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2011年3月20日 (日)

リビア内戦に軍事介入! パンドラの箱を開く気か?

内戦状態のリビアに欧米が介入し、カダフィ側に対して攻撃を始めました。

*****************************************
内戦では勝ったほうが政府になります。事態収束後の混乱を防ぐため、

現リビア政府 → カダフィ側
反政府    → 反カダフィ

と表記しています。
*****************************************

私はカダフィ側が戦局を有利に進めていると聞いていたので

「まあ、それもひとつの落ち着きどころだろう。
いったん停戦してあとは外交の戦いか。
勇み足で反カダフィ側を承認したフランスは利権を失いそうだが、
東部分割でも狙ってるのかな」

と考えていました。

フランスが英米・EU・アラブ同盟・アフリカ連盟などに根回しして、
「国連決議」「最後通牒」とステップを踏んできたのは、
停戦を確実にして交渉で利権確保や領土分割を有利に進めるためであろうと。


しかしそれから攻撃まで、あっと言う間でした。

これでは最初から攻撃するつもりだったとしか思えません。
「カダフィ側が停戦を守らなかった」という話もどこまで信じてよいものやら。。。


頭が痛いことに、アメリカもミサイルなどで攻撃参加しています。

本人は正しいことをしているつもりでしょうが、長期的には大損です。
海洋国家連合の英米が求心力を失えれば、日本にも悪影響があります。

いくらカダフィを悪者に仕立てても、
内戦に直接介入して死者を増やしたのでは「民主化」「人道」の大義は疑われます。

これまで欧米に協力してきたムバラクやカダフィ、
それに忘れちゃいけないサダム・フセインがどうなったかを知れば、
他の親欧米(独裁)産油国が中露などに接近するのは必至だからです。


またそれらの国で不満を持つ人々は、
「民主化」の旗を掲げて「非人道的」な扱いを受けているといえば、
欧米諸国が政府を攻撃してくれる
ことを学びました。

これは今の独裁者を引きずり下ろし、
その座に座ろうと考えている人々には魅力的なお話です。

若者を扇動して反政府デモに向かわせるだけで、
発砲 → 欧米諸国の非難 → 政府を倒してくれるかも
と期待してしまうでしょう。


そのせいか、ここ数日だけでもバーレーン・イエメン・シリアの反政府デモで
多数の死者が出ています。

政府側は体制を守るためには鎮圧するしかないと「学んで」いる。
反政府側は死人が出るほど欧米が味方してくれると「期待して」いる。

人道的なはずの欧米の軍事介入が、抗争の激化を招いたことになります。


アラブ同盟・アフリカ連盟が「今は」カダフィ打倒に同意したとしても、
結局は内輪の権力争いです。

混乱の果てに利権を奪われた者、権力を握れなかった者、生活が改善しない民衆、
支援を打ち切られた者、支援を得られなかった者、
それらの不満すべてが、仏英米のせいにされる下地ができました。


「サルコジの勇み足」で終われば良かったものを、それでは済まなくなりそうです。

パンドラの箱を開いちまったか。。。

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コメント

こういう場合ってどうすればよかったのでしょうか。つまり、いつまでも介入しなければ、欧米政府は何やってるんだという話になるし。特にアメリカ人とかはリビア国民が虐殺されているのに、政府は何もしないのかという批判が強いようですし。ヨーロッパも似たようなものでしょうし。介入すればしたで、禍根を残すし。

toto さん

内戦に対して裏で動くのは構わんですが、表立って手出しすべきではありません。どちらが民衆に支持を受けているかわからないですし、外国の攻撃によって国民感情が変わってしまうからです。

これから起こるすべての不幸が、手を下した仏英米のせいにされることは目に見えています。「だってあのとき、アラブ同盟もアフリカ連盟も賛成したでしょ?」というロジックは彼らには通じません。メンタリティが違うのです。

一番まずかったのはフランスの対応です。
先走って評議会(反カダフィ)政府を承認しなければ、どちらが勝っても良かった。「虐殺をやめろ」と叫びながら、状況を見極めて勝ち馬に乗ればよかった。

うっかり承認しちゃった後でも外交で巻き返せば良かった。

どうしようもなくなって軍事介入するにしても、国連で棄権したロシア・中国・ドイツ・ブラジル・インドのうち2カ国ぐらいが賛成に回るぐらい時間をかけても良かった。カダフィは話し合いに応じると言っていたので、反カダフィ側からも攻撃をやめさせるべきだった。

アメリカにも驚きました。カダフィは親米で比較的まともな統治をしていたのに。イラク攻撃を否定して選ばれたはずのオバマが、それと似たようなことをやろうとしているフランスに付き合っているのは不思議です。

日本は基本的に英米と歩調を合わせるしかありません。
ですから国連で停戦決議に賛成したこともしょうがないです。
しかし中東の心情が中露などに傾くことで間接的な被害はあります。


お返事ありがとうございます。
私はアメリカに住んでいるのですが、保守派の人は「民主化を求めている人たちが虐殺されているのに、オバマは見て見ぬふりをしている、アメリカが何もしないなんて恥ずかしい」と言い、リベラルは「軍事行動するなんて馬鹿げてる、アメリカは世界の警察じゃない」と言って怒ってましたが、テレビ報道は比較的好意的でした。
勧善懲悪的なのが受けるんでしょうね。ヨーロッパの複雑な外交はアメリカ人には受けないと思います。
オバマは最後までかなり嫌がってましたね。でも今後の石油利権を考えれば、介入もよかったのではないでしょうか。ご指摘のとおり、中東には嫌われるし、次の争いが起きるでしょうけど。どうせ今でも嫌われてるんだし。
個人的にはカダフィ・ガールズとウクライナ看護婦のせいで、彼は妬まれたのではないかと思っています。

totoさん、

それは面白いですね。

私にはオバマが介入を嫌がっているように見えていたので、突然の豹変振りに驚きました。

この介入を正当化してしまうと、すでに死者を出したバーレーン、シリア、イエメンあたりの反政府勢力にも力を貸さねばならなくなります。

また中国の民主化弾圧は許されてイラク・リビアは許されないとなると、やっぱり核を持つべきだという話にもなります。

アメリカ人は嫌われていると自分たちでも思っているようですが、彼らは正義感が強く律儀な人たちだと思いますよ。だからこそ日本の次ぐらいに外交が下手くそで(笑)、いろいろ貢献している割に恨みを買ってしまうのかなと。

フランスが始めたベトナム戦争で泥沼にはまったり、イギリスが始めたパレスチナ問題で恨まれたり、アメリカも大変です。

今回もサルコジの勇み足だったのですが、またアメリカが貧乏くじを引かされそうな予感がします(笑)。

いつも勉強になる記事ありがとうございます!

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