オバマ外交の前後不覚(5) 中国軍の本隊は移民
第二期オバマ政権の外交が迷走しているのは、「中国とアメリカは共存できる」という大きな誤解をしているからです。
中華文明には「共存共栄」「役割分担」「少数意見・少数民族の尊重」という概念がありません。
人気商品があればコピーし、うまくやっている会社があれば乗っ取ります。自分では環境を整備することなく、土地・空気・水が汚染されたら別のところに移ります。
中華文明では政治的に高い地位に昇るか大金持ちにならないと虫けらのように殺されますから、保身のために他人を蹴落とし続ける人生になります。
ちまちまと発明・発見したり製品を改良したり設備をメンテナンスすることは、「頭の良い人間」がやることではありません。したがって頭の中は、ほぼすべて「権力と序列」で占められることになります。
ですから人間関係は「敵と手下とボス」しかありません。「全滅させるべき敵」と、「奴隷のようにこき使う手下」と、「いつかは寝首を掻いて成り代わるボス」しか周囲にはいないので、殺伐とした社会になります。地域対立・部族対立が強いのは当然で、別の利害が発生すると簡単に裏切ります。
信用するのは基本的に一族だけですが、それでも油断できません。中華文明では女性は嫁いだ先と運命をともにせず、実家の繁栄のために努力します。夫婦だからとすべてを相手に任せていると、自分の権力や財産を相手やその親族に奪われてしまいます。
周辺異民族や国内の少数民族には生きる権利すらありません。そもそも同じ民族ですら尊重し合うことができず、前の権力者を否定し関係親族を皆殺しにします。中華文明の歴史を知れば知るほど、「共存など不可能」と考えるしかありません。
中華文明の特徴をわかりやすく純粋な形で実現しているのは北朝鮮です。
中華人民共和国は「大朝鮮」と考えて差し支えありません。
社会のメンバーが高い信頼でつながり、お互いの安全を確保した上で争ったり協力したりしながら豊かさを積み上げてゆく西洋文明や日本文明とは根本的に違うのです。
しかし多くの人は改革開放路線で発展した中国を見て、日本や東南アジア諸国のように多様で共存可能な文明だと誤解してしまいます。
そしてアメリカを没落させて中国が覇権を握る方法はひとつしかありません。
G8を争わせて、その間に移民で先進国を乗っ取ってしまうことです。
戦闘に弱い中華文明も、強い国を乗っ取ってしまえばその力を自分のために使うことができます。
今の情報技術・軍事技術はすごいですから、いったん内側から乗っ取ってしまえば権力を奪い返すことはほぼ不可能です。
そして共存を知らない彼らのために、元から住んでいる国民はウイグルやチベットのような消滅の危機にさらされます。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダは手遅れかもしれない。
イギリス本国も、最近の動きを見るとかなり浸食されている気配。
台湾も貿易協定であっという間です。
日本も移民を年20万人とぶち上げ、移民の国に作り替えようとするとする勢力がいます。
そして移民で成功したはずのアメリカでさえ、いまや移民パワーによって西太平洋を失い没落する瀬戸際にあります。
こうして考えると第2期オバマ政権はアメリカの没落と中国の覇権を後押しする「反アメリカ政権」なのかもしれません。
白人同士で殺し合い、同盟国から恨みを買っている間に、自分の国が独裁国家からの移民に乗っ取られて行くことに危機感を覚えることはないのでしょう。
逆説的ですが、移民を警戒して制限することを最も望んでいるのは、せっかくたどり着いた楽園を台無しにされることを恐れる元移民たちなのかもしれません。
オバマが妻子を中国に滞在させている間、中国軍は尖閣を狙う大チャンスです。
日本側もそれはわかっているので、艦船・潜水艦・航空機をうようよさせているでしょう。
米軍は出撃命令が出ないとわかっていても、日本のバックアップに入っているはずです。
オバマと中国以外、世界中が冷や汗ダラダラです。
しかし我々は、軍隊の動きだけに目を奪われるわけには行きません。
中国軍の本隊は人民解放軍ではなく、むしろ移民や難民です。
いくら日本が海によって守られていても、決してなじむことのない移民を大量に受け入れたら軍隊を上陸させているのと同じことです。
その動きを制限して国益と合致させない限り、いまの先進国民はチベット族やウイグル族のように虐げられる「元国民」となってしまうでしょう。
あるいは彼ら内部の対立に巻き込まれ、内戦や世界大戦へと進む可能性も高くなります。
くれぐれも相手が共存可能な人々かどうかを見極めた上で、外交政策や移民政策を判断したいものです。
(終)
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