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« オバマ外交の前後不覚(2) あと3年の罰ゲーム | トップページ | オバマ外交の前後不覚(4) G8を争わせアメリカの手足を切り落とす »

2014年3月19日 (水)

オバマ外交の前後不覚(3) ロシア系住民迫害から軍事介入へ

いったん終わりましたが、情勢が変わったので再開します。

住民投票の結果を受けて、プーチン大統領はクリミアのロシア編入を宣言しました。

 
 
 
実に驚くべき手際の良さです。「こんなこともあろうかと」クリミアを自治共和国としておいたのでしょう。
 
同じ動きはウクライナ東部でも起こるでしょう。独立してロシアの保護をあおぐか、それともいっそ編入してもらうかです。単に独立したままだと欧米の介入を招くので、独立即ロシア編入がベストだと思います。しかしクリミア自治区ほど自治が認められていないでしょうから、手続きは難航するかもしれません。
 
 
 
しかしプーチンが「ウクライナのさらなる分割は望まない」と発言したことには驚きました。
 
どえらい自信です。
 
「もともとロシアのものだったクリミアは『回収』した。黒海の制海権は確保した。残りのウクライナは好きしろ。ただしロシア系住民への扱いは見ているからな」
 
と、欧米やキエフ暫定クーデター政権にボールを投げ返したことになります。
 
 
 
もちろん本音としてはウクライナ全土か、最低でも東部をロシア勢力下に置きたいでしょう。
 
しかしそれはあくまでもウクライナ国民が決めること。
 
「米国やEUが本当に支援するかどうか確かめてみろ。それまで俺は知らないよ」
 
と突き放した形です。
 
どうせ最後はロシアに泣きついてくるという計算なのか、暫定クーデター政権の暴走を誘っているのか、きっちり手順を踏んで詰めてきています。
 
 
 
これはアメリカにとって2回目の「投了チャンス」です。
 
ロシアを悪魔のように罵りながらも、クーデター政権側に暴動前の合意を守らせればこの件は終わります。
 
しかしオバマ政権は、このシグナルを無視するでしょう。
 
そもそも終わらせ方をイメージしないまま始めてしまったので、このまま突っ走るような気がします。
 
 
 
では次に何が起こるか?
 
米国はG7を誘って追加制裁の構えです。
 
ウクライナ国内ではおそらくロシア系住民への迫害が激化し、内戦に近い状態となるでしょう。
 
 
 
 
キエフの暫定クーデター政権は、ウクライナ軍を動かすことに迷いがあります。
 
なぜなら「ウクライナ軍にとってのロシア軍」は「自衛隊にとっての米軍」と同じであり、下手に攻撃命令なんか出せば自分のほうが拘束されかねないからです。
 
そこで暫定クーデター政権は、すでに国家親衛隊なる組織を作っています。
 
 
・・・もう名前を聞いただけで、私的な暴力の匂いが漂ってきます。
 
もともと暫定クーデター政権はネオナチ勢力が混じっているくせにユダヤ系の支援を受けている(かもしれない)というカオスな組織です。
 
何もしないでいれば東部が独立してロシアとくっついてしまい、西部が取り残されます。かといって選挙すれば負けるので、民主的な手続きは踏みたくない。だからこのまま暴力でウクライナを支配するしかないのです。
 
 
 
ここまで条件が揃ったら、西部に住むロシア系住民は逃げるしかありません。東部はまだ争いが続くでしょうから、私ならクリミアまで逃げ込んでプーチンに保護してもらいます。
 
「非道な暴虐の限りを尽くすプーチン皇帝(笑)」のもとに、ウクライナ民衆がぞくぞく集まるという光景が見られるわけです。
 
東部に住んでいたらロシアの支援を得て分離独立を目指します。軍人だったら「クーデター返し」も考えます。暫定政権との話し合いはムダだと考えます。合意を反故にして暴動を起こしたり、ロシア語を公用語からいきなり外すような人々なので、最初から「殺(や)りに来ている」と判断します。
 
 
 
ロシア系住民が迫害されたり虐殺されるようであれば、プーチンはためらわず軍事介入に踏み切るはずです。親ロシア勢力を支援して内戦というシナリオもありますが、それだと長引いて死者が増えてしまうからです。ロシアが直接介入すれば決着は一瞬です。
 
プーチンは経済的利益のために国の安全を損なうようなマネはしません。反ロシア勢力が調子に乗れば乗るほど、核戦争も辞さないロシアの本気を思い知ることになるでしょう。
 
ロシア系を迫害している人々が「あれ、ひょっとして俺のほうが死ぬんじゃね?」と思い始めたとき、それが次のターニングポイントとなります。
 
 
 
プーチンが狙う落としどころは、おそらく「大統領選の前倒し」です。
 
クーデターが起こる前の状態に戻し、合意を少し早めて履行するということです。
 
その結果が反ロシアであれば、それはそれで仕方がない。
 
しかし2004年のオレンジ革命以来、ウクライナは親欧米で幸せになれたのか? と問いたいのでしょう。
 
東部だけ分割してロシアに編入することもできるでしょうが、それをベストだとは思っていないようです。こんなことされても西部を見捨てないとは、案外やさしいんだなと思います。
 
 
 
覚悟がないままロシアの「核心的利益」にちょっかい出した米欧。
 
その手を振り切って暴走しそうなキエフ暫定クーデター政権。
 
民主的・法的手順を踏みながらも核戦争すら辞さないロシア。
 
事態の推移を見守りつつ、日本の国益につなげて行きましょう。
 
 
(終)
 
 

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コメント

プーチンの手際の良さには、驚きました。
住民投票からほとんど間を空けずに調印式でした。

ろくに覚悟も持たずに「制裁」と叫ぶ、ダメリカ合衆国のオバカ大統領は、すっかり落ち目ですね。正直言ってあまり日本はアメリカの方を持つのは良くないと思います。ほどほどにお付き合いする程度でお茶を濁していただきたいです。

プーチン恐るべしなのは、最低限のクリミア半島を確保して、これからじりじり残りのウクライナを締め上げていくんだと思います。極右政権を支持するアメリカ、EUの未来は暗いと思います。本当に筋が悪すぎます。キエフ政府のものと思われる挑発も出てきているようですが、内戦にならないように願います。

クリミア独立を見て、移民とかの危険性を日本人は学んで欲しいと思います。現在台湾議会で揉めているのも台湾へ中国大陸からの移民を容易にする法律に反対しているからです。2000万人程度の人口の台湾に3000万人程度の中国人がなだれこめばあっさり台湾占領です。

Jおじ さん

まったく同じ感想です。

プーチンの政治家としての能力は高く評価していましたが、「民主主義の遵守」「住民の犠牲を最小限に」を両立させた今回の手際を見て痺れました。

「なんで元共産主義国家がいちばん民主主義の手続きを守ってんだよ!」
とツッコミたくなります(笑)。


こんな政治家が日本にもいたらなあと思うのですが、立場は立場。
オバマに目をつけられている安倍さんはアメリカに同調するしかありません。
サボってもダメ、目立ってもダメですから難しい舵取りになると思います。


しかし今回は、政治家としての力量の差を見せられた気がします。
プーチンはすでに2回、オバマに「退場の花道」を用意しました。
オバマはそのシグナルに気づかず、ウクライナにさらなる騒乱を呼ぶでしょう。
誰もが収拾不能と思ったそのとき、プーチンが再び動くと思います。

どこかでプーチンの高速詰将棋という表現を見ましたけれども、本当にそんな感じですね。
囲碁な感覚だといい所に石を置いている感じなのやら。
優秀な敵とはこういうものなんですね、地続き国境は怖いのも再認識(´ヘ`;)
某0.5島は長期的にこういう使い方の為の一手なのやら。

この残り3年の罰ゲームの感覚・・・数年前の日本の某与党政権の予感。
優秀な敵とお互いにいい間合いを取りつつ、味方の無能なボスに目立たないように中の掃除や法整備をする。
後は何も起こらないことを祈りながら3年を過ぎるのを待つしかないですね。

プーチン皇帝だってクリミアを自国に編入したんだ、軍を展開してしまえばこっちのもんよ。
無能などこかの敵が暴走しないことを祈ります・・・味方の無能なボスが暴走が世の中で一番迷惑なのかなとウクライナの現状を知って思うおいらでした。

会津のさむ さん

いやほんと、そんな感じです。「光速の寄せ」と呼ばれる棋士がいるのですが、プーチンは詰めまでもあっという間でした。欧米はどうするかなと思って見ているうちに、プーチンが次の手指しちゃうみたいな。

ロシアには頑張ってほしい。なぜなら次の標的は日本だから(笑)。
G8から蹴り出されないかカクブルです。

オバマは「G8同士で争わせ、米国の手足を切り落とす」というどこぞのシナリオに踊らされていますね。
さっそくそこに媚びてるし、そりゃあ同盟国はみんな離れて行きますよ(泣)。
その国は早いうちに行動を起こすでしょう。

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