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2012年12月29日 (土)

尖閣問題を整理する(2) 「経済援助抜き交渉」でロシアカードを手に入れろ!

さて、尖閣問題で重要なファクターにロシアの動向があります。

そしてロシアは彼らの利害によって、日本にラブコールを送り続けています。これは極めて自然な流れであり、ロシア大統領がプーチンになった時点で予想できたことでした。

それに対して安倍首相もさっそく反応しています。

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安倍外交始動、ロ大統領と電話会談 対中包囲網構築へ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2803T_Y2A221C1PP8000/?dg=1
2012/12/28 21:16日本経済新聞 電子版
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安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議し、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発にする必要があるとの認識で一致した。韓国とは関係修復を探り、北朝鮮による拉致問題でも決意を示した。安倍外交を本格化させる方針だ。
 
 「北方領土問題の最終的な解決に向け、双方が受け入れ可能な解決策を見いだす努力をしたい」(以下略)
*****************************************************
 
さすが仕事が早い。ロシアという強力なカードを見逃すことはありませんね。
 
中国としてはこれまで一緒になって日本を殴りつけていた羆(ヒグマ)が、いきなり自分の方に向き直った感じでしょうか。
 
日本とロシアが何かヒソヒソ話し合っている
 
これだけで普通はションベンちびって、海に出てこれなくなります。政策・戦略を巡って対立が深まり、軍管区ごとの予算の奪い合いが起きます。中国内部で混乱が深まれば、日本はより安全になるという寸法です。
 

では現状を整理します。

  1. 条約を結びたかっているのはロシア側である
     
  2. 日本側は現状維持でも良いが、相手がプーチンなら領土返還と平和条約締結が可能
     
  3. したがって経済協力抜きで領土交渉を始めるべき
 
 
1. 条約を結びたがっているのはロシア側である
 
面白いのは、ロシア側が積極的に領土交渉と平和条約締結を望んでいるかもしれないことです。考えてみると確かに条件は揃っています。
 
  • ロシアはサンフランシスコ(SF)講和条約に参加しておらず、日本との国境線は確定していない
     
  • シベリアにすごい勢いで中国人が流入し、「人口侵略」で乗っ取られる可能性がある。実質的に「飛び地」となるかもしれない千島・樺太近辺を、日本にごっそり取り返されるのは避けたい
     
  • 中国が分裂したとき、あわよくば満州ぐらいは狙いたい。そのときに日本が英米をバックに介入して来ることは避けたい(日露戦争のトラウマ)
     
  • 欧州に意地悪したせいで天然ガスの売り先が減った。おまけにシェールガス革命でガスの値段が下がっているので、日本に売りたい
 
日本はSF講和条約で樺太・千島を放棄しました。しかしロシアはそれだけでは安心できないと思っているわけです。
 
彼らの認識によると、時代が変われば日本が憲法を改正し、核武装して、またシベリアに攻めて来る可能性がある。なぜそう考えるかというと、ロシアならそうするからです。
 
おまけに日本は契約や条約を律儀に守る傾向があります。だから条約で心理的な足枷をはめて、脅威を減らしておきたいということでしょう。
 
 

2. 日本側は現状維持でも良いが、

    相手がプーチンなら領土返還と平和条約締結が可能 
 
それに対し、日本のほうは現状維持で構いません。
 
ロシアと条約を結んでもどうせ破られるので、あまり意味がない。むしろフリーハンドを失うだけ邪魔です。
 
ただプーチンは国益のために冷徹に仕事をする人間なので、交渉相手としては非常にやりやすい。お互いの利害だけを考えれば良いからです。
 
またプーチン皇帝は国内で絶大な権力があるので、反対派を黙らせることができます。「大陸不介入と引き換えに4島返還」なんて荒業も可能かもしれません。これは弱い大統領にはできない、相手がプーチンだからこそのメリットです。
 
 
3.  したがって経済協力抜きで領土交渉を始めるべき 
 
 
ロシアとの交渉といえば、これまでは「経済協力」が先行していました。
 
「領土が帰って来るかも」と期待させてまずは経済・技術援助を行い、最後はすべて接収されて領土は帰ってこないというのがパターンです。
 
これはロシアがうまく日本側を「釣っている」のもありますが、日本国内で甘い汁を吸っている人たちがわざとやっているのではないかと思うことがあります。
 
北方領土が解決しなければ日本側があきらめるまで資金や技術を引き出して、キックバックを受けることができます。逆に解決してしまったら、その口実を失います。
 
「領土返還するする詐欺」に繰り返し加担し、解決を望まない連中が日本側にいるのではないかということです。
 
「対ロ交渉にはまず経済援助から」はとんでもないミスリードです。むしろそれがあることで、領土交渉が遅れたのではないかと私は考えます。
 
 
したがって、今後の交渉には「経済援助」を絡ませないことを提案します。
 
そのほうがやらずぶったくりのリスクがなく、中国に対して強いメッセージを送ることができるからです。
 
 
そもそもロシアに対して先行投資なんて考えてはいけません。こちらの負担で油田ガス田パイプラインを作ってやっても、欧州のように元栓閉められて終わりです。料金先払いであれば少しは手伝っても良いでしょうが、後からエネルギーで払ってもらうなんてアホなことは考えないでください。
 
開発して欲しければ先にカネ払え
 
石油ガスを送ってくれたらこっちも払ってやるよ
 
それをずっと続けたら、あんたにも莫大な利益が入るだろ
 
領土交渉とは何の関係もないね
 
そんな態度で良いと思います。
 
 
 
さて日本とロシアが近づくと、発狂する人が必ず出てきます。
 
「島や領土にこだわるな」と言っているのに、「北方領土は取り返せ」という人。
 
尖閣上陸や竹島上陸はスルーなのに、北方領土上陸にだけ怒る人(つい最近の首相でいましたね)。
 
北朝鮮拉致・韓国漁民拉致4000人はスルーなのに、シベリア抑留だけ恨んでる人。
 
「4島返還しか受け入れられない」とハードルを上げ、進展を阻む人。
 
「日露安保条約締結」を煽って、アメリカとの離間を狙う人。
 
経済援助と結び付けて論点をぼかし、領土問題解決を邪魔する人。
 
性急に結果を求め、「満点じゃないから0点」とくさす人。
 
メディアの妨害工作は激化するでしょうから、「戦う民意」でフォローしたいところです。
 
 
 
私個人は領土返還も平和条約も、結果が出なくて構いません。 
 
交渉が始まることが、すでに日本の国益になっているからです。
 
しかし逆にそれぐらいの気持ちでいたほうが、交渉は有利になるとも考えます。
 
安倍さんもアメリカさんと相談しながら、うまくやってくださいな。
 
期待しないで応援していますぜ!
 
 
 
 
 
 
 

2012年12月25日 (火)

尖閣問題を整理する(1) 「もともと俺の領土」は自爆ロジック

メディアが攪乱工作をしているようなので、尖閣問題を整理します。

今は以下の点だけ理解しておけば、「共同開発という名の収奪」に誘導されることはないでしょう。
 
  1. 領土問題に「歴史的に誰のものか」は関係ない
     
  2. 米国は自国覇権への挑戦であるとはっきり認識しており、日本の味方である
     
  3. 中国側は日本の譲歩による「領土問題化」そして「共同開発で施政権剥奪」を狙っている
 
 
 
1. 領土問題に「歴史的に誰のものか」は関係ない
 
中国は「歴史的に尖閣や琉球は中国のものだ。日本のものではない」と主張しています。
 
よくもそんな自爆ロジックを出して来るなと思うのですが、日本側がそれに対して有効な反論をしないので結果的に中国が有利に攻め立てているように見えます。
 
日本側にはいくらでも資料がありますから、史実としてそれを論破することは可能です。古文書や条約を調べ上げてネットでまとめてくれるような人々は、まさに日本を支える宝です。深く感謝するとともに同じ国に生まれたことを誇らしく思います。本当にありがとう。
 
 
ただ日本国内の意見を統一したり、国際世論に訴えるためには、主張はシンプルなほうが良いです。わざわざ相手が用意した土俵に乗り、「水掛け論の泥沼」で戦うことはありません。
 
日本がすべき主張、それは
 
尖閣諸島を含む沖縄は、1972年の沖縄返還でアメリカから返してもらった。
 
という「直近の強固な事実」を示すこと。そして
 
文句があるなら国際司法裁判所に訴えろ
 
という立場を貫くこと。この2つだけです。それ以上話し合うことも、考えることもありません。
 
 
 
考えてみてください。
 
あなたが住んでいるその家や土地は、もともと誰が発見したものですか?
 
100年前には誰が住んでいましたか?
 
それらの史実が、あなたが今そこに住んでいる権利に影響を与えますか?
 
誰かがいきなりあなたの家にやってきて、史実を根拠に「返せ」と言ったとして、あなたはそれに応じますか?
 
あなたはそいつを敷地から叩き出し、「裁判でも何でもやれ!」と怒鳴るでしょう。それで話は終わりです。
 
 
 
しかしここで対応を間違えると、話がこじれてきます。
 
たとえばあなたが相手を縁側に招いてお茶を出し、登記簿や古文書で調べた結果をもとに丁寧に反論したとします。そんなことをすれば相手は「こいつはとんだマヌケだ!俺の出まかせを真に受けてご丁寧に調べやがったぜ!」と喜びます。
 
あちら側は根拠のない思いつき。こちら側は史実に基づく反論。相手の出まかせをこちらの労力で延々と検証させられる罰ゲームが続くのです。
 
そんな作業はこちらが一方的に疲弊するだけであり、時間や脳みそを使わされるだけ損失になります。彼らはそれがわかっているので、次々に「史実らしきもの」を捏造して突きつけてくるのです。まんまと相手の土俵に乗って交渉や確認を始めた時点で、苦戦するのはわかりきっています。
 
 
あなたが相手の言い分をまともにとりあった上で庭への立ち入り(領海・領空侵犯)を許せば、相手は「やはりこの家は俺のものだ」との思いを強くするでしょう。
 
家屋侵入(尖閣上陸)や器物損壊(巡視船に突っ込む)に対し訴えもせずに釈放すれば、「あいつには弱みがあるに違いない。もっと強く押せば奪える」と解釈します。
 
今までの日本の丁寧な対応はいずれも、中国の侵略をエスカレートさせる危ない対応なのです。
 
 
 
さて「その土地はもともと俺のもの。だから返せ!」という話は、中国にとって危険なロジックです。
 
チベット、東トルキスタン、内モンゴル、満州・・・もともと誰のものでしたっけ?
 
 
チベットと中国の版図 よりいただきました
 
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そのロジックだと、領土の半分をそれぞれの民族に返さなくてはなりませんよね。
 
むこうでアメリカさんやイギリスさんがすごい眼をして睨んでますけど、もう一度大声で言ってもらえませんか。
 
「もともと住んでいた人にその土地を返せ!」と。
 
 
 
ちょっと皮肉が過ぎましたが、「もともと誰の土地」という問題は中国にとっても他の先進国にとっても耳が痛い話のはずです。
 
中華思想は論理や整合性を気にしないので、矛盾に気づかなかったのかもしれません。あるいは日本のマスコミが支援するので、穴だらけの主張でも大丈夫だと思ったかもしれません。
 
しかしちゃんと反論されたら国家分裂につながりかねないのに、ずいぶん危ないロジックを持ち出して来たものだと思うのです。
 
 
 
「あれ、でもそうすると日本もまずいんじゃないの? 竹島や北方領土が実効支配されているのが直近の事実ですよね」
 
おっと、良いところに気が付きました。しかしご安心ください。
 
その「直近の事実」とは、国際法に基づくものでなくてはならないのです。
 
 
竹島は、サンフランシスコ(SF)講和条約に反する不法占拠です。だから裁判すれば日本にも勝つ見込みがあります。それで韓国は、国際司法裁判所への提訴を死ぬほどイヤがっています。
 
北方領土も同様です。日本はSF講和条約で「千島・樺太を放棄した」ことになっていますが、旧ソ連はその条約に調印していません。国際法上、どこまでがロシアのものだと確定しているわけではないのです(これについてはまた後で述べます)。
 
尖閣諸島は「40年前にアメリカから返してもらった」という事実があり、条約でそれは認められています。たとえば中国が国際司法裁判所に提訴したら、日本はそれを受けて立つことになっています。
 
国際法に基づいた「直近の事実」がある
 
それが尖閣と、竹島・北方領土との大きな違いです。
 
 
「そんなこと言うなら、中華人民共和国もSF講和条約に参加していない。したがって沖縄返還も無効!」 
 
おやおや、こりゃまたでっかいブーメランを投げましたね。
 
 
そう、中華人民共和国はSF講和条約に参加していません。
 
なぜなら戦勝国はおろか、交戦国ですらないから。
 
戦勝国だったのはいま台湾にいる国民党。中国共産党は内戦で彼らを台湾に追い出し、ずっと後になってからその地位を奪っただけです。
 
中華人民共和国が台湾(中華民国)に成り代わって国連に参加したのが1971年(2758号決議)。日本が1956年。戦勝国クラブである国連参加が、なぜ敗戦国である日本よりも遅いのか説明していただけますか?
 
中国共産党は戦勝国でもなければ、抗日の英雄でもない。
 
日本人が鬼畜で戦勝国が英雄なら、中国共産党は英雄を追い出した悪魔。
 
SF講和条約を持ち出すと、そんな痛い事実を自分で暴露してしまうわけです。
 
その点をグリグリと指摘した上で、こう反論しましょう。
 
「沖縄返還に文句があるなら、日中国交回復の時点で文句を言うべき。それでも日中平和友好条約(1978年)に調印したってことは、沖縄返還を認めたってことですよね」
 
 
 
 
 
2. 米国は自国覇権への挑戦であるとはっきり認識している
 
 
危ない対応で侵略を招いている日本に対し、アメリカははっきり尖閣防衛の意思を示しています。つまり日本の味方ということです。
 
以前から「尖閣は日米安保の適用内」とフォローしてくれていましたが、先日ついに議会が「アメリカは日米安保に基づき尖閣防衛の義務がある」という法案を可決しました。
 
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尖閣諸島に安保適用 米で法案成立
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121222/k10014370531000.html
(NHK 12月22日 9時9分)
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(前略)アメリカ議会上院は21日、本会議を開き、議会下院が前の日に可決した2013会計年度の国防予算の大枠を定める国防権限法案を可決し、法案が成立しました。
 
この法案には、中国が領有権を主張している沖縄県の尖閣諸島を巡る条項が盛り込まれ、「アメリカは領有権に関して特定の立場をとらないが、尖閣諸島は日本の施政下にあり、第三国の一方的な行為によってこの認識が変わることはない」と明記されています。
 
そのうえで、「日本の施政権が及ぶ地域に対して、アメリカは日米安全保障条約の第5条に基づき、防衛の義務がある」として、尖閣諸島は、日米安全保障条約の適用範囲内であると指摘しています
 
一方で、法案は「東シナ海の領有権問題は、それぞれが自制し、外交的に解決する必要がある」とも指摘していて、日本や中国などに対して、これ以上事態を悪化させないよう求めています。
 
今回の法案の内容は、アメリカ政府のこれまでの公式見解と同じですが、尖閣諸島を巡るアメリカの立場を議会としても改めて明確にすることで、中国をけん制するねらいがあるものとみられます。
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さすが国益に敏感なアメリカです。
 
尖閣を取られると台湾防衛が困難になりますし、深い海から潜水艦が太平洋に出てくることが可能になるので、アメリカの覇権を揺るがす大問題なのです。
 
おまけに中国側が「ハワイの領有権も主張できる」なんてヒラリー国務長官を挑発したもんだからさあ大変。その場で「国際司法裁判所に訴えてみてください」と撥ね付けられた上に、今回の決議に至りました。
 
 
ただし注意したいのは、あくまでも日本が防衛の意思を固めるのが先ということ。そして日本の施政権と日米安保を維持することが条件ということです。
 
アメリカにしても核保有の常任理事国と戦うわけですから、日本が戦わずに「アメリカさん守ってください」では通用しません。
 
アメリカだけでなく、同じ問題を抱える東南アジア諸国もこれ以上ないサポートをもらっています。各国から注目され期待されていることを自覚して行動したいものです。
 
 
 
3. 中国は「領土問題化」そして「共同開発で施政権剥奪」を狙っている
 
さて国際法の観点からは、尖閣は中国の領土ではない。
 
国際司法裁判所に行っても、勝つ見込みはゼロ。
 
でも島と領海は欲しいし、「中国のものを日本が奪った」と国民には説明してある。だから奪わないわけには行きません。そこで
 
国際法は関係ない。
警察(米国)も裁判所も関係ない。
もともと俺のものなのだから、自発的に返してもらう。
 
という形に持っていきたいのです。
 
 
その第一歩はまず、日本の漁船が近寄れなくすること。実は沖縄返還後、これは大成功しています。日本政府が尖閣に近づくことを許さなかったため、中国や台湾の漁船が我が物顔で操業していたのです。
 
次に日本に圧力をかけて、自発的に「献上」させること。毎日のように領海・領空を侵犯したり、ことあるごとに反日暴動や日本人社員拘束をして脅すのはそのためです。しかしこれは日本国民や米国の反発を招き、うまく行っていません。
 
 
そこで現在がんばっているのは日本に領土問題を認めさせることです。
 
係争地になれば人民解放軍を出すことが可能になります。また日本の施政権が怪しくなり、日米安保発動の可能性が低くなります。もともと何の問題もなかったことを問題化し、対等の立場であることを日本に認めさせるのですから丸儲けです。
 
 
最終的に中国側が落としどころとして狙っているのは「共同開発」でしょう。
 
これをやられると、自衛隊も米軍も出るタイミングが難しくなります。表面的には経済活動となっており、軍事占領されているわけではないからです。
 
しかし「東シナ海ガス田共同開発」が一方的な収奪で終わっていることを見ればわかるように、中国が本当に資源を共有化したり、一緒に開発するわけではありません。日本人を脅して近づけないようにし、米軍の介入を防ぎながら実質的に施政権を奪ってしまうのが目的です。
 
次にやることは、「南鳥島・沖ノ鳥島はもともと中国の領土だ!」と争点を変えることです。日本側が「中国を刺激するな」「もともと歴史的には、国際法としては・・・」などと受け身に回っている間に、尖閣のことは報道させないようにして既成事実化します。
 
何十年か経って中国が尖閣に基地を作り、軍人を常駐させても、慣れてしまった日本人は怒りもしないでしょう。竹島に大統領が上陸し、天皇陛下を馬鹿にされ、親書を突き返してもヘラヘラ笑って支援しようとするのですから舐められて当然です。「中国を刺激するな。沖ノ鳥島さえ渡せば平和になる。どうせ無人だし誰も困らない」みたいなどこかで聞いたロジックで、次々に領土領海EEZを献上することになります。
 
 
そんなわけで中国側は日本国内のシンパに命令し、「領土問題化」そして「共同開発」へと持っていこうと頑張っています。それさえ受け入れたら日本にまた平穏な日々が戻ってくるのだと、甘い言葉で誘っています。
 
しかし決して惑わされてはいけません。それは解決への道ではなく、侵略をさらに加速させる亡国への道です。
 
 
 
こうして考えると、もっとも厄介な敵は日本国内の「自称平和主義者」ということになると思います。
 
彼らは「平和を守れ」「周辺国を刺激するな」「日本が支援しろ、譲歩しろ」と言いながら、日本侵略をサポートします。相手の土俵に上がって争点をずらし、結論を誘導します。
 
国際法の議論を避けて戦争被害だの歴史認識だのに話を持って行く人は、侵略に加担していると考えて差し支えありません。
 
「お互いに譲歩」「妥協点を見つける」という言葉にも要注意です。日本は言いがかりをつけられているだけで、何も譲歩する理由はありません。それを許せば次は南鳥島・沖の鳥島・沖縄と侵略は加速します。
 
「同じレベルに落ちるな」「民度の高さを見せつけろ」もそうです。軍事には軍事で対抗するしかありません。領海侵犯は撃沈が基本です。それを否定するのは「日本人は抵抗せず死ね」と言っているのと同じことです。
 
争いそのものを「レベルが低い」と軽蔑すれば、自分だけ上に立てたようで気分が良いかもしれません。しかし強盗も警官も一緒にして「暴力は野蛮」と見下すような性格では、あなたを守ろうと思う人はどんどん減って行くでしょう。今の日本の危機は政治家が靖国参拝を忌避し、国を守ろうとした人々を否定したときから続いているのです。
 
(続く)
 
 
 

2012年12月18日 (火)

日本人の「戦う民意」 - 2012衆議院選挙結果より

2012年12月の衆議院選挙の結果が出ました。

予想通り小選挙区は自民党の圧勝。そして比例区は維新の会が躍進して、民主党を上回りました。ただ維新の会は東京で苦戦し、トータルでは民主党が第二党の座をキープしました。

詳しい議席数はこちら

          2012年 2009年

自民       294  ←   118
民主         57  ←   240
維新      54  ←     11
公明         31  ←    21
みんな     18  ←      8
未来         9  ←     61
共産         8  ←      9
社民         2  ←      5
大地         1  ←      3
国民         1  ←      2
日本         0  ←      1
無所属      5  ←    10

 

今回、私が驚いた点が2つあります。

 

ひとつは投票率が下がったこと。

この3年間に多くの人命と国益が失われました。しかし「その代わり骨身に沁みて学んだことも多かっただろう」と思っていた私にとって、これは軽いショックでした。

 

民主党政権の間に、多くの出来事がありました。

  • 3.11東日本大震災。福島原発事故。
  • 宮崎口蹄疫
  • 円高自虐不況。日本人の倒産と失業は「自己責任」として、海外には巨額支援。
  • 議論すらしないと言っていた消費税増税を「不退転の覚悟」で決定。
  • 普天間問題がこじれ、米国との間が疎遠に
  • 中国人船長の海保巡視艇を無罪で釈放。沖縄地検のせいにして証拠ビデオ隠し。
  • 「民主党は領土を守る気がない」と見たロシアもメドベージェフが北方領土上陸。
  • 韓国の李明博大統領も竹島上陸。天皇陛下に謝罪を求める。野田首相からの親書を突き返す。
  • 中国は尖閣領有権の主張強化。監視船と航空機で恒常的に侵入。
  • 北朝鮮がロケット発射。不審船が日本海沿岸に多数出現。

挙げてゆくとキリがありません。しかしこれらすべてに無関係・無関心で、何の感情も持たなかった人は少ないはずです。

これまで政治家に対して怒りの声は聞いたことがありましたが、恨みや憎しみの声を聞くようになったのは初めてのことでした。また日本人がマスメディアに対して、怒りのデモをやったもの初めてのことでした。

どう考えても内外の情勢は3年前よりも緊迫しています。

 

そして今回の選挙。民主党政権にイエスであれ、ノーであれ、ほとんどの人が何らかの意思表示をするはずだと思っていました。

それなのに選挙に行かない人が増えたことは驚きです。

むむー、 「愛」の反対は「憎しみ」ではなく「無関心」ってかあ???

 

「誰がやっても同じ」という宣伝を真に受けた?

そんなこと言う人は結果が気に入らないと「それは間違っている」って後から文句を言いますよ。「誰がやっても同じ」なら、誰が選ばれても不満はないはずなんですがね。

彼らはあなたの考えを誘導しようとしているんです。思った方向に動いてくれないときは、そう言って考えたり投票すること自体を邪魔するんですよね。

 

あるいは「自分は当事者ではない」と思っている?

自国政府に統治能力がないとどうなるか、経済困窮と軍事侵略の恐怖を味わったでしょうが。それとも自分に被害はなかったとでも思っているのかな。

この期に及んでまだ誰かがこの国を自分が望むように動かしてくれることを期待しているのだとしたら、他力本願もかなり重症かもしれません。

 

今回の投票率の低下をあえて好意的に解釈するなら、

「これまでマスコミの言うとおりに投票してきたけど、なんかおかしな感じがする。自分の周りの意見と、マスコミの意見は全く違う。でも何が良いかはわからないので、今回は棄権する」

というものです。

彼らは「民主がダメなら次はXX」という誘導には乗らなかった。しかし「ダメならまた戻せばいい」と戻すこともしなかった。そして自分では判断できないので棄権したと。

普段から政治経済を見ている人は直前になって迷うようなことはなかったと思いますが、マスメディアの情報を頼りに決めている人は「誘導先」が多すぎて判断できなかったかったかもしれません。

 

 

そしてもうひとつ驚いたのは、未来の党が惨敗したこと。

私はあまりテレビを見ないので強くは言えないのですが、未来の党は「脱原発」を旗印に理想派左翼やマスメディアから強烈にプッシュされていたような感じがしていました。少なくとも維新と第三極を争う存在として、大きく取り上げられていたと思っていました。

しかし蓋をあけてみたら、現有61議席が9議席に激減です。「小選挙区制の振幅」がいかに大きいといっても、メディアの支援を受けてこの結果ではひどい惨敗としか言えません。民主党以上にボロボロになったと言って良いでしょう。

 

私はこれを、マスコミが浮動票を誘導する「秘技:争点ずらし」が効かなくなったからではないかと考えています。

今回の選挙は過去3年余りの民主党政治の総決算。そして緊迫する東アジアの安全保障が最大の争点だったと私は思っています。特に中国に対して周辺国と連携してどのような対策を取るのかが重要で、維新が躍進したひとつの要因と考えます。

しかし日本のマスコミは反日反米が多いので、そんなことをおおっぴらに議論されては困ります。そこで「反原発」「TPP」など食いつきが良さそうなところを「争点」として設定し、選挙結果を誘導しようとするのです。

 

これは過去何度も行われており、それなりに有効な戦略でした。

普段政治に関心のない人たちも、選挙が近づくと投票先を探し始めます。そこでマスコミがひょいと争点を提示してやると、「そうか!今回は反原発が争点なんだ」と思って投票します。自分に都合の良い判断基準を与えることで、投票先を実質的に誘導することができるのです。

「秘技:争点ずらし」はこれまでの業績や根源的な問題から目をそらし、浮動票を誘導するためだけの一発ネタです。だから話題性と訴求力があればそれで構いません。

普段から政治に関心があって調べようとする人は、最初から「争点ずらし」のターゲットではありません。知識にどんな差があっても一票は一票なので、誘導しやすい人たちからごっそりいただくわけです。

選挙が終われば浮動票は政治への関心を失います。そして用意された「争点」も報道されなくなり、忘れられます。しかしそんなことは誰も気にしません。あれほど騒がれた年金問題がどうなったかとか、ミスター年金がいま何してるなんて聞いたことないし、気にしたこともないでしょう? 

 

さて今回、小沢一郎さんが嘉田さんと組んだとき、「ああ、これはいつもの手口でメディアが押してくるな」と感じました。

しかし票はまったく未来の党へ流れませんでした。

「理想派社会主義者」が、社民党と票を分け合って共倒れになったからかもしれません。

第三極の準備が整わないうちに解散に踏み切った野田佳彦首相の作戦勝ちかもしれません。

しかし一番大きな理由は、選挙に行く人たちが全体的に賢くなったからではないかと思います。政治家の言動や哲学がネットに蓄積され、たとえ無党派や浮動票であってもマスコミの誘導に乗りにくくなったのではないでしょうか。

 

小沢さんは百戦錬磨の強者ですが、習近平氏(当時ナンバー6)をゴリ押しして天皇陛下に会わせたことはネットに記録されています。また六百人以上の訪中団を引き連れて北京詣でをし、「私は人民解放軍の野戦司令官」と発言したことも有名です。

調べたらすぐソースが出てくるので、どんな人物なのか若い人たちでもすぐ見当がつきます。「中国・韓国べったり」という印象を消すことは困難なので、選挙直前になって反原発を主張したところで「また日本の産業を潰して技術を流出させようとしてるよ」としか思われないのです。

 

この3年で、日本の選挙民はかなり賢くなったと思います。

今回は小選挙区は自民、比例は維新にと分けたり、一票の価値を最大限に高める行動が目立ちました。

思考停止に陥って棄権した人も増えましたが、それ以外の人はルールや特徴を理解して投票したと思います。投票行動においても二極化が見られるのは興味深いことです。

 

 

さて、選挙の結果いよいよ安倍晋三さんが復活します。

今の安倍さんは「得意科目」の安全保障に加え、「国土強靭化200兆円+インフレターゲット」という対デフレ経済政策を自分の口ではっきり述べています。これは大きな進歩と言えるでしょう。

周辺国シンパの執拗な攻撃に耐え、総裁選の不利を覆し、ボロボロにされた人間がさらに強くなって這い上がって来るとはなんと素晴らしいことか!

「小泉の後継者」としてしか見られていなかったあの頃とは明らかに違います

 

もちろん前途は多難です。

安倍さんの対外政策は公明党と関係がぎくしゃくしそうなものが多いです。比較的早いうちに公明党との連立を再考したり、維新との連携を模索するタイミングが来るでしょう。

また自民も一枚岩ではないので、選挙が終わったらマスコミや他党と結託して「後ろから撃つ」やつが必ず出てきます。

 

しかし私は「今回の安倍政権は民意を背景に長期化する」と予想しています。

なぜなら政治に興味を持ち、根源的な問題を把握して、甘言に騙されることなく現実に対処しようとしている日本人が増えているからです。

今回の選挙を待ち望み、自分の強い意志で投票した人々も多かったことでしょう。これはマスメディアが言う「ふわっとした民意」ではなく、生存本能に根差した「戦う民意」です。

 

理想論や話し合いでは解決できない問題に直面した今、我々はそれにふさわしいリーダーを首の皮一枚で甦らせました。

「日米の連携強化」と「強い日本の復活」は、アジアの安定と発展に寄与するでしょう。

周辺国の挑発と軍事的冒険に、歯止めがかかるでしょう。

脱デフレ政策で日本企業も復活のきっかけをつかむでしょう。

 

それは少しだけ賢くなった「行動する日本人」への、何よりのご褒美となるはずです。

(終)

 

2012年12月 3日 (月)

野合のメカニズム(2) 純粋なイデオロギーは野合できない

ある知人が共産党の選挙カーでこう言っているのを聞いたそうです。

「日本にカネはあるんです! どこにあるか? 大企業が内部留保としてしこたま溜め込んでいます! それを吐き出させれば増税は必要ありません!みんなが幸せになるんです!」

 

・・・さすが共産党。

言っていることには賛同できなくとも、思わず聞き惚れてしまう演説上手

 

「おまえそれは財産権の侵害だろ」

「企業にとっては増税だから、みんな幸せじゃないがな」

「企業が喜んでカネを放出する政策を考えろよ」

いろいろツッコミたいところですが、そもそも私有財産を認めない共産党にしてみれば「民間の財産を奪って使う」という主張は一貫しています。

 

資本家は敵。だからいくら叩いても良い。

労働者は味方。だから何があっても保護すべき。

共産党は叩く敵も支持基盤もはっきりしていて、その対立構造の上に成り立っている政党なのです。

 

共産党には労働者層という確固とした支持基盤があります。機関紙「赤旗」は、新聞受難の現在にあってなお160万部以上を発行しています。

共産主義国の力が衰えても「労使の構造」いまだに変わらず、それゆえに共産党は一定の支持を持っているのです。

 

しかし共産党には、「日本維新の会」や「未来の党」と一緒になろうという話はありません。

あまりにも主張と支持基盤がクリアなので、どことも一緒になれないのです。

他の党と妥協して変にブレると、強固な支持基盤を根こそぎ失います。

受け入れるほうだって、自分の組織内に強固な一派を入れるのは怖い。だから政界がいくらゴタついても、合併の話など出てきません。

 

公明党しかり、社民党しかり。「みんなの党」もちょっとそう。

純粋なイデオロギーほど野合と無縁なのです。

 

逆に今、合従連衡を模索している人々は強いイデオロギーを持ちません。

基本的に「権力を取る」という利害で一致しているだけなのです。

 

彼らは社会党の旗色が悪くなれば民主党へ移ります (理想左派は社民党に残った)。

民主党の旗色が悪くなれば労働組合系は「民主」に残り、活動家は「維新」に移り、小沢派と理想派は「未来」へと渡り歩きます。

 

彼らは原発だのTPPだの目先のトピックを旗印にして、今回の選挙だけを乗り切ろうとします。

国家のグランドデザインを描く気もなければ、長く国を背負うつもりもありません。

極めて近視眼的な連携に見えます。

 

それに比べると、共産党の純粋さがかわいく思えてくるから不思議(笑)。

 

そりゃあ、俺は共産主義や脳みそお花畑は好きじゃないよ。

でも意見があれば聞くよ。

都合のいいときは利用させてもらうよ。

あんたらの調査は頼りになるときもあるしね。

 

しかし小選挙区制度のもとでは、そういった純粋な政党は不利です。

圧倒的な2大政党のプレゼンスの前に埋もれてしまうからです。

 

日本は元来、八百万の国です。

善悪二元論ではなく、もっと複雑で機微に富んだものです。

共産党が資本家を攻撃し、それに地主の息子が賛同するというカオスがまた素敵。

主張するのも賛同するのも自由だから、たった2つの党に押し込もうとするなよ。

 

純粋イデオロギーに政権取らすのは怖いけど、 権力志向の野合ショーばかりではなあ。

マキャベリストは好きなんだけど、国家観ゼロではなあ。

 

小選挙区で失ったものに、政治家や政党の「器」があると思います。

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