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2012年9月 3日 (月)

米中冷戦における日本(6):日本が韓国に甘い理由

 

日本がアメリカに負けた後、朝鮮半島は38度線から北はソ連が占領し北朝鮮が建国されました。南はアメリカに占領されて大韓民国が建国されました。

ディーン・アチソン国務長官は1950年1月、「日本・沖縄・フィリピン・アリューシャン列島に対する軍事侵略に米国は断固として反撃する」と発言しました。いわゆるアチソンラインです。海洋国家としては当然に思える発言です。

しかしこれは「韓国は守らない」というように解釈されたようで、 1950年6月から北朝鮮が韓国に侵攻し朝鮮戦争が勃発しました。韓国にはアメリカを中心とする国連軍が、北朝鮮には中国共産党がついてすったもんだの末にもとの38度線で停戦しました。

 

米ソの冷戦が始まると、韓国はアメリカから猛烈な支援を受けます。

というのも「共産主義より自由主義のほうが優れている」ということを示すためにまたとない「対照実験」だったからです。

同じ歴史を持つ民族が「せえーの」で2つに別れ、片方は共産主義、片方は自由主義を採用します。より発展したほうが優れたイデオロギーだという考えです。

最初は北朝鮮のほうが圧倒的に工業化で先行していた一種のハンデ戦でしたが、共産主義陣営は情報化社会について行けず、韓国の圧勝に終わりました。

 

韓国を支えた反共ドーピング支援の中でも最大のものは、日韓基本条約(1965年)に伴う経済協力です。独立祝賀金や途上国支援として無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドルなど合計11億ドルを支援しています。

これは当時の韓国国家予算3.5億ドルの3倍に相当し、現在の通貨価値で総額8-10兆円ぐらいになるようです。これを使って韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げました。

それに対し、日本は朝鮮半島に置いてきた資産を放棄させられ、これをもって日本と韓国間の賠償問題は「完全かつ最終的に解決した」とされています。それでも韓国や北朝鮮が謝罪と賠償を求めて来るのは、彼らにとって条約は意味をなさないからです。

 

1951年のラスク書簡で、竹島は日本の領土という米国政府の見解が示されます。それに対し韓国は1952年李承晩ラインを勝手に宣言し、竹島に近づいた日本漁船は徹底的に銃撃または拿捕されました。

実に死者5名、抑留3,929名、拿捕328隻。海保の船も攻撃されています。

日韓基本条約で竹島問題は棚上げされ、抑留されていた漁民は日本に戻ってきました。

 

しかしなぜ日本は韓国に対して対抗措置を取らなかったのでしょうか?

その理由として以下のことが考えられます。

  1. 「同じ米国陣営で争っては付け込まれる」という判断
     
  2. 議員など韓国から支援を受けている者も多く、強く言えない(勝共連合で検索)
     
  3. 各国のスパイが日本で跋扈しており、軍隊やスパイ防止法のない日本では手に負えない
     
  4. 戦時中の名残で日韓のコネクションが強く、裏で落としどころ探ることができた

 

これらの理屈はともあれ、 「事実」だけを見るなら日本は竹島を奪われ、 漁民4千人を拉致されて国家予算の3倍の身代金を支払ったことになります。

これまた甘やかしというレベルではありません。 ほとんどお礼したようなものです。

 

冷戦時代は比較的わかりやすい対立構造でした。

米中は朝鮮戦争で戦いましたが、1970年代になるとソ連との対抗上キッシンジャーが中国を自由主義陣営に引き込みました。日本でも1972年の日中国交正常化以来、パンダやらシルクロードやら西遊記やら人民服やらの中国ブームが起きています。

親米の海洋派は間接的同盟国である韓国や、新しく陣営に加わった中国とパイプがありました。S新聞がそれを擁護しました。もし揉め事があっても人間関係や実利で関係を修復してきました。

一方、反米反日の大陸派はソ連や北朝鮮を礼賛し、特にA新聞やM新聞などがクリエイティブな攻撃を仕掛けてきました。

 

[冷戦時代]

 海洋派      大陸派

 親米        反米

自民清和会   自民経世会・ 社会党ほか

 S新聞          A・M新聞

  ↓擁護       ↓礼賛

 韓国・ 中国    北朝鮮・ソ連=共産主義

 

 

ところが冷戦が終わると大きな転機を迎えます。

それまでソ連や北朝鮮を褒めちぎっていた大陸派(ほぼ左寄り)の人たちが、ベルリンの壁崩壊と共に共産主義礼賛をパッタリとやめたのです。 

 

[アメリカの事情]

冷戦が終わってある意味最も困ったのは、アメリカでした。

ソ連が倒れて冷戦に勝利したのは良いのですが、敵がいなくなって失業の危機に瀕する人が大勢出てきたのです。

当時日本はバブル絶頂期でブイブイ言わせており、「21世紀は日本の世紀」とまで言われていました。軍事的な脅威がなくなったそのとき、経済的な強敵であった日本を仮想敵国としたのは当然だったかもしれません。

1992年には民主党のクリントンが大統領になりました。米民主党の「日本軽視」と「2番手をボコる過程で次の敵を育ててしまう」性癖はいつものことですが、天安門事件の中国をすぐ許してまで一緒に日本を叩くという徹底ぶりでした。

当の日本人はお気楽なものでしたが、周囲から見るとかなり脅威に映ったようです。あるいは実際にはそうでなくてもどこかに「敵」が必要なときだったので、共通の「的」として祭り上げられてしまったのかもしれません。

 

 

[中国の事情]

中国では六・四天安門事件(1989年)でいつものように自国民を虐殺するところをうっかり見られしまったため、国内外からの非難をそらす必要に迫られました。さらにソ連崩壊(1991年)によって共産党が正当性を失ってしまいました。そこで悪辣な日帝に勝利し祖国を救ったという「建国の神話」に立ち返り、 江沢民時代から反日教育を強化するようになりました(1995年-)。

日本に対してはもともと一部の日本兵に思想教育を施してから帰国させ、日本人に贖罪意識を植えつける活動を地道に行って来ました(検索→ 中帰連)。

中国の巧妙なところは、これまで日本人向けに強調(一部創作)してきた歴史問題を世界中で宣伝し、在米華人・韓国人などを使って日本をナチス並みの悪者に仕立て上げようとしたことです。

それと同時にアメリカやロシアには「日本のファシズムをともに倒した仲間」とアピールしました。 日本のほうは叩けば資金や技術を提供してくるので、まさに一石二鳥の戦略です。

 

「おいおい。米ソの『戦友』は台湾国民党だろうが!」

なんて正論は通じません。国連常任理事国の座も台湾から乗っ取ってしまっています。 そのあたりの事情は日本人ですら知らない人のほうが多いので、普通のアメリカ人が知るはずありません。

米ソと「戦友」ということになれば、中国が行ってきた非道への注目は薄くなります。チベットや東トルキスタンへの軍事侵攻、大躍進・文化大革命・天安門事件での自国民虐殺など過去の話はもとより、ミスチーフ岩礁を占領支配(1995)、台湾選挙威嚇(1996)なども甘い対応で終わりました。

いわゆる南京大虐殺(南京事件1937)も「ザ・レイプ・オブ・南京-忘れられたホロコースト」(1997)がきっかけで世界中で急に騒がれ始めました。歴史書としてはかなり怪しかったにもかかわらず全米ベストセラーとなり、米国内の反日活動が勢いづきました。著者のアイリス・チャンは7年後に「自殺」しますが、日本の悪評を広めるという役割は果たしたので問題ありません。

中国人は本国のために働くのが基本なので、よくスパイで検挙されています。しかし在米中国人の数は今や400万人を突破し、メディアや自治体で力を持ち始めています。その力で日本の悪口を吹聴し、中国の悪行を隠すということを行っています。

 

[韓国の事情]

韓国はもともと建国からして反日でした。というのも中国や北朝鮮と同じく「悪辣な日帝と戦って独立を回復した」という建国神話をクリエイトしたからです。また済州島四三事件、保導連盟事件、光州事件などで自国民を10万人単位でやっちゃっているので、それを隠すためにも日本は常に巨悪でなければならないのです。

韓国は北朝鮮と戦争状態が続いており、その戦いはしばしばスパイに対する取り締まりの甘い日本を踏み台にして行われました(金大中拉致事件(1973)、大韓航空機爆破事件(1987)の偽造バスポートなど)。

北朝鮮の工作員はいったん日本に入国した後、日本人や韓国人になりすまして韓国に潜入するようです。もしそれがわかったとしても、法律のない日本ではスパイ罪で裁くことはできません。 日本では様々な国のスパイがやりたい放題なようです。

韓国は長いこと軍政が続いていましたが、ソウルオリンピック(1988年)を前に民主化運動が起こり民主化を認めました。しかしそれ以来、やたらと親北朝鮮・反日の大統領が選ばれるようになったのです。

どうやら北朝鮮シンパによってメディアと教育を抑えられ、「彼らにとっての真実」をいとも簡単に書き換えられてしまったようです。

2005年にはいわゆる親日法が成立。「過去に日本に協力した者は財産没収」という遡及法を作り、名実ともに親日派を葬る体制ができました。今年2012年には日本が北朝鮮を抜いて韓国にとっての「敵国ナンバー1」となりました。

韓国も中国と同様に、在米韓国人170万人を使って日本の悪口に勤しんでいました。近年になって従軍慰安婦や強制連行の嘘が日本でバレたため、海外特に米国での法律制定や像作成など既成事実化を急いでいます。

 

 

[国内大陸派の事情]

日本の大陸派は基本的にアメリカや日本を貶め、日本を大陸国家の下に組み込むのが目的の人たちです。しかしその意図を持っているのは上層部だけで、末端の人たちは自分で調べたり考えたりすることなく操られるがまま精力的に反日活動に勤しんでいます。 平和・反戦・反核・人権・環境などを錦の御旗としてよく使います。教育機関やマスコミにもシンパが多いです。昔の学生運動の生き残りもいます。

ソ連の崩壊で彼らが目指してきた「日本の共産化」という目標は潰えました。しかしこれまで反米・反日に勤しんできた彼らが、急に日常に戻れるわけではありません。国家破綻の淵をさまよっているロシアをあがめるのではなく、「21世紀は中国の時代だ!」と担ぎ出す対象をスイッチしてきました。彼らにはよくある崇拝対象の変更です。

またこれまで軍事政権だの米帝の犬だの罵っていた韓国を戦争被害者として持ち上げ、日本の戦争責任の追及を激化させました。2002年に金正日総書記が拉致を認めてからは表立って北朝鮮を崇めることはできなくなり、彼らの韓国礼賛はさらに加速しました。

韓国のほうでも2002年日韓ワールドカップでいろいろバレてしまったことや、国内コンテンツ市場が絶望的に小さいということもあって、文化輸出による国家イメージのアップに力を入れるようになりました。NHKの韓国ドラマを民放が宣伝したり、重要ニュースがあるにもかかわらず韓国タレントがニュース番組のトップを飾るようになったのもこの頃です。2009年には国家ブランド委員会を設立、数千億円の予算を使って国際社会における韓国の「格」や「イメージ」を向上させるために活動を始めました。

この作戦は上記各国の利害と一致して大きな成功を収めました。

お人好しの日本人が「それは知らなかった。悪いことをした」と思っている間に中国や韓国が日本の教科書に口出しできる近隣諸国条項が成立。首相の靖国参拝停止、中国韓国への支援増額などを次々に既成事実化しています。

 

[国内海洋派の事情]

良くも悪くも親米保守派は、過去のつながりや自由主義国家の協調を重視します。自民党の「大陸派」経世会がかなり民主党に流れたとはいえ、残った「海洋派」清和会の重鎮たちは韓国・中国とのパイプが太いのです。

また「大陸派」は敵をこき下ろすことで自分の正当性をアピールしますが、「海洋派」は他人を人前でこきおろすことはあまりやりません。そんなことをすれば同僚や支持者から「品のないやつ」と蔑まれてしまうからです。

そんなわけで中国や韓国が敵対的な行動を取るようになってもそれほど反発せず、むしろ揉め事を収めようとしました。

しかしそれは、中国や韓国にとって好都合でした。

日本に難癖をつける → 資金や技術が得られる  → 事情を知っている日本人が怒る  → 保守派の議員に相談  → 何とか丸く収める

日本の海洋派が揉め事を丸く収めようとする以上、中国や韓国に厳しく注文をつける人はいないわけです(例外は小泉純一郎氏)。北朝鮮はあまりにもストレートすぎてバレてしまいましたが、中国・韓国についてはいまだに友達だと勘違いしてカモられる人が後を絶ちません。

 

 

しかしこういった状況もどうやら終わりのようです。

1.

ひとつには中国や韓国があまりにも調子に乗りすぎて、日本の民衆の怒りを買ってしまったことです。彼らの言動はネットに記録されてしまうので、日本のマスメディアが上書きして忘れさせることがなかなかできません。

小沢一郎さんが天皇陛下にゴリ押しして習近平と会わせたとき、温厚な日本人の怒りが沸騰しました。その結果「豪腕」の小沢一郎さんは力を失いました。天皇陛下を侮辱することは危険なのですが、小中華思想の人にはそれがわからないようです。

李明博大統領は韓国軍の総司令官ですが、人気取りのために竹島に上陸してしまいました。「竹島にいるのは警察であって軍隊ではない。だから日本の自衛権行使にはあたらない」といった落としどころを破ってしまったのです。これは本来なら自衛隊を出さなければならない事態です。

李明博大統領はさらに続けて「天皇陛下に謝罪させる」とブチ上げてしまいました。ボケた日本人が相手だからと舐めたのでしょうが、一般の人は竹島上陸よりこちらに怒ったようです。民間レベルでは北朝鮮並みの経済制裁の声が上がっています。

陛下をバカにされる前に軍隊上陸に怒れよ!

と思いますが、沸点が低いことは日本人の困った美徳でもあります。

 

2.

対する日本の首相は、野田佳彦氏。

今のところ5兆円の通貨スワップ廃止を匂わせ、国際司法裁判所への単独提訴もチラつかせています。これはしがらみの強い自民党清和会議員や民主党経世会議員にはできなかった正当な対応です。

野田さんは韓国系組織から選挙支援を受けていることで有名な人ですが、この件に関しては日本人の立場に立つのかどうかはっきりさせないとマズイでしょう。さもなくば民主党はおろか、自分の政治生命まで消し飛んでしまいます。

野田さんのように冷戦時代の人脈や貸し借りが薄い理想主義者が政権を握っていることが、日本が強く出ている二番目の理由です。

 

3.

三番目の最も大きな理由は、韓国がどうやらアメリカから離れて中国側に付きそうなことです。

韓国はアメリカと中国の間をうまく泳いで行けると思っており、日本を悪者にして米国の支援を受けながら中国の属国へと戻るという虫の良いことを考えているようです。

そのあたりは鈴置高史氏による木村幹教授へのインタビューがわかりやすいです。

鈴置高史さんの記事はどれを読んでも興味深いですから、日経BPに無料登録して読む価値は十分にあります。


韓国は「米中対立の狭間をうまく泳ぎ切れる」と考えている
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120730/235095/


サムスンがおびえる次期政権の「財閥解体論」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120731/235140/


日韓関係はこれからどんどん悪くなる
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120801/235191/

 

さて、そうであれば日本としては韓国と北朝鮮を区別する理由はありません

アメリカと歩調を合わせて支援を打ち切るのか、韓国の下について中国や北朝鮮の仲間になるのか、決断のときは近づいています。

(続く)

 

 

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コメント

外に敵を作って中の人々の注意を逸らすのは古今東西変かわらない事のようですね。かつての大日本帝国の一部の連中の蛮行の被害にあって苦しんだ人々が政治的な策略に利用され、いつまでも報われないままなのが悲しいですね。

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