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2012年11月29日 (木)

野合のメカニズム - 民主党は二大政党の座を死守できるか?

日本の政局が混乱しています。

 

主張が正反対と思われる石原慎太郎氏の「太陽の党」と、橋下徹氏の「大阪維新の会」が一緒になって「日本維新の会」となりました。

橋下さんはそこに「みんなの党」をくっつけようとしましたが、渡辺喜美代表は「太陽の党と別れなければダメだ」と破談になりました。

 

一方で滋賀県知事の嘉田さんを党首に「日本未来の党」が結成されました。

ここには 小沢一郎氏 の「国民の生活が第一」や、減税日本の河村たかし代表(名古屋市長)、 亀井静香前国民新党代表、山田正彦元農相などが立ち上げたばかりの「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」が合流し、「日本維新の会」に対抗するほどの勢力になりつつあります。

 

これを見て「理念もへったくれもねえな。自分の信じる道を行けよ」と思う人も多いでしょう。

しかしこの動き、実は小選挙区制の現実に根差したきわめて合理的な行動なのです。

 

というのも、小選挙区制では勝者はひとりしかいません。

ということは自分が一番の好きな人に入れたくても、その人が3番以下の人気であれば当選する可能性は低いです。いわゆる「死票」になってしまうのです。

そうであれば人気のある上位2名のうちどちらかマシなほうを選んだほうが、自分の意見が反映されることになります。

つまりほとんどの選挙区で、上位2名の選挙戦になるわけです。

 

議会政治では上位2党がほぼ同じ議席数を得て拮抗し、少数の第三極を味方につけたほうが決定権を握る、つまり第三極がキャスティングポートを握ることがしばしば起こります。

たとえば政党AとBがそれぞれ45%の議席があっても単独では過半数に及びません。すると10%の議席しかない政党Cと連立したほうが政権与党になります。そこで政党Cは両者を争わせ、漁夫の利的に自分の政策を通すことができるのです。

(ただし政党Cがあまりにムチャばかり言うと、政党AとBは大連立を組んでCを排除します)

 

しかし小選挙区では、得票率が10%動いただけで2大政党のうちどちらかが土砂崩れ的な大勝利を収めます。

残りのほとんどを最大野党が占め、あとは小さな政党がパラパラといった議席配分になります。

制度的にどこかの政党が過半数を占めることが多いので、衆院と参院でねじれることはあっても第三党が力を持つことは稀です。

ということは、小選挙区制においては二大政党に入っていなければ意味がないということになります。

 

逆に小選挙区制で、一党だけずっとダントツということもありません。

それはほとんど独裁制と同じで、投票する側の選択肢がなくなってしまうからです。

選挙民のほうでは今の与党の代わりとなるもう一つのグループを求めます。

つまり小選挙区は1大政党でも3大政党でもなく、必然的に2大政党を作り上げるということです。

 

それは政治家側もよくわかっています。

理念を守って独立を貫いた場合、小さな党では単独では政権を取れません。

どうせ理念の違う政党と連立を組むのであれば、最初から同じ政党として活動すれば政権を得る可能性はより高くなります。

野合と言われようが、とにかく大きくなったほうが選挙に有利なのです。

 

もともと民主党は、いろんな派閥や政党を集めた野合集団でした。

それがアンチ自民の票を集め、政権与党の座についたのが3年前です。

理念がまったく違う人々の集まりなので、極左から極右まで様々です。

考えが違いすぎて党の綱領すら作れません。

そんな政党でも「自民党の代わり」として求められたのです。

 

しかし「政権を取る」という最大の目標を果たしたら、そこから先へは進めません。政策を実行するにはあまりにも考えが違いすぎるのです。

実際、様々な人の夢を詰め込んだ薔薇色のマニフェストはほとんど実行されませんでした。

それは民主党の責任もありますが、小選挙区制による「野合のメカニズム」の弊害が大だと思います。

 

今回の選挙の最大の争点は、民主党が第二党の地位を守れるかどうかです。

それができれば、いずれ復活の道もあるでしょう。

その意味で、第三極の体制が整わないうちに解散した野田首相はベストのタイミングを選んだと私は考えます。

 

しかし将来「日本維新の会」「日本未来の党」が政権を取ったとしても、今の民主党と同じ問題が起こるでしょう。

政党を大きくして政権を取るには、理念の違いに目をつぶらざるを得ません。

しかしそうやって政権を取っても、何も実行できないのです。

 

野合の政党は政権を取るのが目的です。

目的を果たせば、次の相手は同じ党内のライバルです。

民主党が政権を取った立役者は良くも悪くも小沢一郎さんでした。しかし政権を取ってしまえば「用済み」となって、内ゲバで追い出されてしまったのです。

 

野合の政党は、政権を取れなければ一緒にいる意味がありません。

第二党から滑り落ちそうになると、すぐに離党してまた別のグループと野合します。

それこそ他のことは考えるヒマがないぐらい、別れたりくっついたりします。

まずは数を集めて権力を奪取しなければ何も始まらないので、政策や国民のことはどうしても後回しになります。

 

この動きはゴシップとして興味を持つ人も多いかもしれません。

そしてマスメディアも、くっついた別れたのネタが尽きないので助かるでしょう。

しかし政策が進まないことや、首相が毎年変わって他の国から相手にされなくなっていることは深刻な問題です。

 

私はこの問題は、小選挙区制と政党助成金にあると考えています。

日本人には昔の中選挙区が合っていたのではないかな。

政治の混乱を個人のせいにするのはちょっとストップして、制度そのものを見直してはいかがでしょう。

 

(参考過去記事)

議員助成金を出して中選挙区に戻そう

 

 

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