んでくる。

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えっ、そんな工作にひっかかる馬鹿はいないって?

せいぜい笑うがいいさ。
人間は自分が思うよりも洗脳されやすいものだ。

君が笑うこの夢物語を、いずれは現実にしてやるから。

(続く)

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コメント

スネ夫はフゥとため息をついた、「どうしたものか」。

スネ夫も分かっているのだ、スネ夫には信用創造の源、クレディブルがないことを。

スネ夫組の掟はキビシイ、ちょっとしたネコババでも実刑判決ハラキリーノになりかねない。だが困ったことにスネ夫組幹部もネコババしているので何がなんだか分からない。

スネ夫の昔の子分であるキムチジョン組ではちょっとでもキムジョンに逆らうとテアモン粛清されかねないが、テアモン粛清はスネ夫もやった。

スネ夫のシマで最近流行りのググルーでウッフンしたくても出来ない。ウッフンハイウェイではスネ夫組が検問していて、何をググルーしてるか分かったものではない。

だから、昔スネ夫の大番頭だったホンシャイ屋も、スネ夫を見限ってジャイアンの親父ビビシーの元に身を寄せてしまった。


ジャイアンも、のび汰も、そしてシズカもこう思っている、「スネ夫は信じられない」

スネ夫も分かっているのだ、スネ夫はスネ夫であるが故、永遠にジャイアンにも、のび汰にも誰にもなれないことを。しかしそれでは、何時までたってもジャイアンになれないのだ。

マトモにやっても勝てない時に、自分を高めようとするのでなく相手を貶めようとする時点で負けてると思うなw

続き楽しみにしてます。

スネーオって家の中でも偽札があるんですか。それは知らなかったです。

皆様、レス遅れてすみません。

もんたさん、

冴えてますね。ぜひどこかにブログを作って記録して置いてください。


匿名希望さん、

激励、ありがとうございます。

先進国の人間は自分や周囲を高めようとしますが、そうでない人間は他人の足を引っ張ります。

これは価値観・宗教・哲学の違いですね。逆に日本や西洋文化のほうが珍しいのであって、当然だと思わないほうが良いと考えています。

長期的には前者が発展するのは明らかですが、短期的・局地的にはどちらが生き残るかわかりませんからね。


mikuraさん、

はい、スネーオは1-2割が偽札といわれています。検索すると驚くような話がザクザク出てきますよ。

逆にスネーオに慣れた人は、日本で偽札がいちいちニュースになることに驚くそうです(笑)。

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