北が仕掛けたチキンレース。中国は尖閣を取りに来るか?
北朝鮮が韓国の島に砲撃を行い、死者が出ました。
********************************
韓国軍兵士2人が死亡、民間人も死傷…北砲撃
(2010年11月23日20時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20101123-OYT1T00426.htm
--------------------------------
【ソウル・仲川高志】韓国国防省などによると、北朝鮮軍は23日午後2時34分ごろ(日本時間同)、黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越え、韓国北西部・延坪島(ヨンピョンド)に向けて50発余りの砲撃を行った。
これに対し、韓国軍も北朝鮮側に向けて約80発を対抗射撃し、砲撃戦となった。韓国軍合同参謀本部によると、韓国軍兵士2人が死亡、KBSテレビは民間人を含め数十人の死傷者が出たと報じた。同島の住民には避難命令が出され、同テレビは同島で火災によるとみられる黒煙が上がる模様を伝えた。延坪島周辺では2002年6月、南北の艦艇が交戦するなど、これまでも衝突があったが、北朝鮮軍による韓国陸上部への攻撃は異例。
********************************
これは無謀な攻撃のようでいて、よく考えられた脅迫だなと思います。
なぜならどの国も今の時点で戦争が起こることを望んでいないので、
かなり高い確率で援助を引き出すことができるからです。
[1.北朝鮮]
韓国や中国ですら平和な経済発展を望んでいます。
だから砲撃しても大丈夫という読みです。
この手口がエスカレートすればいつかは戦争の引き金となるわけですが、
そんな先のことは考えていません。
「反撃されるまでゆすりつづける」だけです。
このチキンレースの仕掛け人は勝者にはなりえません。
せいぜい「韓国を道連れ」「日本中国にとばっちり」を食わせるだけで、
米ロは痛くもかゆくもないでしょう。
ただこれが尖閣に飛び火するようなら、米露まで冷や汗をかくことになります。
[2.韓国]
普通に考えると、韓国は今回の反撃以上の軍事的報復はできません。
兵士が死んだことで世論は沸騰するでしょうが、戦争はまずソウルが火の海になってからキックオフとなる構造なので、やりたくないのです。
それより怒ったふりをして緊張を高め、ウォン安に持って行き、輸出を増やしてウハウハというのが現実的な線と思います。
今年3月に軍艦「天安」が爆発沈没して50人近い死者を出したときも、
「北朝鮮のせいだ!」と軍事報復をちらつかせて安保理に訴えましたが、
「誰が沈めたかわからんけど遺憾です」程度の議長声明で矛を収めました。
そして韓国株はウォン安ブースターで再浮上したのです。
それから9月に米5000トンを北に援助しないほうが良かったでしょうね。そんなことするから「少ねえぞ!」と逆切れされ、脅迫の実弾が飛んできたのでしょう。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0919&f=national_0919_135.shtml
韓国の問題は、エスカレートする脅迫にいつまで我慢するかということです。
[3.日本]
仮に韓国が「怒ったフリ」で矛を収めたとしても、
日本政府が「俺には関係ない」で押し通したとしても、
それで終わらせてくれないのが国際社会の厳しいところです。
「韓国軍兵士が殺されても、米韓同盟は何もできない」となれば、
「日本の無人島が占領されても、日米同盟は何もできない」と考えますよね。
核保有国で常任理事国である中国が、
ついこのまえ土下座させたばかりの日本には強気に出て大丈夫ということになります。
少なくとも、いま尖閣にちょっかいかけている連中はそう思うでしょう。
危ねえなあ。
日本政府はこのどさくさに領土を取られないよう備えるべきと思います。さもなければ北朝鮮や上海閥の軍事的冒険は益々エスカレートするからです。
[4.中国]
「中国政府の対応がカギ」のような報道をしているところがありますが、北京にもはや北朝鮮への影響力はありません。
いつものごとく「北朝鮮への影響力があるふり」をし、「当たり前のことをさも重要そうに発言する」ことで、自分の地位を高く保つ努力をしているだけです。期待するのはやめときましょう。
ただ、軍閥が尖閣など無人島をこのタイミングで狙うことは充分ありえます。
そのほうが胡錦濤にいやがらせでき、自分の力を誇示できるからです。
北と軍閥が調子に乗って冒険を拡大すること、これが一番のリスクです。
[5.ロシア]
いつものように、火事場泥棒を狙っています。
負けた奴が食われます。
[6.アメリカ]
もっともおいしいポジションです。
半島で戦闘再開なら武器の在庫が処分でき、韓国の生産設備が破壊され輸出回復、
復興利権や投資案件をゲット、さらに人口・環境問題まで緩和されてウハウハです。
ただ中国が尖閣などにちょっかいをかけ、日本が反撃するなんてことになれば、
中国と戦うか、西太平洋と中東へのアクセスを捨てるかという踏み絵を迫られます。
今の大統領は鳩山由紀夫さんとどこか似たところがあり、
それが世界的な災厄とならないことを祈るばかりです。
こうして考えると、まず日本政府が中国に対して毅然としなければいけません。
しかし彼らは、なーんも考えていなさそうです(笑)。
アメリカだって、日本を失えば覇権を失いかねないですから。
他の国はみんなシビレるぐらい緊張していると思うよ。
最近のコメント