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2014年6月18日 (水)

サッカーワールドカップ2014 (1) 雨の日は「上手い奴」より「強い奴」

サッカーWC2014の「日本 vs コートジボワール」について考えたことを書きます。

 
結果は残念ながら、1対2で負けてしまいました。しかし内容や実力差から言って、よく1点差で済んだと思います。あれだけ選手がミスをして監督も混乱して2点しか取られなかったのであれば、むしろラッキーだったと言えるでしょう。
 
会場となったレシフェは雨。気温26℃、湿度77%以上。
 
日本が得意とするパスサッカーは雨と疲労で全く機能せず、前半に日本が先制した後は一方的に攻められる展開でした。コートジボワールは4-5点入れてもおかしくなかったと思います。
 
 
 
経験者ならわかると思いますが、雨の日のサッカーは「上手い奴」より「強い奴」のほうが有利です。
 
ぬかるんだ足元でボールは転がらず、足技は封印され、華麗なパスワークも分断されます。アマチュアレベルだとわざと水たまりにボールを蹴り込んで、そこに突進する戦略が有効だったりします。
 
 
 
そこで大活躍するのは、体の強い選手です。
 
足元がおぼつかない中で相手を追いかけ回し、体をぶつけてボールを奪い、重戦車のようにゴールに突進します。
 
その力の前に軽量級のテクニシャンはなすすべがありません。F1最速マシンも、ぬかるんだ田んぼの中では力を発揮できないのです。
 
一般的にアフリカ人は体が強く、基礎技術もしっかりしています。前回の南アフリカWCで日本を9位に押し上げた立役者のひとりである松井大輔選手は、「芝生が濡れてたら最悪だね。一番向こうの長所が出るから。」と指摘していたとのこと。さすがです。
 
 
 
 
日本でいえば、中田英寿選手が「強い」タイプでした。特に雨の日は体の強さと基礎技術の高さがいっそう際立ち、いくつもの名シーンを残しました。
 
この試合で本田圭介選手が先制ゴールを入れたのも同じ理由です。本田選手は正直、今の日本のパスサッカーに完全にフィットしているとは言えません。しかし雨でみんなの体が動かないとき、その強靭な体力がものを言います。
 
だから雨の日は華麗なテクニシャンではなく、体力があって気持ちが強い選手を選ぶべきなのです。
 
 
 
1点リードして前半を終えたとき、日本が得意とするパスサッカーが機能していないことは明らかでした。特に左サイドの香川選手のところがつけこみやすくなっており、何らかの対処が必要でした。
 
香川選手を先発させたことは悪くないと思います。しかしパスサッカーができないとわかったなら、まず大久保選手と交代することを考えます。大久保選手はみんな死にそうな環境で馬車馬のように働く体力と気力を持っているからです。高温多湿の泥仕合には、まさにうってつけの選手と言えるでしょう。
 
その働きは4年前の南アフリカWCで証明されています。守備に攻撃に潰れるまで走りました。当時はシュートこそ入る予感はしませんでしたが(失礼)、今回は守備だけでなくゴールも期待できると思っていました。
 
 
 
しかしザッケローニ監督が選択したのは、長谷部に代えて遠藤。
 
これには目が点になった人も多いと思います。
 
守備が崩壊しそうなときに、体と気持ちが強く(つまり雨の泥仕合に強く)、縦への推進力を生み出す長谷部を下げるのは大黒柱を切り倒すようなものです。もし代えるとしたら、少なくとも長谷部以上に守備を「整えられる」選手でなくてはいけません。
 
今の遠藤選手に守備力を期待してはいけません。ボールをキープできないので遠藤選手を入れようと思ったのかもしれませんが、遠藤を入れる時は純粋に攻撃の駒として使うべきです。守備までさせたら相手の攻撃は強まり、日本の攻撃は弱くなってしまうからです。
 
遠藤を入れるのであればトップ下に入れるべきでした。そして本田をワントップに上げて大迫を左サイドに回し、香川を下げるべきだったと思います。さらに言えば左サイドは大迫より大久保が適任だったと思います。いずれにしても香川を残して遠藤に守備をさせ、相手の攻撃を助ける理由は全くなかったと思います。
 
 
 
そして案の定、日本の左サイドは崩壊しました。
 
2点で済んで本当にラッキーだったと思います。
 
 
 
しかし思うのですが、ザッケローニ監督は雨の試合を想定していなかったのでしょうか。
 
彼が雨の日は「上手い奴」より「強い奴」というセオリーを知らなかったとは思えません。
 
そして対戦場所と対戦相手が決まったならば、相手の駒や気象条件を考えて戦略を練るはずです。
 
 
 
ザッケローニ監督がブラジルに連れて行く日本代表23人は、パスサッカーに特化した選手たちでした。
 
メンバーが発表されたときは、私も「すいぶん戦略を限定したなあ」としか思いませんでした。
 
しかし今の時期のレシフェにこれほど雨が多いと知っていれば、細貝や豊田を連れて行かなかったことに強い疑問を抱いたでしょう。東京の9月の降水量が200ミリぐらいですから、その倍ほど雨が降る季節であることを考慮しなければならなかったはずです。
 
次にギリシャと戦うナタルも、この季節はそれなりに雨が多いようです(こちらは降水量の単位がcmになっていたので、一瞬雨が少ないと錯覚しました)。その次にコロンビアと戦うクイアバは、湿度こそ高いものの雨の確率は高くありません。
 
少なくともグループリーグで戦う3試合は現地の気候と対戦相手を考慮して、戦い方のプランをいくつか用意しておくのは当然です。それなのに今回の日本代表は華麗なテクニシャンが多すぎて、泥仕合を制する気力・体力を持った選手が不足しています。まるで「大雨でパスが通らない」ケースが全く想定されていなかったように思えるのです。
 
 
 
 
ザッケローニ監督はイタリア人ですが、とても日本人的なミスをしているような気がします。
 
それは「自分がベストを尽くせば、相手は自動的に負けてくれる」と思い込んでいることです。
 
実際にはそんな都合の良い話はありません。相手や気象条件によって戦うメンバーや戦略は変わり、戦略の効果や相手の対策によって選手を交代させて修正しなくてはなりません。
 
しかし今回の日本代表は、すでにメンバー選出の段階で戦略を狭めてしまっているのです。
 
 
 
パスサッカーにこだわるあまり、泥仕合に強い選手を起用(選出)しない。
 
「自分たちのサッカー」にとらわれすぎて、うまく行かないとパニックに陥ってしまう。
 
まるで旧日本軍が「得意技」「伝統芸」にこだわるあまり、負け続けた状況に似ています。
 
 
(続く)
 

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コメント

ご無沙汰してます。

毎度俄日本代表サポーターなので、コメントは差し控えておりましたが、
今回のワールドカップは、いろんな意味で「強さ」が不足していたと
思いました。マーケティングも大事ですが、本来サッカー自体が
強くないとマーケティングも広がらないような気がしました。

日本代表選手には、お疲れさまでしたと言いたいです。

Jおじさん

まさにそうだったと思います。
プロスポーツは「競技」であり「興行」でもありますが、今回は興行の色彩が強すぎて勝ちに行く姿勢に欠けていた気がします。勝利や工夫の中に感動を見出す人であれば、いくら演出で盛り上げてもしらけるばかりです。

続きが遅くなりましたが、この視点で書いています。

世界のトップの選手が全力で「勝ちにいく」相手に日本のサッカーは
歯が立たなかったという結果でした。日本の攻撃サッカーは、(弱い)
アジアのチームには有効でも上記の強い&本気の相手には通用しない
事実を今回思い知らされました。この衝撃はマスコミのこれまでの報
道内容もありかなり大きいのでは?

あと「自分がベストを尽くせば、相手は自動的に負けてくれる」という
ご指摘は、全く同感です。もう少し極言すると「日本の本来(?)の
サッカーができたなら負けても仕方がない」と同じに感じました。

本当のゴールは「勝って上へ上がっていく」なのに目標の取り違いを
感じます。もし、しっかりその目標が明確に意識されていたのなら、
天候や気候、在りうる可能性に対して可能な限りの対応ができたので
はないでしょうか?メンバーの選定からキャンプ地の選定まで、本当
に考え抜かれた結果だったのか?疑問です。

マスコミも予選敗退後堰を切ったように代表批判をしていますが、さ
んざん記事で持ちあげていた事は、忘れているようです。
個人的には、日本の攻撃サッカーが世界に本当に通用するのか?心配
でしたが、「運が良ければ、もしかすると」と思っていたのは事実です。
その根拠は、必ずしも強いチームが常に勝つとは限らないからです。
(予選敗退したスペイン、ポルイトガルが強くないと思っている人は
少ないでしょう)しかし現実は、まともにやって「玉砕」という日本
の伝統的なお家芸が目の前に現れたワールドカップだったように思い
ます。

しっかり総括してもらって次の4年へ向けた方向性を出してほしいです。

Jおじさん、

「まともにやって玉砕」は日本の伝統芸ですね(笑)。

その「まともにやる」というのがまた非合理的で、ピント外れだったりするのも相変わらずです。このあたりは旧日本軍に似ているなと思い、(3)敗北の構造としてまとめてみました。これを自覚して改善することが出来たら、サッカーだけでなく日本全体が復活すると思っています。

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