意味がわからない
シリーズの途中ですが気になったので一言。
菅内閣の不信任決議について、鳩山さんが賛成から反対に転じたことでみんな混乱しているようです。
しかし今回の不信任決議を小沢さん・鳩山さん復権の仕掛けと考え、各プレイヤーの利害得失を考えたら全く不思議ではありません。
いま解散総選挙をすればおそらく民主党惨敗。
だからできれば「菅さん」も「小沢さん・鳩山さん」ともにそれはしたくない(共倒れシナリオ)。
しかしこのままでは「小沢さん・鳩山さん」は復権できない。だから「辞任しないと賛成するぞ」と菅さんを脅しました。
逆に菅さんは「俺を降ろすなら解散するぞ。そうすりゃまた野党に逆戻りだ。おまえらの半分は落選だ。道連れにしてやる」と脅し返した。
だから「菅さん」と「小沢さん・鳩山さん」が適当なところで妥協すれば、政権を維持できるという共通の利益を失わず騒ぎが収まってしまうわけです(共存共栄シナリオ)。解散総選挙はお互いに利害を忘れるほど感情がこじれた場合にしか起こりません。
しかし私がわからないのは、谷垣さんや平沼さんが民主党の内輪の争いに手を突っ込み、小沢さん・鳩山さん復活のために一生懸命働いたことです。
特に平沼さんは政策的に小沢さんとは相容れないのではないかと思っていました。
民主党内でチキンレースをやっているところに菅さんだけに圧力をかけたら、その力は小沢さん・鳩山さんを利することになります。
もし戦うなら解散総選挙を求めるべきで、そうでないなら野党としてできる限りのことをするしかなかった、というのが私の考えです。
これは何か考えがあった上で動きに乗っているんだろうか?
「震災復興を加速するため」というお題目を信じているんだろうか?
「利用されるだけで、自分が得るものはない」と考えたりしないんだろうか?
この仕掛けを考えた人間は賢いと思います。
しかしまんまと利用されるほうは政治家としてどうでしょうか。
かつて大陸の争いにさんざん利用され、滅びた日本を思い出します。
何をやっているんだか。
まだ原発も片付いていないのに・・・。
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このままこの政権は次の衆院選挙まで続くんでしょうか。なんというのか、もう連中の顔を見るのも限界に近づいているのですが。
投稿: toto | 2011年6月 2日 (木) 16時54分
連投失礼します。自公は戦術で負けて戦略で勝つことを考えていたとか。最終的に与党の内輪もめに野党を利用したことで、有権者の反感を誘うとか。今のような状態で不信任一つ出さないのも、野党として情けない限りですし。参院問責もありますから、いい布石となった程度に考えているのか。自民首脳部は結構および腰だったので、こうなることはわかっていたと思いますが。よくわかりません・・・。
投稿: toto | 2011年6月 2日 (木) 17時03分
ども~。
第一次世界大戦中の塹壕戦の共存共生システムですな~。
お互いに戦ってる振りをしながらお互いに生き残る為に戦闘能力と報復能力を誇示しつつ自然とナッシュ均衡を成立。
今回、裏切りが少なかったからさらに信頼高めてそうですよね。
今回の不信任決議のおかげで現在の与党を信認している人と不信任の人がくっきりと分かれたかと。
大震災発生や原発問題、それらの対応という外的要因がなければ解散総選挙に持っていくために頑張れたかもしれませんが・・・。
任期満了まで震災の事後処理を民主党だけに責任をもってやらせる為にはこのタイミングでも仕方が無いかもしれませんな。
止められない戦争の戦後を見据えた動きなのかもしれませぬ。
今の状況を太平洋戦争と考えると絶対国防圏を決定したあたりかな。
逆転の為のインパール作戦みたいなのがどんな風に立案されるのやら。
投稿: 会津のさむ | 2011年6月 2日 (木) 18時25分
totoさん、
ほんとに、私もわかりません。いったいどんなつもりで利用されたのか。次につながる敗北とは思えないですね。
会津のさむ さん、
終戦末期ならいいんですがね。日本国民がそれ以上にずっと苦しみそうで、考えるだけでもツライです。
投稿: 逆張り投資家 | 2011年6月 3日 (金) 00時02分