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2013年12月30日 (月)

靖国問題の新展開(2)プロパガンダで倍返し

4.
プロパガンダに対しては長期的には「真実」で対抗できるが、短期的には無力。プロパガンダにはプロパガンダで倍返しすべき。

 

ではどうすれば良いのか?

まず「こちらの考えや事実を説明して納得してもらおう」という努力は、好奇心旺盛で思い込みが薄い知識層に限るべきです。それが書籍や論文として残れば、無意識のまま宗教対立にはまる可能性は低くなります。知識層の理解は長期的な国益につながるでしょう。

しかしそれだけでは不十分です。

なぜなら世界の多数派である「テレビを見て自分で考えた気になっている人々」には全く無力だからです。下手をすると政府首脳がワイドショーレベルの情報で政策を決めている国もあります。

他人に洗脳されて襲い掛かってくる人々の悪意から逃れることはできません。逆に洗脳されやすい人をこちらも利用して、敵の邪魔をする必要があります。

今は各国政府・メディアに反日カルト集団が巣食っています。これを無力化して日本の国益が世界の幸福につながることを宣伝してもらう必要があります。日露戦争の明石元二郎のように、国際世論や情勢を有利に導くことに力を入れなければなりません。

そのためには専門の組織を作り、何兆円もの資金を注ぎ込む必要があります。相手はすでにその手口で、主要国・メディア・国際機関を抱き込むことに成功しました。他の国が当たり前にやっていることを、日本もきちんとやりましょう。

 

相手のプロパガンダに対して、譲歩や弁解をしても解決になりません。そんなことをすれば傘にかかって責めたてられるだけです。それよりもこちらから相手の困る情報を流し、プロパガンダで倍返しすべきだと考えます。

この「カウンタープロパガンダ」に関しては、多少の誇張はアリです。知識層以外の人々は、自分で深く考えることなくイメージだけで判断します。あくまで強いイメージを植え付けるために、シンプルなメッセージを伝え続けるのです。

勝算は十分にあります。世界で「現実に起こっていること」に目を向けさせれば良いのです。日本を滅ぼした後は欧米がターゲットになることが目に見えているので、そこに訴えるとさらに効果的です。

 

5.
「日本は軍国主義に戻りつつある」との主張を否定するため、しばらく核武装などの強い議論は避ける。政治家の靖国参拝も避け、離間策を助けないようにする。その間に火をつけて回っている日本の反日メディアを更生させる。戦犯分祀や遊就館に手を付け、靖国神社を文句のない慰霊施設にする必要がある。

 

しかし相手のプロパガンダで広まったイメージを覆すのは容易ではありません。何を言っても悪だくみをしているように思われるでしょう。各国の非難に反発して孤立するのは得策ではありません。それは第二次大戦の繰り返しであり、相手の思う壺です。

ではどうするかというと、「日本は第二次大戦の結果と秩序を受け入れている」という姿勢を示すことです。英米の疑念を強めるようなことは控えましょう。

私はもともと核武装論者ですが、それは当面控えます。今それを日本側から言えば、日米離間を助けることになるからです。

 

靖国は私の好きな場所のひとつですが、今回あえて提言します。戦犯はA級だけでなく、すべて分祀しましょう。A級だけ分祀したら次はBCで難癖をつけてくるのは見えているからです。「分祀したら増えることになる」という人もいますが、もともと経典のない宗教なので柔軟に対応できると思います。東郷神社に引き取ってもらうも良し、新たな神社を作るも良しです。

戦勝国が疑念を抱くような展示物は控えましょう。日本人がどう考えるかではなく、米英がどう考えるかが重要なのです。ご不満もあるかもしれませんが、もう一度米英に逆らえば国や神社そのものがなくなります。せっかく100年以上の伝統があるのに、新しい慰霊施設を作るのはもったいないことです。天皇陛下を含めて世界中の誰もが参拝できる慰霊施設として存続するためにお願いします。

 

その間になにをするかと言うと、国内の大掃除です。

日本の政府・メディア・企業に入り込んだ反日カルト勢力の力を削ぐのです。

欧米にむかついた人もいると思いますが、それをぶつける相手は第一に「火種をまき散らし続ける日本国内の敵」、第二に「それに乗っかっている近隣諸国」です。

靖国も慰安婦も何もかも、火をつけて回ったのは日本のメディアです。

日本の国益を害して、反日国家に利益を与えているのは日本の政治家・官僚・経営者なのです。

彼らに「反日は利益にならない」と思わせなければなりません。

日本国内の裏切り者がいなくなれば、かなり戦いは楽になるはずです。

 

6.不満があっても今は耐えましょう。すべては戦いに勝つために!

私の意見は、「変節」に見えるかもしれません。 

しかし私はもともと「靖国への立場を変えることがあるとしたら英米が不満を表明した時」と書いています。日本側が誠実に史実や立場を訴えても、国際社会で認められないことに対する限界を感じ始めています。

今の劣勢を覆し、日本をチベット化させないためには、日本人としての大義や宗教的純粋さにこだわっている場合ではありません。

「自分がどう思うか」より、「英米がどう思うか」が重要なのです。

日本がガッチリ英米と手を組んで抑え込めば、被害は最小限で済みます。

そうすれば中華文明は勝手に瓦解します。  

 

今の日本は、審判が買収されたと知ってゲームを続けるスポーツ選手のようなものです。

「強く贔屓されている人が他にいて、いつも不公平な判定で負けさせられる」

「どうせ努力しても評価されないし、叩かれるだけ」

そう考えるだけで心が萎えそうになります。

しかしここは発想を変えましょう。

審判がカネや接待で転ぶなら、自分はその上を行く買収をしてやるのです。

 

この考え方は日本人はなじまないと思います。

またそのスポーツ自体の技術向上・競技人口増加・青少年の熱意などにおいて大きな損失となります。

しかしそれは買収される審判や、それを認める協会が選んだことです。スポーツの結果が審判次第で変わるなら、買収合戦になるのは当然です。

 

国際社会も同じです。

独裁国家のプロパガンダを信じ込んで平和と自由に貢献する日本を攻撃するのであれば、こちらもそれ以上のプロパガンダをばら撒いて生き残るだけのこと。

そうさせたのは国際社会であって日本ではない。これは他人のせいにしているわけではなく、単に環境に適応するというだけの話です。

危機感を持って情報戦争に勝利しましょう。

(終)

 

2013年12月29日 (日)

靖国問題の新展開(1)自覚なき宗教戦争

安倍首相が靖国神社に参拝しました。

これは日本人の多くに支持されました。それに対し最初に「放火」した日本のメディアが騒ぎ立て、中国・韓国・北朝鮮が反発する。ここまでは想定通りです。
 
しかし意外だったのは、米国・EU・ロシア・国連などからも懸念の声が上がったことです。これは小泉首相の時には見られなかった現象であり、靖国問題は新展開を迎えたと考えます。過去の戦いにケリをつけ今の戦いに勝つために、この問題の解決策を提言します。
 
 
[骨子]
  1. 世界の政府やメディアは中韓北のプロパガンダにやられている。欧米政府・メディア・国際機関に反日カルト勢力が相当入り込んでいる。
     
  2. 日本人の強固な宗教観は、他国に理解されにくい。なぜなら経典も儀式もなく、日本人自身が日本教徒であることを自覚していないから。外国人に納得してもらうことは不可能に近く、上げ足を取られてドツボにはまるだけ。
     
  3. 欧米諸国は、日本人の心を踏みにじっていることを知らないまま靖国参拝を非難している。日本人は自分の宗教観を否定されていることに無自覚なまま腹を立ている。宗教戦争に終わりはない。これでは相手の思う壺だ。
     
  4. プロパガンダに対しては長期的には「真実」で対抗できるが、短期的には無力。プロパガンダにはプロパガンダで倍返しすべき。
     
  5. 「日本は軍国主義に戻りつつある」との主張を否定するため、しばらく核武装などの強い議論は避ける。政治家の靖国参拝も避け、離間策を助けないようにする。その間に火をつけて回っている日本の反日メディアを更生させる。戦犯分祀や遊就館に手を付け、靖国神社を文句のない慰霊施設にする必要がある。
     
  6. 不満があっても今は耐えましょう。すべては戦いに勝つために!
 
 
1. 
世界の政府やメディアは中韓北のプロパガンダにやられている。欧米政府・メディア・国際機関に反日カルト勢力が相当入り込んでいる。
 
 
安倍首相の靖国参拝を私は希望していました。いつもの国や反日メディアは騒ぐでしょうが、他の国は何も言ってこないだろうと。
 
しかし米国・EU・ロシア・国連などが非難や遺憾を表明したことは驚きました。普通、ある国の慰霊方法について他国が文句を言うことはありません。人それぞれ、国それぞれです。小泉首相が靖国神社に参拝した時も、中韓朝以外から文句を言われたことはないと思います。
 
これは局面が大きく変わったものと考えます。簡単に言えば、靖国に関する日本の主張は欧米諸国に全く受け入れられていない。少なくとも主流とはなっていないのです。
 
 
 
もちろん、それらの国の全員が非難しているわけではありません。
 
擁護してくれる国や人もいます。
 
しかし最も大事なのは他国、特に米英の理解なのです。
 
そこから懸念の声が出るということは、情報戦で完全に負けていると考えたほうが良いでしょう。米国だけでなく、大英連邦もかなり乗っ取られている感じがします。
 
 
 
2.
日本人の強固な宗教観は、他国に理解されにくい。なぜなら経典も儀式もなく、日本人自身が日本教徒であることを自覚していないから。外国人に納得してもらうことは不可能に近く、上げ足を取られてドツボにはまるだけ。
 
 
安倍首相の靖国参拝に対し、日本人の7割程度が好意的にとらえています。「公約を果たしてくれた」との感謝もあるのでしょう。戦犯も含めて死者を慰霊することは、日本の宗教観にピッタリとマッチしています。
 
しかしこれも手放しでは喜べません。私が敵国であれば、これを最大限に利用します。反日メディアを使って、安倍首相を熱狂的に支持する日本人の姿を世界に映し出してこう言います。
 
「安倍は軍国主義で危険ですが、日本人はそれを圧倒的に支持しているんですよ。アブナイ国ですねえ(笑)。あなたの本当の敵は日本人だと言っていた私のことを信用して、手を組みませんか?」
 
 
 
 
普通なら、アメリカはそんな甘い誘いに乗りません。
 
日本をアメリカから引き離せば、西太平洋は中国のものです。
 
さらに移民で豪州やニュージーランドを乗っ取れば、米軍はインド洋に出られなくなります。
 
太平洋から中東に行けなくなれば、アメリカの力は半減します。
 
そこで日本人を使って、アメリカと戦争させれば良いのです。
 
アメリカが犠牲を払って飼いならした日本人を離間策で中国の支配下に収めることができれば、戦闘に弱い中華文明の弱点を補完できます。最終的には日本人が全滅してアメリカが勝つにしても、お互いに「やらなくても良い戦争」でしかありません。そして彼らは漁夫の利を得るのです。
 
しかし国防省はともかく、今の米大統領や国務省にその判断ができるかどうか微妙です。日本を大切にすることが彼らの国益になると、説かなければならないのです。
 
 
 
それなのに、日本のアメリカ大使館は「失望した」と表明してしましました。
 
これには敵国のプロパガンダも入っていますので、思惑に乗ってブチギレる必要はありません。
 
ただ、むかつくのはわかります。
 
「おまえは何も知らないくせに、自分のことを棚に上げて日本にだけ説教すんじゃねえ!」と。
 
 
 
ここでなぜ、我々がむかつくのか考えてみます。
 
日本の宗教観では、死んだら罪は許されます。逆に「死んで罪を償う」という考え方があります。
 
しかし安らかに死ねなかった場合、非業の死を遂げた人が悪霊とならないように神社に祀(まつ)ってしまいます。
 
靖国の戦犯も同じで、「死んだらみな仏」「神として祀るから祟らないでね」との気持ちで祀っているのです。日本人であれば納得のロジックです。
 
しかし外国人にしてみれば、犯罪者や反逆者を「神として祀る」のは信じられないかもしれません。
 
 
 
日本人は自分で気づかないほど、強固で独特な宗教観を持っています。
 
これはディープな話になるので別の機会で詳しく述べますが、日本人は決して無宗教ではありません。日本人ほぼ全員が山本七平氏が言うところの「日本教」の教徒なのです。
 
これは外国人と接したり、歴史・文化・宗教について深く考えた人ほど思い当たる節が多いと思います。
 
 
 
日本教には経典がありません。儀式もありません。宗教警察も宗教裁判所もありません。
 
子供が生まれたときからその「布教」は始まっており、無自覚のまま死んでいきます。
 
日本人は生活や仕事すべてが宗教的です。
 
村八分にされるのも、能力や業績で出世が決まらないのも、日本では宗教的態度が一番の問題となるからです。
 
日本で世界宗教会議が開かれるのは、日本人が無宗教だからではありません。他宗教も矛盾なく受け入れられる強固な宗教なので、問題にならないのです。
 
自分たちの独特で強固な宗教観に日本人自身が無自覚」これが第一のポイントです。
 
 
 
 
 
3.
欧米諸国は、日本人の心を踏みにじっていることを知らないまま靖国参拝を非難している。日本人は自分の宗教観を否定されていることに無自覚なまま腹を立ている。宗教戦争に終わりはない。これでは相手の思う壺だ。
 
 
 
多くの日本人が米国などにむかついたのは、日本人の宗教観を否定したからです。
 
たとえばあなたが正月に神田明神に初詣して、おみくじを引いていたとします。
 
そこに近隣のキ○ガイストーカーが後をつけて来て、「おまえは平将門を崇拝するのか!」「戦争賛美だ!国家反逆罪だ!」と騒ぎ立てました。それを外国人観光客が不思議そうな顔で見ています。
 
キ○ガイストーカーは放置して、あなたは外国人観光客に説明しました。
 
「あ、これは反逆者を崇拝しているわけじゃないんです。この国には『死んだらみな仏』という考え方があって、現世で犯した罪は許されます。しかし地位の高い人や、非業の死を遂げた人は、悪霊となって災いをなすと信じられています。ですから神として祀り上げて、いまを生きる人々に祟らないようにしているんですよ。神田明神はそうして1300年の歴史を刻んできました。そんな神社は日本にはたくさんあるんですよ」
 
しかし、外国人観光客はあなたの言い分を聞きません。
 
「お前はやっぱり国家反逆者を崇拝している。言い訳は認めない」
 
 
 
これは頭に来ますよ。
 
公平さも、他宗教への理解もありません。
 
自分はアーリントン墓地で南軍兵士を弔問しておいて、それは「奴隷制賛美」ではないのか?
 
ワシントン国立大聖堂で反乱軍の将軍たちを祀って、それは国家反逆を礼賛しているのではないのか。
 
靖国を「戦争神社」と名付けることはとんでもない冒涜だ。他国の宗教施設に対して「戦争大聖堂」「戦争墓地」などと勝手に名称を変えることは許されない。
 
そもそも彼らは靖国にしても慰安婦にしても尖閣にしても、日本の言い分を聞きはしない。それが同盟国に対する仕打ちか!そんなに独裁国家に侵略させるのが好きなのか!
 
・・・まるでワイドショーの言い分をそのまま鵜呑みにしているもんです。そんな人々が世界を支配していることに絶望すら感じます。
 
しかしその感情は横に置いて、思考を続けます。 
 
 
 
さて安倍首相は各国の非難に対して「説明して理解してもらう」と述べました。
 
これは大変危険なことです。
 
なぜなら日本の「先祖崇拝+自然信仰+天災への恐怖」が結び付いた宗教観は、他の文明の理解の外にあるからです。説明すればするほど上げ足を取られ、ドツボにはまるでしょう。
 
 
 
靖国参拝を非難した人々も、おそらく日本人の宗教観を踏みにじっているとは感じていないはずです。そこにこの問題の恐ろしさがあります。
 
宗教戦争に終わりはありません。こちらの心を理解しようとしない連中に対して、人間はいくらでも残酷になれるからです。
 
この「すれ違い」がエスカレートすれば、日本と欧米は「自覚なき宗教戦争」に突入します。それがもたらす世界的な災厄については、日米離間を仕掛けた中韓朝も予測できていないかもしれません。
 
(続く)
 
 
 

2013年12月21日 (土)

独裁国家の自滅回路(3) ネットは日本最高のメディア

 
「強国では自由な言論が認められている」
 
その意味で日本のネット言論には大いに期待しています。
 
実社会ではそれなりにタブーがあって、外国にメディアを握られている日本にとって、これほど自由な言論空間はありません。
 
 
 
私の経験則では、ネット世論は2年以上リアル世論に先行します。
 
ネットでさんざん議論され結論が固まったことを、ずっと後になってマスメディアがさも新しい情報を見つけたかのように報道するのです。私から見れば日本で最高のメディアはネットであり、次に一部の週刊誌・新聞です。日本のテレビは一部ドキュメンタリーやスポーツ以外見ることはありません。
 
ネットがすごいというのもありますが、日本のマスメディアは独裁国家のそれに近いと感じています。先進国の基盤を支える仕組みとしては、お粗末と言わざるを得ません。視聴者を馬鹿だと思って嘘ばかり言っているようでは、真実が伝わるにつれて誰も見なくなるでしょう。
 
 
 
最近のネット世論では、私は「保守分裂」を楽しみに見ています。
 
これまで安倍首相を全面的に応援していた人々が、TPP参加と消費税引き上げで「安倍断固支持」と「グローバリストの安倍を信じるな」というグループに分裂しました。「信じるな」の中にはさらに「代わりがいないので消極的に支持継続」や「打倒安倍内閣」まで様々であり、反安倍派の離間工作もあってお互い罵り合うような状況です。
 
しかし私はこれを、健全な戦いだと見ています。
 
勝利の後に内ゲバが始まるのは歴史の法則
 
民主党が一気に泡沫化し、反自民が一本化できない状況を見て安心して内輪揉めしているのです。
 
 
それでも左翼の内ゲバと違って、右翼や中道の戦いは平和です。
 
「お前は間違っている!」と言い合うだけで、殺し合いにはならないからです。
 
情勢が変わればかつての薩長のように、再び協力することもあるでしょう。
 
今はそれぞれ自分の道を進んで、パワーアップしておいてくださいな。
 
 
 
そしていま最も注目したいのは、2012年ミス・インターナショナルの女性が日本のメディア、芸能事務所、広告代理店を告発していることです。
 
日本を代表する女性がいやがらせや脅迫を受けているにもかかわらず、そのこと自体を黙殺する日本メディアにネット上で批判が集まり、海外メディアを巻き込んで大情報戦と化しています。
 
これは潮目の変化を感じさせます。というのもこれまでは、マスメディアが言うことがそのまま世論となっていました。しかし今回は日本のマスメディア自体に批判が集まり、盤石だった日本のメディア支配にほころびが見られるようになっているからです。
 
 
 
先進国が豊かで強いのは言論の自由があるからであり、それを失った国は衰退します。 
 
いくら人々の口を封じても、独裁のシステムはいつか自壊します。
 
日本のメディアを支配した独裁者たちも、ネットという自由な言論空間によってその権力を失いつつあるのです。
 
2014年はそれが明らかになる、画期的な年になるかもしれません。
 
(終)
 
 
 

2013年12月20日 (金)

独裁国家の自滅回路(2) 強い国には言論の自由がある

北朝鮮実力者の処刑により、アジアが流動的になってきました。
 
張成沢一派の粛清は日本・中国・韓国などにも広がると言われており、すでに関連する人々は行方不明になったり、連絡がつかなくなっているそうです。
 
それが自主的なものなのか、「実行部隊」によるものかはわかりません。しかし日本国内で銃撃事件などが増えていることからも、そういった戦いが展開されていると考えておいた方が良いでしょう。
 
 
実力者だった張成沢が処刑された背景は、中国に国益を売っただとか、女性関係だとか様々な情報があります。しかし本人は死んでいるのですから、確かめようもありません。
 
「死人に口なし」
 
これは北朝鮮だけがやるわけではありません。情報戦の基本です。
 
イラクのサダム・フセインがつかまったとき、メディアはそのみじめな姿を映してフセインの権威を貶めようとしました。隠れ家には大量のエロ本やエロビデオがあったとか、不確かな情報が飛び交いました。そもそもイラク攻撃自体が「大量破壊兵器保有」という不確かな「罪状」に基づいて行われたものです。敵をやっつけるにしても大義名分が必要なのです。
 
カネ、女、利権、卑怯な行い、何でも構いません。「ああ、それじゃ殺されてもしょうがないね」と思われるようなことを並べ立てて、死人に同情する人が出てこないようにします。またそれによって残党が団結して反撃したり、民衆が味方することを防いでいるのです。
 
さらに独裁国家の場合は「今の国難を招いたのはコイツのせいだ!」という罪のなすりつけが行われます。国民の恨みを一身に集めて死んでもらえば、国民も納得するし独裁者の地位も安泰と言うわけです。
 
 
 
それにつけても思うのは、「言論の自由ほど大切なものはない」ということです。
 
相手を殺して口を封じるのは簡単なのですが、それを続けると人材が失われて国がどんどんダメになって行きます。しかし途中でやめるわけにも行きません。戦うことをやめた人間から殺されて罪をなすりつけられるので、わかっていても降りられないのです。
 
 
それに対し、世界の先進国にはほぼ必ず「言論の自由」があります。
 
相手を殺すことで勝利するのではなく、言論によって権力や影響力を競います。
 
議論で負けても、間違っていても、死ぬことはあまりないので好きなことが言えます。
 
「俺はこう思う」 
「こっちのほうがいいんじゃないか?」
「とりあえずやってみるよ。アレ?だめだな。どうしてだろ」
「ここがこうなってんだから、成功するはずないだろ」
「じゃ、おまえやってみろよ」
「ほらよ。こうすればいい」
「ホントだ。信じらんねえ。おまえやるなあ」
「どうだ、参ったか」
「勉強になった。私がアホでした」
 
・・・こんなことを繰り返しながら技術や社会が進歩し、着実に豊かになって行きます。お互いに安全が確保されているので、小さな失敗を繰り返しながらノウハウが蓄積されて行くのです。
 
 
 
しかしこれができるのは西洋文明と、甘く見てせいぜい日本文明・ロシア文明までです。他の文明は程度の差はあれ言論の自由度が低く、下手なことを言うと死に直結します。権力者には逆らわないことが第一で、何かまずいことが起こったら誰かを陥れて自分の安全を確保しなければならないのです。
 
「よし!今年は米の生産を10倍に増やす!」
「それは良いお考えです。将軍様」
「うわー!苗を10倍の密度で植えたら収穫が落ちたあ!」
「(まずい。何とかしなくては)将軍様。責任者はコイツです!」
「えっ、なんで俺?」
「言い訳をするなああ!経済政策の失敗で死刑だああ!!!」
「私は知っています。こいつは無能な上に横領もしていました。国の利権を売って外国にカネを貯めていました。見境なく女に手を出していました。将軍様を殺して、自分がその椅子に座ろうと狙っていました」
「やはりな。今の国難はすべてこいつのせいである。死刑執行!」
「グエッ」
「しかし困った。食料がない。よし!来年は麦の生産を10倍に増やす!」
「それは良いお考えです。将軍様」
 
こうして独裁者の周囲は、保身に長けたイエスマンばかりになります。技術のある人や解決法を知っている人も、進んで問題を解決することはありません。成功しても功績を横取りされ、失敗したら殺されるからです。そんなリスクを冒すぐらいなら、他の国に亡命した方がマシです。その結果、社会は進歩せず貧しさから抜け出せないのです。
 
 
 
日本にも、国益を害してばかりの人や怪しい組織がたくさんあります。
 
しかしそれでも「殺してしまえ」とは思いません(相手がこちらを殺そうとしない限り)。
 
私の目から見て国益を害しているように見えても、もっと広い視野や歴史のコンテクストで見た場合、相手のほうが正しかったという場合もあります。
 
どうしてその人たちが国益を害する行動を取るのか、自発的なのか洗脳されたのか、そのメカニズムや手口を研究すれば防御にも攻撃にも応用できます。
 
また今は敵対している組織でも、情勢が変われば共闘することもありえます。そのときのために詳しい事情を知る人物は生かしておくべきで、それまで影響力を低下させておくだけで良いのです。
 
いずれにしても意見が違うからと言ってその口を塞いだり、ましてや殺して良いはずがありません。そのあたりの分別が、先進国とその他の国を分ける最大の違いだと思います。
 
(続く)
 

2013年12月13日 (金)

独裁国家の自滅回路

北朝鮮のナンバー2である張成沢(チャンソンテク)氏が処刑されました。部下や親類縁者などの粛清は3万人以上になると言われています。なんというか、さすが独裁国家です。

後出しで申し訳ないですが、実は私はそんな予感がしていました。
 
というのも以前に、「張成沢がトップになれば、状況は良くなるはずだ」という中央日報(韓国)の記事が出ていたからです。独裁国家で主席をさしおいてそんな噂が広がれば、かなり確率の高い死亡フラグとなります。
 
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「張成沢が執権すればいまよりいいはず」…密かに話す北朝鮮住民(1)
2013年11月17日11時54分
[中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  北朝鮮でこのところ予想外の政権交替説が出回っている。張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が金正恩(キム・ジョンウン)を押し出すということだ。14日明け方に平壌(ピョンヤン)に住む貿易労働者のキム氏と通話した。北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムフン)、恵山(ヘサン)などで集団銃殺が広がっているという知らせを韓国に伝えた数日後だ。
 
  彼に、「張成沢の権力は大きくなるか」と尋ねると、「いまは金正恩より張成沢が政権を取ればはるかに生活が良くなるだろうという噂が広まっている」と話した。張成沢は頭が良く、「領導力」が優れており、彼を嫌いだという幹部はいないほど周辺管理を徹底し、下の人たちからも大きな尊敬を受けているという。彼はまた、「金正日(キム・ジョンイル)時代は話すことはできなかったが、『若い奴がとても幼稚に遊ぶのでこうしたことでは国をつぶしかねない』とこそこそと言っている。さらに『李朝五百年』(世襲政権を皮肉る言葉)と公然と話す人もいる。老兵(金正日の側近元老)も首を横に振る。わかっている人はみんなわかっている」と話した。  (以下略)
=====================================================================
 
もちろん張成沢自身がこんな噂を喜ぶはずはありません。必死になって打ち消しにかかったはずです。
 
しかし独裁者の心にいったん嫉妬と猜疑心が芽生えたら、そこから逃れる術はありません。おとなしく殺されるか、自分から殺るかです。
 
 
 
歴史を良く知っている人は、これが典型的な「離間の計」であることがわかるでしょう。
 
猜疑心の強い君主のもとに有能な部下がいるときは部下の方を褒め称え、君主の嫉妬を煽って有能な部下を「自ら処理」させるのです。
 
それを見ていた他の部下は、恐怖を感じこそすれ心からの忠誠を誓うことができなくなります。いつどこで自分が、そのような目に会うかわからないからです。その結果、君主のもとには有能な人材はいなくなります。
 
たとえば「項羽と劉邦」では項羽陣営から范増という有能な軍師を引きはがすために、同じような計略が使われています。また三国志でも董卓と呂布を仲たがいさせるために使われています。
 
 
 
この計略を誰が仕掛けたのかはわかりません。
 
少なくとも金正恩自身ではないでしょう。そんな噂が広まれば自分の権威は落ち、幹部がお互い疑心暗鬼になって組織がガタガタになるからです。
 
しかし中国と仲が良かった張成沢を陥れるために、北朝鮮国内の反中国派がやった可能性はあります。
 
単に深化組事件の恨みを晴らすべく、張成沢の敵対勢力がやった可能性もあります。
 
米国、ロシア、韓国、日本(!)など外国勢力の可能性もあります。
 
本当のところはわかりませんが、北朝鮮と中国(北京)の間が冷え込みそうなことは確かです。
 
 
 
この計略は、独裁国家に対して特に良く効きます。
 
というのも独裁国家では疑り深い性格でないと出世できないからです。
 
本来が持っているその性格を煽って動かすだけなので、効果覿面となります。
 
独裁国家の自滅回路のスイッチを入れてやるだけで、あとは連鎖的に破滅へと転がって行きます。
 
 
 
中国も同様です。
 
「Aさんは国の資産を外国に持ち出して、自分だけ逃げる気らしい」
 
「Bさんは上司のCさんを陥れて、自分がその椅子に座ろうと思っている」
 
「Dさんは亡命の見返りに、君の隠し口座のことをアメリカに話した」
 
「Eさんはオーストラリアに亡命して、残って頑張っている君たちのこと笑ってるらしいよ」 
 
事実かどうかは問題ではありません。それっぽい噂をいくつも流してやれば、あとは勝手にケンカを始めてくれるのです。
 
 
 
ただ残念ながら、今の日本がそのスイッチを押すわけには行きません。
 
というのも、押し寄せてくる難民に対処できないからです。
 
独裁国家がガタガタになるのは良いのですが、日本が乗っ取られるという笑えない結果になります。
 
内側にまで深く入り込んだ敵を「掃除」するために、もう少し時間が必要なのです。
 
 
 
しかしその瞬間はいつかやって来ます。
 
誰かが自滅回路のスイッチを押さなくても、自然に始まってしまうのです。
 
その時のために、いまから準備しておきましょう。
 
(続く)

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