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2014年3月25日 (火)

オバマ外交の前後不覚(5) 中国軍の本隊は移民

 
第二期オバマ政権の外交が迷走しているのは、「中国とアメリカは共存できる」という大きな誤解をしているからです。
 
 
 
中華文明には「共存共栄」「役割分担」「少数意見・少数民族の尊重」という概念がありません。
 
人気商品があればコピーし、うまくやっている会社があれば乗っ取ります。自分では環境を整備することなく、土地・空気・水が汚染されたら別のところに移ります。
 
中華文明では政治的に高い地位に昇るか大金持ちにならないと虫けらのように殺されますから、保身のために他人を蹴落とし続ける人生になります。
 
ちまちまと発明・発見したり製品を改良したり設備をメンテナンスすることは、「頭の良い人間」がやることではありません。したがって頭の中は、ほぼすべて「権力と序列」で占められることになります。
 
 
 
ですから人間関係は「敵と手下とボス」しかありません。「全滅させるべき敵」と、「奴隷のようにこき使う手下」と、「いつかは寝首を掻いて成り代わるボス」しか周囲にはいないので、殺伐とした社会になります。地域対立・部族対立が強いのは当然で、別の利害が発生すると簡単に裏切ります。
 
信用するのは基本的に一族だけですが、それでも油断できません。中華文明では女性は嫁いだ先と運命をともにせず、実家の繁栄のために努力します。夫婦だからとすべてを相手に任せていると、自分の権力や財産を相手やその親族に奪われてしまいます。
 
周辺異民族や国内の少数民族には生きる権利すらありません。そもそも同じ民族ですら尊重し合うことができず、前の権力者を否定し関係親族を皆殺しにします。中華文明の歴史を知れば知るほど、「共存など不可能」と考えるしかありません。
 
 
 
 
中華文明の特徴をわかりやすく純粋な形で実現しているのは北朝鮮です。
 
中華人民共和国は「大朝鮮」と考えて差し支えありません。
 
 
 
社会のメンバーが高い信頼でつながり、お互いの安全を確保した上で争ったり協力したりしながら豊かさを積み上げてゆく西洋文明や日本文明とは根本的に違うのです。
 
しかし多くの人は改革開放路線で発展した中国を見て、日本や東南アジア諸国のように多様で共存可能な文明だと誤解してしまいます。
 
 
 
そしてアメリカを没落させて中国が覇権を握る方法はひとつしかありません。
 
G8を争わせて、その間に移民で先進国を乗っ取ってしまうことです。
 
戦闘に弱い中華文明も、強い国を乗っ取ってしまえばその力を自分のために使うことができます。
 
今の情報技術・軍事技術はすごいですから、いったん内側から乗っ取ってしまえば権力を奪い返すことはほぼ不可能です。
 
 
 
そして共存を知らない彼らのために、元から住んでいる国民はウイグルやチベットのような消滅の危機にさらされます。
 
オーストラリア、ニュージーランド、カナダは手遅れかもしれない。
 
イギリス本国も、最近の動きを見るとかなり浸食されている気配。
 
台湾も貿易協定であっという間です。
 
日本も移民を年20万人とぶち上げ、移民の国に作り替えようとするとする勢力がいます。
 
そして移民で成功したはずのアメリカでさえ、いまや移民パワーによって西太平洋を失い没落する瀬戸際にあります。
 
 
 
こうして考えると第2期オバマ政権はアメリカの没落と中国の覇権を後押しする「反アメリカ政権」なのかもしれません。
 
白人同士で殺し合い、同盟国から恨みを買っている間に、自分の国が独裁国家からの移民に乗っ取られて行くことに危機感を覚えることはないのでしょう。
 
逆説的ですが、移民を警戒して制限することを最も望んでいるのは、せっかくたどり着いた楽園を台無しにされることを恐れる元移民たちなのかもしれません。
 
 
 
オバマが妻子を中国に滞在させている間、中国軍は尖閣を狙う大チャンスです。
 
日本側もそれはわかっているので、艦船・潜水艦・航空機をうようよさせているでしょう。
 
米軍は出撃命令が出ないとわかっていても、日本のバックアップに入っているはずです。
 
オバマと中国以外、世界中が冷や汗ダラダラです。 
 
 
 
しかし我々は、軍隊の動きだけに目を奪われるわけには行きません。
 
 
中国軍の本隊は人民解放軍ではなく、むしろ移民や難民です。
 
 
いくら日本が海によって守られていても、決してなじむことのない移民を大量に受け入れたら軍隊を上陸させているのと同じことです。
 
その動きを制限して国益と合致させない限り、いまの先進国民はチベット族やウイグル族のように虐げられる「元国民」となってしまうでしょう。
 
あるいは彼ら内部の対立に巻き込まれ、内戦や世界大戦へと進む可能性も高くなります。
 
くれぐれも相手が共存可能な人々かどうかを見極めた上で、外交政策や移民政策を判断したいものです。
 
 
(終)
 
 
 
 

2014年3月24日 (月)

オバマ外交の前後不覚(4) G8を争わせアメリカの手足を切り落とす

オランダのハーグで「核安全保障サミット」が開かれています。

これは核を使ったテロや核物質・技術の不正移転阻止。そして核物質の安全管理などについて各国首脳が話し合う場のようです。
 
当然ここでは、北朝鮮のことやウクライナの再核武装について話し合うのでしょう。しかし日本についても「核武装への足枷」がはめられそうなので油断できません。
 
オバマ政権が最近になって日本に「プルトニウム返せ」と言い出したり、「日本が核武装の恐れ」と警戒するのは偶然ではありません。日本の核武装は中国にとっての悪夢です。だからオバマ政権のうちにアメリカを使って、その可能性をゼロにしておきたいのです。
 
 
 
オバマ政権の外交は、アメリカを没落させて代わりに中国が覇権国家になるためにやっていると考えると筋が通ります。
 
  • 中華文明にとって北方大陸国家は天敵。だからロシアを米国と対立させて弱体化させておく。できれば経済的に中国に依存するようにさせておきたい。実際それでロシアから武器を買い、ウクライナからは空母を買った。ロシアがさらに困窮すれば石油やガスも安く買える。
     
  • ロシアと日本が共闘すると怖いので、アメリカを使って日本を経済制裁に参加させる。これで日露が険悪になればしめたもの。
     
  • オバマを使って日本を中国韓国に土下座させ、カネを出させる。それで日本人が反米に傾けば、さらに日米離間を進めることができる。日本が核武装する可能性は今のうちに潰しておく。
     
  • 親中派を粛清してコントロールを無くした北朝鮮に対して首輪をつけたい。そのために「口だけ反核ノーベル賞」のオバマを動かして、核を取り上げるつもり。
     
  • その会議の最中、オバマは妻子を中国に1週間送る。まるで人質を差し出して、誰のために働いているかアピールしているかのよう。ここで中国が尖閣を取りに来ても、オバマは海兵隊に出撃命令を出さないよなー、と日本と米軍は冷や汗ダラダラ。
 
 
 
日本の報道では、オバマの仲介で米日韓首脳会談が開かれることが話題になっています。「歴史問題には触れない」ということですが、約束が守られるとは思えません。
 
韓国は「過去のことは水に流す」と言い、日本はそれならと援助をする。しかし韓国が約束を守ったことはなく、しつこく謝罪と賠償を求めてくる。条約も契約もことごとく破られるから今の状態になっているのです。
 
今回もオバマが中立だとは思えません。日本側にだけ何か約束させ、韓国側の約束破りには何も言わない。原因を知らないくせに「日本はトラブルメーカー」と一方的になじる。オバマのえこひいきがあらかじめ見えているので、会談する前から何だか腹が立つのです。
 
 
 
それに対し韓国の朴大統領は、直前に中国の習近平との会談をぶっこんできました。これはオバマの顔に泥どころかウ○コを塗りたくったような侮辱に見えます。
 
これにアメリカ側が怒るのであれば、「米日韓首脳会談は北朝鮮の暴発に対する備え」というお題目も納得します。しかしそうでなければ、標的は明らかに日本です。安倍首相をハメて何か譲歩させるために、「歴史問題には触れない」と甘い言葉でおびき出したように見えます。
 
 
 
中国の基本戦略は、
 
G8を争わせ米国の手足を切り落とす
 
というものです。
 
 
 
2013年に習近平と会談した時、オバマは「サイバー攻撃するな」と言いました。
 
しかしその後すぐにスノーデンという人物が現れ、香港の複数の新聞社に対し「アメリカだって同盟国を盗聴してるよん」と言い出しました。
 
メディアはすぐに同盟国からのコメントを取り、対立を煽りました。日本は「必殺バカのふり」でスルーしましたが、EU首脳はまんまと引っかかってオバマに不信感を抱くようになりました。
 
それ以来、中国のサイバー攻撃やスパイ行為は全く問題にされなくなったのです。
 
この「事実」を見れば、スノーデンが中国の意向を受けてあのタイミングでリークしたことがミエミエです。スノーデンは元CIA職員とのことでしたが、明らかに中国側の息がかかってます。
 
スノーデンはアメリカと同盟国の不信を煽ったことで、その役割を終えました。彼に逮捕状が出ても、亡命を受け入れるところはありません。しかしロシアだけは受け入れました。
 
これはすべてお見通しの上で決断したのでしょう。「ロシアの声」のウェブサイトで「諜報の裏側」なんて特集をやってしまうお国柄です。スノーデンにじっくり聞きたいことが山ほどあり、カードとして手許に置いているに違いありません。
 
 
 
2期目に入って1年を経過したオバマ政権は、すべて中国の注文通りに動いています。
 
ロシアを弱らせ、中国に依存せざるを得ないように。
 
日本を無力化し、中国海軍が太平洋に出られるように。
 
北朝鮮に首輪をつけ、核で中国を脅さないように。
 
そしてG8同士が争う間、中国が移民によって先進国を乗っ取る人口侵略を邪魔しないように。
 
 
 
中国の大戦略を知って動いているのであれば、オバマはかなり有能な破壊工作員と呼べるでしょう。
 
中国は自分で手を下すこともなく、やっかいな敵はすべてオバマが片付けてくれるのです。
 
 
 
しかし中国が思う「やっかいな敵」の中で、最終目標となっているのはアメリカ合衆国であることをオバマはわかっているのでしょうか。
 
白人同士で殺し合い、同盟国から恨みを買っている間に、自分の国が独裁国家からの移民によって乗っ取られて行くのをアメリカ人はどう考えているのでしょうか。
 
アメリカが自分の手足を次々に切り落とし、その間に本体も蝕まれていることに、オバマは気付いていないのかもしれません。
 
(続く)
 
 
 

2014年3月19日 (水)

オバマ外交の前後不覚(3) ロシア系住民迫害から軍事介入へ

いったん終わりましたが、情勢が変わったので再開します。

住民投票の結果を受けて、プーチン大統領はクリミアのロシア編入を宣言しました。

 
 
 
実に驚くべき手際の良さです。「こんなこともあろうかと」クリミアを自治共和国としておいたのでしょう。
 
同じ動きはウクライナ東部でも起こるでしょう。独立してロシアの保護をあおぐか、それともいっそ編入してもらうかです。単に独立したままだと欧米の介入を招くので、独立即ロシア編入がベストだと思います。しかしクリミア自治区ほど自治が認められていないでしょうから、手続きは難航するかもしれません。
 
 
 
しかしプーチンが「ウクライナのさらなる分割は望まない」と発言したことには驚きました。
 
どえらい自信です。
 
「もともとロシアのものだったクリミアは『回収』した。黒海の制海権は確保した。残りのウクライナは好きしろ。ただしロシア系住民への扱いは見ているからな」
 
と、欧米やキエフ暫定クーデター政権にボールを投げ返したことになります。
 
 
 
もちろん本音としてはウクライナ全土か、最低でも東部をロシア勢力下に置きたいでしょう。
 
しかしそれはあくまでもウクライナ国民が決めること。
 
「米国やEUが本当に支援するかどうか確かめてみろ。それまで俺は知らないよ」
 
と突き放した形です。
 
どうせ最後はロシアに泣きついてくるという計算なのか、暫定クーデター政権の暴走を誘っているのか、きっちり手順を踏んで詰めてきています。
 
 
 
これはアメリカにとって2回目の「投了チャンス」です。
 
ロシアを悪魔のように罵りながらも、クーデター政権側に暴動前の合意を守らせればこの件は終わります。
 
しかしオバマ政権は、このシグナルを無視するでしょう。
 
そもそも終わらせ方をイメージしないまま始めてしまったので、このまま突っ走るような気がします。
 
 
 
では次に何が起こるか?
 
米国はG7を誘って追加制裁の構えです。
 
ウクライナ国内ではおそらくロシア系住民への迫害が激化し、内戦に近い状態となるでしょう。
 
 
 
 
キエフの暫定クーデター政権は、ウクライナ軍を動かすことに迷いがあります。
 
なぜなら「ウクライナ軍にとってのロシア軍」は「自衛隊にとっての米軍」と同じであり、下手に攻撃命令なんか出せば自分のほうが拘束されかねないからです。
 
そこで暫定クーデター政権は、すでに国家親衛隊なる組織を作っています。
 
 
・・・もう名前を聞いただけで、私的な暴力の匂いが漂ってきます。
 
もともと暫定クーデター政権はネオナチ勢力が混じっているくせにユダヤ系の支援を受けている(かもしれない)というカオスな組織です。
 
何もしないでいれば東部が独立してロシアとくっついてしまい、西部が取り残されます。かといって選挙すれば負けるので、民主的な手続きは踏みたくない。だからこのまま暴力でウクライナを支配するしかないのです。
 
 
 
ここまで条件が揃ったら、西部に住むロシア系住民は逃げるしかありません。東部はまだ争いが続くでしょうから、私ならクリミアまで逃げ込んでプーチンに保護してもらいます。
 
「非道な暴虐の限りを尽くすプーチン皇帝(笑)」のもとに、ウクライナ民衆がぞくぞく集まるという光景が見られるわけです。
 
東部に住んでいたらロシアの支援を得て分離独立を目指します。軍人だったら「クーデター返し」も考えます。暫定政権との話し合いはムダだと考えます。合意を反故にして暴動を起こしたり、ロシア語を公用語からいきなり外すような人々なので、最初から「殺(や)りに来ている」と判断します。
 
 
 
ロシア系住民が迫害されたり虐殺されるようであれば、プーチンはためらわず軍事介入に踏み切るはずです。親ロシア勢力を支援して内戦というシナリオもありますが、それだと長引いて死者が増えてしまうからです。ロシアが直接介入すれば決着は一瞬です。
 
プーチンは経済的利益のために国の安全を損なうようなマネはしません。反ロシア勢力が調子に乗れば乗るほど、核戦争も辞さないロシアの本気を思い知ることになるでしょう。
 
ロシア系を迫害している人々が「あれ、ひょっとして俺のほうが死ぬんじゃね?」と思い始めたとき、それが次のターニングポイントとなります。
 
 
 
プーチンが狙う落としどころは、おそらく「大統領選の前倒し」です。
 
クーデターが起こる前の状態に戻し、合意を少し早めて履行するということです。
 
その結果が反ロシアであれば、それはそれで仕方がない。
 
しかし2004年のオレンジ革命以来、ウクライナは親欧米で幸せになれたのか? と問いたいのでしょう。
 
東部だけ分割してロシアに編入することもできるでしょうが、それをベストだとは思っていないようです。こんなことされても西部を見捨てないとは、案外やさしいんだなと思います。
 
 
 
覚悟がないままロシアの「核心的利益」にちょっかい出した米欧。
 
その手を振り切って暴走しそうなキエフ暫定クーデター政権。
 
民主的・法的手順を踏みながらも核戦争すら辞さないロシア。
 
事態の推移を見守りつつ、日本の国益につなげて行きましょう。
 
 
(終)
 
 

2014年3月18日 (火)

オバマ外交の前後不覚(2) あと3年の罰ゲーム

日本の安倍首相は、オバマ大統領とはウマが合わないようです。

もともと「極右政治家」という触れ込みで、側近や支持者からかなり「吹き込まれた」ようです。会談にも応じてくれませんし、会ったとしてもごく短い時間です。「避けられている」と言っても過言ではないでしょう。
 
 
 
それは同盟国として非常に残念なことですが、当然と言えば当然かもしれません。
 
というのもオバマ大統領自身にはっきりとした好き嫌いの傾向があり、またオバマ大統領と話が合わない人の傾向もはっきりしているからです。
 
 
 
オバマ大統領とウマが合わなそうなのは、なんと言ってもロシアのプーチン大統領です。
 
 
それからたとえばイスラエルのネタニヤフ首相。それに安倍首相を加えると、ひとつの共通点が浮かび上がります。
 
それは、国の安全(安全保障)を最優先に考える政治家ほどオバマとそりが合わないのです。
 
オバマはアメリカという恵まれた国で、祖国の危機とは無縁の人生を送ってきました。軍や情報機関に属したり、政治家として国防との接点があればまた違ったでしょう。しかし主な活動が市民運動ではそれも叶いません。だから「国がなくなれば国民が虐殺される」という他国の危機感を理解できないのです。
 
 
 
いくらオバマがプーチンに話しかけても、ポーランドにMDを配備されたら怒るのは当然です。
 
パレスチナを承認しイランと融和したオバマをネタニヤフが酷評するのもわかります。
 
安倍首相が「中国の海洋進出」「尖閣とシーレーン防衛」について話をしたいときに
「そんなことよりTPPに参加しろ」
「中国韓国を刺激するな」
「イルカを殺すな」
などと言われたら途方に暮れるでしょう。
 
こちらが生きるか死ぬかの話をしているのに「何だこの眠たい野郎は」とイライラするはずです(日本とアメリカの場合いつもは逆なんですけどね)。
 
安倍首相とプーチンの仲が良いのは、たとえ敵側にいても同じ価値観を有してるからです。
 
しかしオバマは国防に興味がないので、その気持ちがわからないのです。
 
 
 
すると程度の差はあれ、オバマはほとんどの国家元首とはそりが合わないということになります。国防に関心がない元首はあまりいないからです。
 
実際、他の同盟国もオバマ大統領とは距離を置いています。
 
なぜ自分が孤立しているのか理由もわからないまま、その権力を一部の人々にうまく利用されているように見えます。
 
 
 
さて4月にはオバマ大統領が来日します。
 
その頃、ウクライナはどうなっているでしょうか。
 
私の予測では、問題はさらにややこしくなっていると思います。
 
というのもアメリカ・EU・ウクライナ新クーデター政権としては、ロシアが軍事行動を起こしてくれないと困るからです。国民投票で平和に東西分裂となってしまっては目も当てられません。
 
ロシアに軍事行動を起こさせるためには「善良な市民」によるさらなる暴動や、ロシア系住民へのいやがらせが必要になります。それに対抗するロシアの動きを「国際法違反の軍事行動」と非難して、経済制裁を強化します。しかしそれでもロシアが屈しなければ、引き際を失ったまま泥沼化します。
 
 
 
オバマ政権はどう出るでしょう?
 
いっこうに効果が上がらない対ロシア経済制裁に業を煮やし、日本にさらなる踏絵を迫っているかもしれません。
 
ウクライナをつなぎとめる費用数兆円を、日本に出すよう求めて来るかもしれません。
 
オバマは支持率が落ちて無能扱いされているので、外交で成果が上がらないのは安倍政権がアジアの緊張を高めているせいだとなじるでしょう。
 
その上でTPPが前進しないのは日本が協力しないからであると言い、聖域なしの市場開放を迫るでしょう。
 
ロシアを殴れない拳を、そのまま日本に振り下ろしてくるということです。
 
 
 
日本としては、米ロの和解を目指してその仲を取り持つことは危険です。
 
映画ゴッドファーザーにあるように「敵対組織との仲介役を買って出たやつが裏切り者」と思われて、G7から追い出されるかもしれません。
 
もともとG8の中で日本とロシアは「異端の文明」なので、主役になろうと思ってはいけません。オバマとそりが合わないならなおさらです。
 
仲介役はメルケルあたりに任せて、最低限のおつきあいだけしておきましょう。オバマを助けたところで扱いが良くなるわけではないことは、辺野古移転と靖国批判で証明されました。怒りのスイッチがわからない上司だからこそ、出過ぎたまねをしてはいけないのです。
 
 
 
最初に述べたように、日本はアメリカの超覇権システムに組み込まれています。
 
オバマとそりが合わないからといって、あるいはオバマ外交が微妙だからといって、日米同盟を破棄したりロシアとの関係を深めるわけには行きません。
 
実際、国防省や共和党を中心に日本の重要性を理解してくれる人がいるのはありがたいことです。
 
 
 
しかし日本としては、この「命がけの罰ゲーム」があと3年続くことは覚悟しなくてはなりません。
 
同じ悩みを抱える同盟国や米国内の人々と一緒に、この時期を乗り切って行きましょう。
 
(続く)

2014年3月17日 (月)

オバマ外交の前後不覚(1) ロシアは黒海の制海権を死守する

最初に断っておきますと、私は親米海洋派の人間です。
 
米国の失敗を恐れない勇敢さ、フロンティアを切り開く精神、発明・発見を支える好奇心、ものごとを達成する意思と合理性などは尊敬しています。戦争で負けたことも「文明としての力の差」として受け止め、自分自身も米国を中心とした戦後秩序の中で自由と豊かさを享受しながら育ったと感謝しています。
 
四方を海に囲まれた日本は制海権=生存権であり、それは自分で守るか他国と協力して確保するしかありません。圧倒的な制空権・制海権を持つアメリカとの同盟はありがたいことであり、地政学上の必然だと思います。
 
いまや日本は「アメリカの超覇権システム」にがっちり組み込まれ、それを離れては生きて行けないようになっています。
 
 
アメリカの「超覇権システム」をひとりの人間とするなら、
日本はその片腕。
 
 
日米同盟がなくなれば、日本は体から切り離された腕のように腐ってゆきます。そしてアメリカの力は半減し、超大国の地位からすべり落ちます。双方にとって大損ですが、日本のほうがはるかに致命的です。 
 
だから米ロ対立でロシア側に組することはありません。
 
たとえ国益のために戦うプーチンに共感しても「情は情、立場は立場」。対ロシア経済制裁を求められたら、オバマが気分を害さない程度に協力するしかないでしょう。
 
 
 
しかし今回のウクライナ騒乱は、日本にとってはやっかいな出来事です。
 
なぜならオバマがロシアに向かって振り上げた拳を下すことができず、代わりに日本を殴りつけることもありえるからです。
 
下手をすると日本がG8から外され、代わりに中国が入るという最悪のシナリオも考えられます。
 
それぐらいオバマ外交は「先が読めない」ということです。
 
 
 
ウクライナ騒乱と対ロシア経済制裁についてよくわからないという人はこちらをご覧ください。
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内戦寸前のウクライナ情勢がどうしてこうなったのか分かりやすいまとめ
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他国の反政府勢力を支援して、気に入らない政権を転覆させる。
 
ここまでは良しとしましょう。国益のために影響力を増す努力をするのは当然です。選挙で負けそうだからと暴動を起こしたり、民主主義を標榜しながら独裁者を支援したり、「善良な市民」にネオナチっぽい勢力が混じっていたり、妙に近代的な兵器を装備していることにも目をつぶりましょう。
 
しかし問題は政府を転覆させたり、それに失敗した後は「放置プレイ」を決め込んでしまうことです。
 
残された国は大混乱になり、もとの状態より貧しくなります。独裁者よりもっとヤバイ民族主義者や宗教原理主義者が権力を握って強烈な反米国家に変わったりします。
 
毎度のことながら
 
その芸風、もう少し何とかならんのか?
 
と思ってしまいます。
 
 
 
今回のウクライナの件も、オバマにはシリアのときのようにヘタレて欲しいと思っていました。
 
しかしいきなり対ロシア経済制裁をぶち上げ、G7として非難声明を出し、日本にも同調を求めています。
 
日本としては中国との対抗上ロシア関係を強化していただけに、これは大きな痛手です。まるで踏絵を踏まされる気分でしょう。
 
 
 
では、ロシアは経済制裁に屈してウクライナへの介入をやめるでしょうか?
 
いいえ、ロシアが黒海の制海権を譲るはずがありません
 
クリミア半島はもともとロシア領だったのを、フルシチョフのわがままでウクライナ領にしてしまいました(1954年)。これを今まで回収しなかったことをプーチンは後悔しているでしょう。またセバストーポリ要塞、ヤルタなど歴史的にも手放せないところです。
 
今回の件に関して、ロシアは最低でも東部を独立させてロシア系住民を保護し、資源と制海権を確保したいと思っているはずです。
 
実際、生産力の低い西部を切り離してロシアの支援を受けたら、東ウクライナはやって行けます。
 
 
 
しかしウクライナ西部はうまく行きません。
 
今度の騒乱がなくても、破綻しそうなのです。
 
アメリカやEUの狙いはその負担をロシアに押し付けつつ、ウクライナ全体を反ロ政権にする。そしてNATOに加盟させ、「東部の資源」や「黒海の制海権」を奪うことです。
 
しかしウクライナが東西に分裂し、生産力の低い西部やチェルノブイリだけこちら側に来ても迷惑です。
 
アメリカが支援した暫定クーデター政権が東部まで支配しなければ意味がないのです。
 
 
 
私が不思議なのは、オバマがどうしてここまで執拗にロシアを挑発するかです。
 
日本には「周辺国を刺激するな」と命令するくせに、自分は相談もなくいきなり何なんだと。
 
「味方に厳しく、敵に優しい」と言われたヘタレ組長が、突然ラスボスに殴り込みをかけたように見えます。
 
(オバマがソチオリンピック開会式を「同性愛なんちゃら」でボイコットしたのは不自然でしたから、一緒にボイコットした英独仏は知っていたのかもしれません)
 
 
 
ロシアは黒海の制海権を失うぐらいなら、核を使うでしょう。たとえ経済制裁でロシアが破綻しても、強い覚悟があるプーチンを屈服させることはできません。
 
そういった瀬踏みもせずに経済制裁を仕掛けたのであれば、その外交センスには驚かざるをえません。
 
誰かに操られているにしても、自分が虎の尾を踏んでいることに気付かないものか?
 
見ているこっちの方がヒヤヒヤします。
 
 
 
  _ □□    _      ___、、、
  //_   [][]//   ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/、
//  \\  //  /::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ       アメリカをこんなアホにしたのは
 ̄      ̄   ̄/ /:::::::::,,,-‐,/i/`''' ̄ ̄ ̄ `i::;|   誰だあっ!
―`―--^--、__   /:::::::::=ソ   / ヽ、 /   ,,|/
/f ),fヽ,-、     ノ  | 三 i <ニ`-, ノ /、-ニニ' 」') 
  i'/ /^~i f-iノ   |三 彡 t ̄ 。` ソ ハ_゙'、 ̄。,フ | )
,,,     l'ノ j    ノ::i⌒ヽ;;|   ̄ ̄ / _ヽ、 ̄  ゙i )
  ` '' -  /    ノ::| ヽミ   `_,(_  i\_  `i ヽ、 ∧ ∧ ∧ ∧
     ///  |:::| ( ミ   / __ニ'__`i |  Y  Y Y Y Y
   ,-"        ,|:::ヽ  ミ   /-───―-`l  |  //     |
   |  //    l::::::::l\    ||||||||||||||||||||||/  |     // |
  /     ____.|:::::::|    、  `ー-―――┴ /    __,,..-'|
 /゙ー、,-―'''XXXX `''l::,/|    ー- 、__ ̄_,,-"、_,-''XXXXX |
/XX/ XXXXXXXXXX| |         _,  /ノXXXXXXXXXX|
 
 
 
(続く)
 
 

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