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2012年6月25日 (月)

会議は踊る。ドイツ人をブチギレさせながら

ギリシャ新政権がさっそく財政緊縮の「修正」を主張しています。

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緊縮ペースの緩和。
2013年から2年間の予定だった歳出削減を2年延長して2016年までとする。

15万人の公務員削減計画を凍結。

失業保険給付の期間を1年から2年に延長。

さらに所得税の最低課税収入は引き上げ、
付加価値税(消費税に相当)を下げるなど減税の方向。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2305E_T20C12A6FF8000/

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これでは緊縮「修正」どころか、財政拡張です。

「緊縮派が勝ったはずなのに、なぜ!?」

とショックを受ける人もいるでしょう。

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しかしこれは規定路線です。

ギリシャ国民の総意は
「緊縮はイヤだけど、ユーロには留まりたい。支援はご馳走になります」
というものです。

「将来の財政再建」の手形を切ってユーロ圏から支援を引き出し、
既得権者である公務員・失業者の生活に「配慮」することは
充分に予想できたことでした。

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もちろん、ドイツにしてみればそんな空手形をもらっても嬉しくありません。

「少しでも今から努力しろ!」

と言うはずです。

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ギリシャとしては、自分たちの財政をカットすることが
いかにユーロ圏にとって悪影響を与えるか主張するでしょう。

それがハッタリでないことを示すために
市場や政治を引っ掻き回す言動をするはずです。

自分が火種になっていることを逆手に取って、
瀬戸際外交を始めるわけです。

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ギリシャは自分からユーロを脱退することはありません。

脱退してしまえばハンガリーのように
「IMFに行け!」と言われるだけです。

ユーロに入っているから余計に支援を受けられるのであって、
その立場を自分から捨てるはずがありません。

ということはユーロから追い出されるか、充分な支援を受けるまで
ゴネにゴネ続けるということになります。

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一方ドイツにとって最大の問題は、
「ユーロ除名のルール」がないことにあります。

いくらギリシャがゴネても、追い出す方法がないのです。

かといって発足時になかったルールを今から作って適用すれば
「事後法」のそしりを免れません。

厳格なドイツ人にとってその点を突かれるのは
痛いことに違いありません。

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ギリシャの瀬戸際外交も、
決して勝ち目のない孤独な戦いではありません。

なぜなら似たような立場のアイルランド・ポルトガル・スペイン・イタリアが
必ずギリシャの味方になる
からです。

彼らもユーロ除名のルールや前例ができてしまっては困るのです。

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ドイツ対他国の構図の中で、
フランスもうまく立ち回ろうとするでしょう。

数の上であれば孤立しているのはドイツのほうです。

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ユーロの混乱に乗じて、
アメリカ・イギリス・ロシアあたりも混ぜ返して来るでしょう。

特にイギリスとロシアにとって、
強い統一欧州は悪夢以外の何者でもありません。

ドイツを怒らせ、分裂に誘うような言辞を弄してくるはずです。

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ギリシャが除名されるとき。

それは各国がドイツの支配を受け入れ、
欧州合衆国にまた一歩進んだことを意味します。

 

ドイツが自ら脱退するとき。

それはもとのバラバラな欧州に戻ることを意味します。

 

しかし最もありそうなのは、
ギリシャも脱退せずゴタゴタした状態のまま
ユーロの形を保って行くというものです。

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会議は踊る。ドイツ人をブチギレさせながら。

今回はギリシャがド派手なパフォーマンスを見せてくれることでしょう。

(終)

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