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2013年12月20日 (金)

独裁国家の自滅回路(2) 強い国には言論の自由がある

北朝鮮実力者の処刑により、アジアが流動的になってきました。
 
張成沢一派の粛清は日本・中国・韓国などにも広がると言われており、すでに関連する人々は行方不明になったり、連絡がつかなくなっているそうです。
 
それが自主的なものなのか、「実行部隊」によるものかはわかりません。しかし日本国内で銃撃事件などが増えていることからも、そういった戦いが展開されていると考えておいた方が良いでしょう。
 
 
実力者だった張成沢が処刑された背景は、中国に国益を売っただとか、女性関係だとか様々な情報があります。しかし本人は死んでいるのですから、確かめようもありません。
 
「死人に口なし」
 
これは北朝鮮だけがやるわけではありません。情報戦の基本です。
 
イラクのサダム・フセインがつかまったとき、メディアはそのみじめな姿を映してフセインの権威を貶めようとしました。隠れ家には大量のエロ本やエロビデオがあったとか、不確かな情報が飛び交いました。そもそもイラク攻撃自体が「大量破壊兵器保有」という不確かな「罪状」に基づいて行われたものです。敵をやっつけるにしても大義名分が必要なのです。
 
カネ、女、利権、卑怯な行い、何でも構いません。「ああ、それじゃ殺されてもしょうがないね」と思われるようなことを並べ立てて、死人に同情する人が出てこないようにします。またそれによって残党が団結して反撃したり、民衆が味方することを防いでいるのです。
 
さらに独裁国家の場合は「今の国難を招いたのはコイツのせいだ!」という罪のなすりつけが行われます。国民の恨みを一身に集めて死んでもらえば、国民も納得するし独裁者の地位も安泰と言うわけです。
 
 
 
それにつけても思うのは、「言論の自由ほど大切なものはない」ということです。
 
相手を殺して口を封じるのは簡単なのですが、それを続けると人材が失われて国がどんどんダメになって行きます。しかし途中でやめるわけにも行きません。戦うことをやめた人間から殺されて罪をなすりつけられるので、わかっていても降りられないのです。
 
 
それに対し、世界の先進国にはほぼ必ず「言論の自由」があります。
 
相手を殺すことで勝利するのではなく、言論によって権力や影響力を競います。
 
議論で負けても、間違っていても、死ぬことはあまりないので好きなことが言えます。
 
「俺はこう思う」 
「こっちのほうがいいんじゃないか?」
「とりあえずやってみるよ。アレ?だめだな。どうしてだろ」
「ここがこうなってんだから、成功するはずないだろ」
「じゃ、おまえやってみろよ」
「ほらよ。こうすればいい」
「ホントだ。信じらんねえ。おまえやるなあ」
「どうだ、参ったか」
「勉強になった。私がアホでした」
 
・・・こんなことを繰り返しながら技術や社会が進歩し、着実に豊かになって行きます。お互いに安全が確保されているので、小さな失敗を繰り返しながらノウハウが蓄積されて行くのです。
 
 
 
しかしこれができるのは西洋文明と、甘く見てせいぜい日本文明・ロシア文明までです。他の文明は程度の差はあれ言論の自由度が低く、下手なことを言うと死に直結します。権力者には逆らわないことが第一で、何かまずいことが起こったら誰かを陥れて自分の安全を確保しなければならないのです。
 
「よし!今年は米の生産を10倍に増やす!」
「それは良いお考えです。将軍様」
「うわー!苗を10倍の密度で植えたら収穫が落ちたあ!」
「(まずい。何とかしなくては)将軍様。責任者はコイツです!」
「えっ、なんで俺?」
「言い訳をするなああ!経済政策の失敗で死刑だああ!!!」
「私は知っています。こいつは無能な上に横領もしていました。国の利権を売って外国にカネを貯めていました。見境なく女に手を出していました。将軍様を殺して、自分がその椅子に座ろうと狙っていました」
「やはりな。今の国難はすべてこいつのせいである。死刑執行!」
「グエッ」
「しかし困った。食料がない。よし!来年は麦の生産を10倍に増やす!」
「それは良いお考えです。将軍様」
 
こうして独裁者の周囲は、保身に長けたイエスマンばかりになります。技術のある人や解決法を知っている人も、進んで問題を解決することはありません。成功しても功績を横取りされ、失敗したら殺されるからです。そんなリスクを冒すぐらいなら、他の国に亡命した方がマシです。その結果、社会は進歩せず貧しさから抜け出せないのです。
 
 
 
日本にも、国益を害してばかりの人や怪しい組織がたくさんあります。
 
しかしそれでも「殺してしまえ」とは思いません(相手がこちらを殺そうとしない限り)。
 
私の目から見て国益を害しているように見えても、もっと広い視野や歴史のコンテクストで見た場合、相手のほうが正しかったという場合もあります。
 
どうしてその人たちが国益を害する行動を取るのか、自発的なのか洗脳されたのか、そのメカニズムや手口を研究すれば防御にも攻撃にも応用できます。
 
また今は敵対している組織でも、情勢が変われば共闘することもありえます。そのときのために詳しい事情を知る人物は生かしておくべきで、それまで影響力を低下させておくだけで良いのです。
 
いずれにしても意見が違うからと言ってその口を塞いだり、ましてや殺して良いはずがありません。そのあたりの分別が、先進国とその他の国を分ける最大の違いだと思います。
 
(続く)
 

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