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2015年3月31日 (火)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とドル覇権(2) 日本はADB利権を死守すべき

(前回の記事のタイトルを変更し、シリーズ化しました)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)の「創設メンバー」締め切りは今日2015年3月31日です。日本政府は正式に見送りを発表しました。

これはきわめて順当な判断です。日本と米国が中心となって50年近く実績をあげてきたADB(アジア開発銀行)をさしおいて、中国の独断でカネを動かすAIIBに参加する理由はありません。
 
 
 
一部の日本メディアは「バスに乗り遅れるな!」「日本は孤立する!」「創設メンバーとしてのメリットがなくなる!」と騒いでいましたが、カモがバスに乗らなかったので落胆していることと思います。
 
英独仏などの欧州諸国は、「中国に決定権があるなら、日本製品を使ったり日本企業には発注しない」ということを期待していると思います。創設メンバーになろうが100兆円拠出しようが、中国が日本にメリットを与えることはありません。おいしい部分のほとんどは中国が持って行くにしても、中国企業ができない部分は欧州諸国がやることになるでしょう。中国側も「日本にだけ損をさせて、我々で甘い汁吸いましょうや」ぐらいのことを言って欧州諸国を誘ったはずです。
 
しかし日米が参加しないとなると、中国も欧州諸国も自分たちのカネを持ち出してアジア諸国に投資することになります。参加国が40以上と言ってもカネを貸す力があるのは中国・英・独・仏・デンマーク・豪州・サウジぐらい。他の国は借りる側なのでいくら増えても中国の利益とはならず、むしろ損をしてしまいます。他人のカネを私物化したい中国にとって、これでは何のためにAIIBを作ったのかわかりません
 
だから申請期限の今日を過ぎても、「日本と米国の参加を待ち続ける」と言っているのです。カモが乗るまでバスは発車しないということです。
 
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中国の楼継偉財【北京時事】中国の楼継偉財 【北京時事】中国の楼継偉財政相は20日、同国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関して談話を発表し、今月末の申請期限を過ぎても、日本と米国の参加を待ち続けると表明した。(2015/03/20-23:32)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015032001017
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ではなぜ、中国が他人のカネの私物化を狙っていると言い切れるのか? 
 
第一の証拠は、そもそもAIIB設立のきっかけにさかのぼります。中国がADBの出資比率を上げて発言権を得ようとしました。しかしこれに米国と日本が難色を示したため、AIIB設立を宣言したと言われています。
 
ここまで聞くと、「なんだADBはアメリカと日本の息がかかっていて、日本の財務省の天下り先じゃないか」と思います。実際その通りなんですよ。
 
しかしアジアでは預ける人を間違えると、公金がどこかに消えてしまうリスクが非常に高いのです。公金を預けて安心なのはカネを貸し付けている先進国、そしてアメリカはアジアではないとなると、消去法で日本ぐらいしか残りません。たとえば欧州復興開発銀行(EBRD)総裁はフランス人とドイツ人しかやったことないですが、私はそれに文句を言おうとは思いません。アジアでは日本人以外に代わりがいないというだけです。
 
しかし中国はADBの総裁をやりたいと言ったようです。たとえば銀行の全資産から25%も借りている最大債務者が「俺を頭取にしろ!」と言い出したらどうでしょう。
 
地位を利用して踏み倒す気マンマンだな、こいつ
 
としか思えません。少なくともそういう要求をするのはADBからの借金を返し、日本のODAを断ってからにしてくれと思うはずです。
 
つまり中国はADBの乗っ取りと私物化に失敗したため、AIIBという別組織を立ち上げて揺さぶりをかけてきたということです。
 
 
 
証拠の第二は、北朝鮮の参加を断ったことです。
 
表向きの理由は「金融と経済体系が国際金融機構に参加する水準に至っていない」とのことですが、それなら「今は即答できないが、創設メンバーや資金が揃ってから検討する」と言えば済む話。しかしそうしないのは今の北朝鮮が北京政府と敵対関係にあるからです。おまけに資金を借りる側なので、中国政府にとっては特に邪魔者なのです。
 
これはAIIBが民主的で透明な手続きで仕事をする組織ではないことを示しています。北京の一存で参加国を決められるのであれば、どのプロジェクトに融資するか、どの企業に発注するか、どの銀行に資金をプールするかもすべて中国政府次第。私物化のための銀行なのですから他国に利益が回るはずありません。
 
 
 
証拠の第三は、日米のたび重なる「公正なガバナンス(統治)確保」の説明要求に答えていないことです。要するに「インチキしないという証拠を出せ」と言われているのに、無視を決め込んでいます。公正にしたらインチキできないので、出せるはずがありません。
 
 
 
さて、AIIBは時間が経つほど困った状況になります。
 
欧州各国はAIIBが本当にインフラ投資をするのだと思っていて、その「おこぼれ」を狙っています。カモである日本が乗って来ないのでは、中国がカネを出さなくてはなりません。
 
いずれ欧州企業もAIIBが詐欺ファンドであることに気付くでしょう。拠出した資金がシャドーバンキング巨額損失の穴埋めに使われたり、持ち逃げされたり、帳簿がデタラメであることが発覚するのもそう遠くありません。そのときになってなぜ日米が参加しなかったのかを知ることになります。
 
あるいは米国に睨まれて脱退する国が出て来るかもしれません。オバマがあんな人なので舐めているのかもしれませんが、私が米国財務省や国防省なら同盟国のAIIB参加は制裁に値する裏切り行為と考えます。ADBの出資を突き返し、米国市場から締め出し、ドルスワップを解消し、泣きながら謝って来るまで許しません。英豪韓は米国を頼りにしているくせに、どこか甘えている節があります。
 
私が中国であれば、実体がバレる前にADBとAIIBの統合を持ちかけるかもしれません。どうせ最初からADB私物化が狙いだったので、中身のないAIIBを失っても惜しくはありません。妥協の産物として「ADB総裁の地位」や「ADB改革と称する利権奪取」が可能になるなら上出来です。オバマはまんまと引っかかりそうですが、日本は米財務省と協力してこれを阻むべきでしょう。
 
 
 
ではなぜ、日本はADBの利権を死守すべきなのか?
 
日本の財務省の天下り先だからではありません。
 
ドル基軸体制を支える数あるインフラのひとつだからです。
 
ドル基軸体制は軍事同盟と並ぶ、米国覇権の柱です。
 
それを脅かす者は、ことごとく葬り去られて来ました。
 
それを格下の同盟国ごときが手放したり、敵に渡してしまうなど、言語道断なのです。
 
(続く)
 

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コメント

ヨーロッパを取り込んだ中国の手腕は見事なものだと思いますし、AIIBももしかしたら新たな重要機関になるのかもしれませんが、日本としては敵である中国の口車に乗るわけには行きませんね。
ヨーロッパと日本では事情が違いますから。
麻生さんが言ってるように、透明性を見極めてから行動して欲しいものです。

Hさん、

日本は中国が敵であることを認識しており、米国も気付いたようです。それに対し欧州は直接被害にあったことがないため、おいしい思いをしたいのでしょう。しかし日米がこれまでのように中国に資金・技術・信用を与えないとなれば、欧州の目論見も外れるはずです。

透明性うんぬんはタテマエだと思いますよ。日本にはADBがありますし、中国が力をつけたら日本が攻められるのですからそれを助ける意味はまったくありません。だから「踏めっこない踏絵」を用意しているのだと思います。

正直言ってAIIBなんて検討の価値もないと思っていましたが、的確にまとめて頂いて有難いです。
毎度「中国」「朝鮮」などを普通の善良な国家と勘違いしている事に驚きます。今回利害関係がなかったらアメリカもホイホイ中国の話に乗ってきたかもしれないと思います。もちろんお財布は日本が担当でしょうが・・・。orz

どう見ても日本参加にメリットはないですね。
アメリカが腰が引けるなら日本がADBをもっと主体的に運用すればいい。

AIIB参加国の思惑はチャイナマネーを喰うことにしかないので、参加というよりタカリ。
しかも中国の外貨準備が雪崩を打って減少している。実質経済のバブル崩壊が始まっている。

中国の共産党支配が終了して、完全に資本規制が無くなれば、その時に
かんがえればよいと思います。

最近の中共は、日本国民の多数派の民意をことごとく読み間違えてますよね。
マスコミが煽れば民意がそちらに動くという方法は、
尖閣での漁船映像が流出した辺りからどう見ても効果が薄れてきているでしょうに。
子飼にしている朝日新聞や親中議員の意見を、
日本国民の総意だと本気で勘違いしているのでしょうか。

それにしても、今が民主党政権でなくて本当に良かった・・・

Jおじさん

私もそうでした。詐欺師が持って来る投資商品など考えるに値しません。しかし詐欺師たちが「バスに乗り遅れるな!」「孤立するぞ!」という手口を見透かされているのに、まだ続けていることに驚きます。工作員が必死なところを見ると、英独仏によほど大きな空手形を切ったのでしょう。


ednakanoさん、

まさにその通りと思います。誰かがうまいこと書いてました。
「パーティ会場でみな皿と箸だけ持って日本が来るのを待っている」
AIIBも中国の資金調達と私物化が狙いであって、投資など行われないでしょう。


匿名希望1さん

中国は共産党支配が終わってもメンタリティは変わらないと思いますよ。他人を利用して戦わせ公器を私物化することにかけては天才的ですが、いずれ会社や国を崩壊させてしまうのです。特に意識しているわけではなく「普通はそうするものだ」という文化ですから厄介です。


匿名希望2さん

全体主義国家の落とし穴かもしれませんね。日本のマスコミが日本人を「統制」できていると思っているようです。彼らは自分がついたウソを信じ込んで判断を誤ることがあり、自分の手下の無能さによって窮地に陥ることがあります。民主党政権は増税して中国や韓国の国債を買おうとしていました。工場が逃げ出して外貨が流出し、国債を買わせることもできなくなったのでこの投資詐欺を思いついたのでしょう。「BRICS銀行」も「海のシルクロード銀行」も同じ手口だと思います。

拝啓、管理人さんお久しぶりです。
チャイナ主導の「 アジア開発銀行 」はどう考えてもインチキやらずぼったくり其の物です。

転じて、チャイナシンパの翁長沖縄県知事の娘はチャイナ共産党幹部と結婚しています。
公権力を握る立場で日本の敵国であるチャイナへ娘を留学させる事自体が、立場への自覚がなさ過ぎです。
チャイナ韓国シンパである舛添要一東京都知事と並んで要注意人物です。
付記URLアジアンニュースを御高覧下さい。

取り急ぎm(__)m乱文にて 敬具

(^o^)風顛老人爺さん、ご無沙汰してます

沖縄県知事はすごいですね。いきなり売国奴列伝のトップスターに躍り出ました。米軍を追い出せば中国に褒められて、何か良いことがあると期待しているのでしょう。あちらは完全に勘違いして、尖閣を取りに来ると思います。地元の人々も危機感を覚えないと、かなりまずいことになるのではないでしょうか。

拝復、管理人さん
沖縄県知事の翁長と云う人の娘がチャイナ共産党幹部と結婚、
アジアニュース2ちゃんねるに掲載されています。
名前を伏せますが私の知人の娘さんも「 韓国人 」と結婚しました、知人は所謂文化人で社会的影響力があります。
脳天気な輩は「 国際結婚、素敵ね 」とバfullmoon
fullmoonカ丸出しです。
軍学者
兵頭二十八氏そして
元北京語通訳捜査官 坂東忠信氏が警告している「 間接侵略 」其のものです。
反撃の第一歩として、信頼出来ない韓国チャイナ製品特にpoison其の物であるチャイナ韓国食品は買いません。
日本人が金蔓として敵対国家であるチャイナ韓国朝鮮半島の製品を買うからこそ、其れを資金源にして反日活動に狂奔出来ると認識しています。
チャイナ主導のアジアインフラ開発銀行でしたか、に日本が参加するのは鴨が葱を背負って行くのと同じく自殺行為です。


m(__)m乱文にて 敬具

沖縄の基地負担軽減というフレーズは、日米の安全保障を脅かし、中共を利する為に用いられて居ると感じます。
沖縄県知事には本当にやられましたね。

(^o^)風顛老人爺さん

外国人もすべてが悪いとは思いませんが、知らない人は本当に無警戒ですからね。家・会社・国が乗っ取られるかもという恐れがないのでしょう。

sola さん

「負担を減らせ」「民意を尊重しろ」を無警戒に聞いていたら簡単に侵略を許します。操られていることに気付かず、良いことをしているとタダで侵略に加担する人々は恐ろしいです。

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