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2014年6月26日 (木)

サッカーワールドカップ2014 (2)勝負なのかショーなのか

結局、日本代表は2敗1引き分けでグループリーグ最下位でした。

第二戦のギリシャに1点でも入れて勝っていれば決勝トーナメント進出となっただけに、コンディショニング失敗と自爆采配が悔やまれます。

  • 「日本には空中戦の文化はない」とヘッドの強い攻撃手を連れて行かなかったのに、ぶっつけ本番でセンターバックの吉田にそれをやらせるのはどういうことか。
     
  • ひとり退場して引き分け狙いに切り替えたギリシャに対し、サイドからハイクロスを上げて楽にさせたのはなぜか。
     
  • 機能していない選手を残し、効いていた選手を下げるのはなぜか。
     
  • 自分で得点したいからか、持ち場を離れて真ん中に入る選手をなぜ修正できないのか。

個々の選手やプレイがどうのより、「勝つためにチームとしてちゃんと考えたのか?」「そもそも本当に勝つ気があったのか?」 という点に対して大きな疑問が残りました。

 

私もずっと日本代表をフォローしているわけではないので後講釈になってしまうのですが、今回のキャンプ地をイトゥにしたことを最初から疑問に思っていた人々が少なからずいたようです。特に現地新聞の指摘は傾聴すべきものでした。

レシフェまでイトゥーから直線距離で2151キロ、ナタールまで2338キロ。東京から台湾まで2247キロだから、これでは冷え込みが厳しくなる晩秋の東京(11月初旬頃か)から亜熱帯の台湾へ毎回、試合に出かけるのと変わらない。選手は、試合どころかカゼで寝込むのが関の山である。
ニッケイ新聞 2014年1月11日

一説によるとこれは大きなスポンサーの現地法人があって、対戦場所や相手が決まる前にキャンプ地として決定したとのこと。

プロ化前のアマチュア時代から日本のサッカーを支援してきた大スポンサーが、チームの不利になることを望むとは思えません。しかしひょっとすると誰かが、スポンサーに「良い顔」をしたくて決めてしまった可能性はあります。

実のところ、涼しいところでのキャンプが一概に悪いとは言えません。高温多湿の環境で体力を消耗するより、涼しいところで過ごした方が良いこともあります。しかし第一戦で日本代表の動きが驚くほど早く止まってしまったことを考えると、コンディショニングに失敗した可能性は大いにあります。今後の教訓としたいところです。
 
 
 
今回の敗戦の裏側には、「勝負ではなくショーになってしまった」ことがあると思っています。
 
勝負なのかショーなのか
 
言い方を変えると
 
競技なのか興行なのか
 
ということです。
 
プロスポーツである以上、勝負であると同時にショーであることは間違いありません。サッカーの普及と選手育成のために、カネがかかることも理解できます。たとえば女子サッカーはそれ自体では採算が取れず、男子サッカーからの売り上げを回しています。だから代表戦を企画したり、それを盛り上げることは当然の努力なのです。
 
しかしショーとして成功したところで満足したり、それを目的とするようになっては、そのスポーツの未来は暗いと言わざるを得ません。
 
自分が「所有」している選手をスターシステムに乗せるのもいいでしょう。しかしそのために代表選考や起用法に口を出し、奇妙な選手交代の原因になっていたとしたら本末転倒です。4年前に活躍した選手が今も活躍できるケースは稀なので、すでにブランドが確立した選手を聖域化して勝負に挑むのは危険なのです。
 
 
 
自分の市場価値を高めるためだけにプレーする選手が出てきたとき、スポーツであれば監督がそれを抑えてチームとしての力になるようコントロールします。しかしショーであればその「花形」に監督も選手も口を出せなくなり、聖域と化してしまいます。
 
すると花形選手に迎合して、自分のステップアップのために代表を利用する選手たちも出てきます。チームは派閥に分かれ、いがみ合うようになります。監督はないがしろにされ、チーム戦術はガタガタ。しわ寄せを食らう選手は「やってられっかよ!」と怒り出すでしょう。
 
今回の結果は「ショービジネスの側面が肥大化し、勝負に専念できなくなって自滅した」と考えると納得できる話が多いのです。
 
 
 
ワールドカップは国別対抗であるため愛国心が刺激され、興行的に成功しやすい下地があります。その特需に乗って儲けたい気持ちもわかります。
 
しかし勝つ気がないショーを見せられて「感動をありがとう!」「4年後に向けて頑張ろう!」と言われても、なんのこっちゃとしか思いません。スポーツは困難な状況を打開するから面白いのであって、そのつもりがない人々を見ても時間の無駄と考える人もいます。ショーはショーとしての面白さがあると思いますが、そうであれば勝ち負けや戦略にこだわる必要はありません。
 
 
 
監督や個々の選手の責任を問うことも大事ですが、それよりも前にサッカー日本代表は「勝負なのかショーなのか」「競技なのか興行なのか」をはっきりしておくべきでしょう。
 
もしショーなのであれば、選手はコンディションを崩してまで花試合に参加する理由はありません。ガチンコ勝負のクラブに専念したい選手もいるはずです。ワールドカップは野球のWBCのようになり、有力選手の辞退が相次ぐかもしれません。その方向性は協会などが決め、選手や観客はそれに対応するだけです。
 
少なくとも言えるのは真剣勝負を望んでいる選手やファンに対し、スポーツの皮をかぶった感動ショーに無理矢理つきあわせるのは逆効果ということです。期待が高かった分、落胆も大きなものになるでしょう。
 
単に刺激や興奮が欲しい人はそれで良いかもしれませんが、発展や進化を望む人々はどんどん離れて行くと思います。
 
(続く)

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コメント

大賛成です。興行とそのステークホルダーの事業利益のシェアの部分が不健康なほどに肥大化し、本来の勝負としての面白さが失われてしまったのが今の姿かもしれません。プロスポーツの難しいところですね。

匿名希望さん、ありがとうございます。

メジャースポーツはどこでも同じ問題を抱えていますが、発展途上の日本サッカーがその罠にはまるのは早すぎる気がしています。腐敗するならワールドカップで優勝してからにしてほしい(笑)。

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