久々に出版しました。ホントは教えたくない資産運用のカラクリ4 新バフェット流で資産形成
おなじみ東洋経済さんから、シリーズ第4作です。
ホントは教えたくない資産運用のカラクリ4 「新バフェット流で資産形成」
八重洲ブックセンターにて撮影。
株価指数を持ちっぱなしにしていれば自然に儲かる時代は終わりました。
今の時代は、発達したIT技術を背景にグローバルな二極化が進みます。
可能性が大きく広がる豊かな時代である反面、世界的な競争にさらされる厳しい時代でもあります。
本書ではなぜそうなるのかのメカニズムを説明し、投資家がこの時代を乗り切るための解決策として3つの方法を提示しています。
その3つの方法とは・・・まえがきを読んでいただければわかります。
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まえがき:激しい二極化の時代に
日本を取り巻くニュースは冴えません。
大企業の巨額赤字、工場閉鎖、失業、円高、増税、公的債務1000兆円。ニュースを見ているとお先まっくらに思えます。投資の世界でも日本株は20年来の底値をうかがっており、他国に遅れを取っています。
では他の国は順調なのか? と言うとそうでもありません。
欧州は政府債務と金融機関の問題がくすぶっており、ユーロは「統合か分裂か」の瀬戸際にいます。将来を嘱望された中国やインドも先進国の需要を頼りにしており、インフレに弱い点を克服できていません。一部の新興国は食料価格が上がると政情不安に陥り、すぐに騒乱が起こってしまいます。
米国は相対的にマシですが、それでも雇用が伸びず富裕層への不満が高まっています。
日本はメタメタですが、他の国もボロボロだったりするのです。
現在はグローバル化と情報化により、いたるところで二極化が起こっています。成長分野で華やかな話題が振りまかれる一方、先進国では失業が増えて中産階級が没落し、全体としての経済成長が抑えられています。
そして先進国の長期金利は2%そこそこまで低下しました。これは通常の金融政策は効かなくなるため政府債務が増え、将来的にインフレが起こりやすくなる可能性があります。また同時に過去30年ほど株価を押し上げてくれた「金利低下効果」がもはや期待できないことを示しています。
すると、長い間有効であった「株価指数を買いっぱなしにしていれば儲かる」という時代が終わってしまったのではないかと思うのです。
もちろん分野や国によって成長を続けるところはあります。二極化の中でバブルが発生し、ブチ上がる株もあるでしょう。各国が通貨の価値を下げてきますから、名目的には株価指数もそれなりに上がると思います。しかしインフレの影響を除けば、つまり実質ベースでは株価指数がこれまでのように調子良く上がり続けることは厳しいと考えます。
そこで本書では二極化がどんな影響をもたらすのか説明しながら、グローバル投資を通じてこの時代を乗り切る方法をご紹介します。
第一は基本となるバフェット型の長期投資です。
参入障壁によって「儲かる仕組み」を確保したグローバル企業に投資することで高い営業利益の恩恵を受けます。先進国で成長が鈍っても、世界全体で成長が続けばこれらの銘柄の利益も増えます。また情報技術の発達により「新しいバフェット銘柄」が生まれつつあることも好材料です。
第二はロングショートです。
通常は市場の値動きに配分されているリスクを個別銘柄特有のリスクに配分することで、右肩上がりでなくても儲かる手法を解説します。
第三はオプションです。
「何が起こるかわからない」世界では、暴落時・暴騰時に大儲けする手法が勝利を収めます。問題は「何も起こらない長い期間」のコストをどう支払うかですが、オプションを組み合わせることでその問題を解決します。
この本のタイトルが「バフェット」となっているように、まずは景気循環や競争にあまり左右されない「頑健な」バフェット的銘柄を知ることを基本とします。そこからロングショートを加えたり、オプションを使ったり、大きく売り込まれた魅力的な銘柄を拾う(バーゲンハンティング)といった形で応用してゆくと面白いでしょう。
グローバル投資を始めるときは、いきなり新興国に手をつけるより先進国のグローバル企業から始めるのが良いです。というのも法制度や金融システムが未熟な新興国では、いきなりルールが変わったり、取引停止になったり、出金ができなくなったりといったトラブルが考えられるからです。その点グローバルな大企業はリスク管理がしっかりしています。新興国が投資先として魅力的でなくなったり、政変などの兆候があれば、事前に気がついて対処します。
また個人投資家が新興国に資産を巻き上げられても泣き寝入りですが、グローバル企業はあの手この手で投資を回収します。必要とあらば世界最強の暴力団であるアメリカ政府が出てきて圧力をかけることもあります。先進国グローバル企業はそれ自体が新興国を含む投信のようなもので、あなたの代わりに新興国の分析・投資・リスク管理・回収をやってくれているのです。
過去20年の経験から、「投資にはもう懲りた」と思っている人も増えていることでしょう。
しかし世界を見渡せば着実に利益を出している会社があります。新しいビジネスが次々に生まれています。そんな時代に価値が下がってゆく預金にしておくのはもったいないことであり、また危険なことでもあります。
是非ともこれまでとは少し違った考え方で、財産を守ってゆこうではありませんか。
ここで紹介する手法はその大きなヒントになると確信しています。
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明日 (5月28日) 月曜日には日経新聞に広告が出るそうです。
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