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2014年3月17日 (月)

オバマ外交の前後不覚(1) ロシアは黒海の制海権を死守する

最初に断っておきますと、私は親米海洋派の人間です。
 
米国の失敗を恐れない勇敢さ、フロンティアを切り開く精神、発明・発見を支える好奇心、ものごとを達成する意思と合理性などは尊敬しています。戦争で負けたことも「文明としての力の差」として受け止め、自分自身も米国を中心とした戦後秩序の中で自由と豊かさを享受しながら育ったと感謝しています。
 
四方を海に囲まれた日本は制海権=生存権であり、それは自分で守るか他国と協力して確保するしかありません。圧倒的な制空権・制海権を持つアメリカとの同盟はありがたいことであり、地政学上の必然だと思います。
 
いまや日本は「アメリカの超覇権システム」にがっちり組み込まれ、それを離れては生きて行けないようになっています。
 
 
アメリカの「超覇権システム」をひとりの人間とするなら、
日本はその片腕。
 
 
日米同盟がなくなれば、日本は体から切り離された腕のように腐ってゆきます。そしてアメリカの力は半減し、超大国の地位からすべり落ちます。双方にとって大損ですが、日本のほうがはるかに致命的です。 
 
だから米ロ対立でロシア側に組することはありません。
 
たとえ国益のために戦うプーチンに共感しても「情は情、立場は立場」。対ロシア経済制裁を求められたら、オバマが気分を害さない程度に協力するしかないでしょう。
 
 
 
しかし今回のウクライナ騒乱は、日本にとってはやっかいな出来事です。
 
なぜならオバマがロシアに向かって振り上げた拳を下すことができず、代わりに日本を殴りつけることもありえるからです。
 
下手をすると日本がG8から外され、代わりに中国が入るという最悪のシナリオも考えられます。
 
それぐらいオバマ外交は「先が読めない」ということです。
 
 
 
ウクライナ騒乱と対ロシア経済制裁についてよくわからないという人はこちらをご覧ください。
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内戦寸前のウクライナ情勢がどうしてこうなったのか分かりやすいまとめ
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他国の反政府勢力を支援して、気に入らない政権を転覆させる。
 
ここまでは良しとしましょう。国益のために影響力を増す努力をするのは当然です。選挙で負けそうだからと暴動を起こしたり、民主主義を標榜しながら独裁者を支援したり、「善良な市民」にネオナチっぽい勢力が混じっていたり、妙に近代的な兵器を装備していることにも目をつぶりましょう。
 
しかし問題は政府を転覆させたり、それに失敗した後は「放置プレイ」を決め込んでしまうことです。
 
残された国は大混乱になり、もとの状態より貧しくなります。独裁者よりもっとヤバイ民族主義者や宗教原理主義者が権力を握って強烈な反米国家に変わったりします。
 
毎度のことながら
 
その芸風、もう少し何とかならんのか?
 
と思ってしまいます。
 
 
 
今回のウクライナの件も、オバマにはシリアのときのようにヘタレて欲しいと思っていました。
 
しかしいきなり対ロシア経済制裁をぶち上げ、G7として非難声明を出し、日本にも同調を求めています。
 
日本としては中国との対抗上ロシア関係を強化していただけに、これは大きな痛手です。まるで踏絵を踏まされる気分でしょう。
 
 
 
では、ロシアは経済制裁に屈してウクライナへの介入をやめるでしょうか?
 
いいえ、ロシアが黒海の制海権を譲るはずがありません
 
クリミア半島はもともとロシア領だったのを、フルシチョフのわがままでウクライナ領にしてしまいました(1954年)。これを今まで回収しなかったことをプーチンは後悔しているでしょう。またセバストーポリ要塞、ヤルタなど歴史的にも手放せないところです。
 
今回の件に関して、ロシアは最低でも東部を独立させてロシア系住民を保護し、資源と制海権を確保したいと思っているはずです。
 
実際、生産力の低い西部を切り離してロシアの支援を受けたら、東ウクライナはやって行けます。
 
 
 
しかしウクライナ西部はうまく行きません。
 
今度の騒乱がなくても、破綻しそうなのです。
 
アメリカやEUの狙いはその負担をロシアに押し付けつつ、ウクライナ全体を反ロ政権にする。そしてNATOに加盟させ、「東部の資源」や「黒海の制海権」を奪うことです。
 
しかしウクライナが東西に分裂し、生産力の低い西部やチェルノブイリだけこちら側に来ても迷惑です。
 
アメリカが支援した暫定クーデター政権が東部まで支配しなければ意味がないのです。
 
 
 
私が不思議なのは、オバマがどうしてここまで執拗にロシアを挑発するかです。
 
日本には「周辺国を刺激するな」と命令するくせに、自分は相談もなくいきなり何なんだと。
 
「味方に厳しく、敵に優しい」と言われたヘタレ組長が、突然ラスボスに殴り込みをかけたように見えます。
 
(オバマがソチオリンピック開会式を「同性愛なんちゃら」でボイコットしたのは不自然でしたから、一緒にボイコットした英独仏は知っていたのかもしれません)
 
 
 
ロシアは黒海の制海権を失うぐらいなら、核を使うでしょう。たとえ経済制裁でロシアが破綻しても、強い覚悟があるプーチンを屈服させることはできません。
 
そういった瀬踏みもせずに経済制裁を仕掛けたのであれば、その外交センスには驚かざるをえません。
 
誰かに操られているにしても、自分が虎の尾を踏んでいることに気付かないものか?
 
見ているこっちの方がヒヤヒヤします。
 
 
 
  _ □□    _      ___、、、
  //_   [][]//   ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/、
//  \\  //  /::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ       アメリカをこんなアホにしたのは
 ̄      ̄   ̄/ /:::::::::,,,-‐,/i/`''' ̄ ̄ ̄ `i::;|   誰だあっ!
―`―--^--、__   /:::::::::=ソ   / ヽ、 /   ,,|/
/f ),fヽ,-、     ノ  | 三 i <ニ`-, ノ /、-ニニ' 」') 
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(続く)
 
 

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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

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