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2015年4月30日 (木)

嬉しい誤算、オバマが日本側に寝返った! (1)歴史的演説「希望の同盟」

大統領はこれまで、狂犬たちと仲良く暮らしたいと思っていました。
 
だから忠犬たちからエサを取り上げ、狂犬たちに配って「仲良くしよう」と呼びかけました。
 
しかし狂犬たちはますますつけ上がり、町のあちこちで人々に咬みつくようになりました。
 
大統領の財布から、自分の財布にカネを移す銀行を立ち上げました。
 
それを見ていた忠犬たちは次々に狂犬の手下に入り、そちらからエサをもらう道を選びました。
 
 
雨に濡れ、ひとりになった大統領の足元に残ったのはたった一匹の忠犬。
 
これまで大統領から目の敵にされ、「狂犬たちと仲良くしろ!」「おまえは歴史の反省が足りない!」「この犯罪犬の子が!」と鞭で何度も叩かれたかつての猟犬です。
 
しかし今はエサを取り上げられ、昔のことを何度も責められ、死にそうなほど弱っています。
 
大統領はその犬を拾い上げ、胸にしっかりと抱きました。
 
--------------------------------------------
 
安倍首相の訪米はどんな成果があるかと思いましたが、予想をはるかに超えて好意的なものでした。
 
本当にすごい。これに匹敵する業績はちょっと思い出せません。
 
直前にAIIBの踏み絵があったとはいえ、これに合わせて用意したんじゃないかと思えるほどのタイミングでした。
 
 
 
まずは訪米のメインとなった上下院での演説です。
 
日米同盟は「希望の同盟」
 
NHKによる全文です
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150430/k1001NH0065271000.html
動画はたとえばこれ
https://www.youtube.com/watch?v=pzy4exj0YPg
 
 
 
英語はご愛嬌として、内容は素晴らしかったです。
 
特に硫黄島で死闘を演じたスノーデン海兵隊中将(当時23歳大尉)と、守備隊司令官の栗林忠道中将の孫である新藤義孝国会議員の固い握手は感動的でした。
 
また安倍=Abe=エイブ=リンカーンと黒人奴隷解放の大統領と結び付けたくだりも良かったです。予定にないリンカーン記念館をオバマが案内したことを受けたアドリブでしょうが、うまいこと「自由の象徴」「黒人解放など人権重視」につなげたものと思います。
 
最後は「様々な災厄」から「トモダチ作戦」そして「希望の同盟」へと、開いてしまったパンドラの箱に対して我々が未来を作るのだという決意を思わせる見事な締めでした。
 
安倍首相に対するスタンディングオベーションは13回。これはイスラエルのネタニヤフに次ぐ回数だそうです。「スタオベの回数が成功の目安」と言っていた人々の中には、別の理由をつけて「大失敗だ!」とくさすしかなさそうです。
 
 
 
私は日頃から「オバマ政権は史上最強の反米政権である」と言っておりました。
 
前回の記事AIIBシリーズでは、右腕である大英連邦を切り落とされてもオバマは気づかない。次は左腕である日本を攻撃し始めるのではないかと恐れていました。
 
もちろん国防省や財務省はアメリカの国益に鑑み、日本の味方になってくれるでしょう。しかしオバマが中国のために働くのでは苦戦必至です。こんな罰ゲームがあと2年近く続くのかよと暗い気持でした。
 
ところが訪米後、オバマは安倍首相を歓迎し最大限の便宜を図っています。オバマだけでなく国務省や民主党まで一部を除いて大歓迎。ヒラリーは第一次オバマ政権時に中国に対してブチギレしているので、味方と考えて差し支えありません。どうやら今の米国政府は、戦後日本の努力をちゃんと評価してくれたようです。
 
なんだそりゃ!オバマまで日本側に寝返ってきたぞ!
 
あまりの急展開に驚きを隠せません。
 
 
 
日米蜜月のセレモニーを飾るように、変化を示すニュースが次々飛び込んできます。
たとえば28日に合意した「日米共同ビジョン声明」。
============================= 
米国は日本を常任理事国に含む形で国連安全保障理事会が改革されることを期待する
時事通信(2015/04/28-23:22)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015042801110
=============================
 
いつもなら「そんなエサでTPPで妥協はしまへんで」と疑うところです。しかし今回の場合、他の常任理事国に向けた牽制球でしょう。それも敵であるロシア・中国を刺すというより、味方である英国・フランスのどてっ腹にめり込む超危険球です。
 
誰のおかげで常任理事国の座におるか
思い出してみいや!
 
という米国の怒号が聞こえそうです。
 
 
 
続いて核兵器に対する声明。
 
=============================
核兵器使用は「壊滅的で非人道的」 日米共同声明を発表
朝日新聞2015年4月29日02時39分
http://www.asahi.com/articles/ASH4Y0J1KH4XUTFK01R.html
=============================
 
鼻血ブー!
 
ちょ、ちょっと待ってください。突然どうしたんすかアメリカさん。原爆のことを謝れなんて言ってませんし、もう恨んでいませんから。頭上げてくださいって。イヤだなあもう。
 
・・・わかりました。「前の戦争のことで言い争うのはこれで終わり」ってことですね。
そういうことであれば受け入れましょう。
こちらこそ、申し訳ありませんでした。
 
うーん、これはリベラルな米民主党だからできることかもしれません。共和党だったら難しかったかも。私個人としては謝罪を望んだことはありませんが、日本でもこれを受け入れてくれる人が増えたらと思います。まあ「謝罪の次は賠償だ!」と言って、日米対立を煽る人は出て来るでしょうけどね。
 
 
 
しかし慰安婦問題を「人身売買」と結び付けて手打ちにしたり、安倍外交はファインプレーが多いですね。今回の演説も、インドでの「セキュリティダイヤモンド構想」も素晴らしいものでした。よほど優秀なスタッフに囲まれているのでしょうか。
 
逆転また逆転の将棋を見ているようで、頼もしい限りです。
 
(続く)

2015年4月20日 (月)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とドル覇権(追記) 参加を主張する人はAIIBファンドを買えば良い

時事通信のニュースでは、AIIBがファンドを作るそうです。

=================================
傘下ファンドで資金集め=非参加国の投資家に道-アジア投資銀
時事通信(2015/04/19-18:56)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015041900161&g=int
---------------------------------
 【北京時事】中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が、傘下にファンドを設け、各国の政府系投資ファンド(SWF)などから幅広く資金を集める方針を固めたことが、19日分かった。日米などAIIBへの参加を政府が見合わせている国の機関投資家に、関与の道が開かれる。AIIBの設立直後にもファンドを立ち上げる。
 
 AIIBのファンド開設は、インフラ整備事業に投じる資金の十分な確保が目的。世界各国のSWFや年金基金に対し、AIIBでの長期的な資産運用を促していくとみられる。(2015/04/19-18:56)
=================================
 
いやー、良かったですねえ。
 
「バスに乗り遅れるな!」と煽っていた人々も、これで日本や米国の動向に関係なくAIIBに投資することができます。
 
絶好のチャンスを逃そうとする愚かな日本政府をさしおいて、アジアインフラ市場の成長の分け前をもらうことができるのです。
 
 
 
AIIB推進派は、個人でも買えるようにしてくれと証券会社にリクエストを出して購入希望額を伝えておきましょう。
 
また自社の年金でも買うように働きかけましょう。
 
まさか、自分で買えないようなものを他人に勧めていたわけではないですよね。
 
 
 
AIIBは中国の気分次第ですぐにルールが変わってしまいます。
 
すでに創設メンバー除外国も、参加除外国も、地域別出資比率変更も、貸し出しは人民元で行うことも、「日本が参加すれば副総裁」という条件も、このようにファンドを作る話も、すべて独断で決まりました。
 
それらを問題視しない推進派の人々にはピッタリの投資商品です。
 
 
 
さあ、推進派は「まず出資してAIIBを内部からコントロール」しましょう。 
 
「イヤになったらやめればいいのだから」とも言ってましたよね?
 
「早くしないとバスが出てしまいます」よ。 
 
(終)
 
 

2015年4月15日 (水)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とドル覇権(5) 日本は常に米国側に立つべし!

 ∧∧
/ 支 \
( `ハ´)

「3月末までに参加しなければ創設メンバーの資格と特典を失う!」

「日本はもうダメだ!バスに乗り遅れるな!」

「英独仏伊に先を越されて、アジアインフラ市場から締め出される!」

「全く新しいこの試みに、参加しない手はない!」

∧_∧
( ´・ω・)

「・・・俺たちにはADBもODAもあるんだけどな。あなたもそこから巨額の資金をもらってるでしょ。あからさまに俺を滅ぼそうと狙ってるくせに、その資金をよこせなんて馬鹿にしてんの?」

 ∧∧
/ 支 \
( ;`ハ´)

「3月過ぎても、日米の参加を待っている!」

「副総裁の椅子を用意した!日本の金融ノウハウが必要だ!ともにアジアを発展させよう」

「カナダも参加を検討!」

「独メルケル首相も安倍首相にAIIB参加を勧める」

∧_∧
( ´・ω・)

「怪しい勧誘には乗らないよ。ところでBRICS開発銀行(新開発銀行)海のシルクロード銀行はどうなってるの?まさかカネだけ集めて私物化してしまったってことないよね?」

-------------------------------------

 

最後になりましたが、日本の戦略をまとめます。

AIIBに何か国参加しようが関係ありません。

中国がドル覇権を崩し、アジアにおける日本の地位を奪おうと狙っているのですから、参加どころか積極的に潰しにかかるべきです。

ADBから中国への貸し付けをストップしたり、出資比率を下げるのも良いでしょう。

欧州に対しては、ウクライナやギリシャが破綻しても救いの手を出すのは当面やめましょう。欧州安定に協力しても仇で返されるのですから、主要国がAIIBから脱退してから再開すれば良いことです。

 

「でも支援を受ける国が中国に恩を感じたら、どっちみち日本は困るんじゃないか?」

心配いりません。支援を受ける国は中国サイドと米日サイドを天秤にかけることで国益を最大化しようとしているだけです。

最初は中国のほうが良い条件を示し、賄賂も気前良くばら撒くので、そちらになびくと思います。しかし最終的には中国とケンカして日米に助けを求めてきます。ミャンマーなどはそのパターンでした。

 

それらの国では中国や韓国の熱心な売り込みを逆手に取り、「賄賂食い逃げ」や「賠償金ビジネス」のようなことまで始めています。

たとえばメキシコでは中国の高速鉄道を導入することが決まっていました。しかしメキシコ政府と中国の癒着がばれて、再入札になってしまいました。中国は当然怒りまくっています。せっかく大統領夫人や財務相に豪邸をプレゼントしたのに、それをただ取りされたことになるからです。

また韓国はUAEから2兆円相当の原発を受注しました。このときの条件が

  1. 建設費186億ドルのうち100億ドルを融資
  2. 原子炉稼働事故保険60年保証
  3. 故障時の修理回復保証
  4. 運転、燃料供給等の完全管理
  5. 原発の韓国軍による駐留警備

という破格のものでした。

韓国には原発を海外で作った実績がありません。だから韓国政府が資金などを提供してダンピング受注する一方、仕事は入札のライバルである東芝・ウエスチングハウス連合に丸投げするつもりでした。

しかし「事故保険60年保証」という前代未聞の条件を聞いて東芝が撤退。ロイズも保険を降りてしまったため新たな条件が加わりました。

 6. UAEに作る原子炉モデル(新古里3号機型)が2015年までに韓国で建設され、
   運用されていることを証明すること。
     できない場合は毎月工事費の0.25%相当の違約金を支払うこと。

そしていま、新古里3号機型の建設は絶望的になっています。

もし違約金が発生するとなると、韓国はUAEに毎月約50億円を支払わなければなりません。利回り3%のドル建て韓国国債2兆円分をタダでもらったようなものです。

もしUAEが最初からこれを狙っており、違約金で日本の原子炉を安く買うのだとしたら、新興国にとって新しいビジネスモデルとなるでしょう。

韓国はその他にもインドネシアの製鉄所が大爆発を起こし、その対応に追われています。

 

日本の技術と資金を頼りにしながら、その地位を奪おうとする中国と韓国。インフラやプラントの受注で世界に攻勢をかけ、ワイロもダンピングも激しく行っています。

その構造がわかっていれば新興国にとってはおいしい話になります。メキシコのように賄賂をもらい、UAEのように違約金と保証を契約にたっぷり盛り込み、最後はすべて白紙に戻して先進国の技術を直接導入すれば良いのです。

それまで日本は中国・韓国に利用されないことが大事です。下働きに甘んじることなく、後から堂々と取って代わりましょう。

 

「そんなことをしたら中国や韓国に恨まれるのではないか?世界的に孤立するのではないか?」と不安に思う人もいるでしょう。

大丈夫です!

第一に、日本は何をやっても中国・韓国に恨まれます。どうせ恨まれるなら手助けをすることはありません。好意には好意を、敵意には敵意を返す「しっぺ返し戦略」が最も賢い対応です。

また米国と同盟関係である限り、その他の国とは敵対しても構いません。なぜなら日米が手を組んでいる限り他の国にやられることはないからです。

思い出してください、米国が味方してくれたら日本はロシアにも勝てます。アジア地域なら欧州勢も敵ではありません。中国軍など鎧袖一触です。

 

第二次大戦で負けたのは、アメリカに負けたのです。

日英同盟解消も、ABCD包囲網も、米国との対立が原因です。

米国と同盟を組めば世界第2位の経済大国になれますが、敵対するとGDPが米国の10分の1から20分の1に落ちてしまいます。

さらに仮想敵国に米国が加わるのですから、軍事費は5倍以上に跳ね上がるでしょう。軍事費が膨れ上がってそれを支える経済が縮小するのですから破綻は必至です。

 

日本にとって孤立とは、米国と敵対すること

極論すれば米国と一緒なら全世界を敵に回して構わない

 

これが中国・ロシア・米国と戦った上での結論です。

 

この結論を補強するために、米国が残り全世界と戦争したと仮定しましょう。

私が米国大統領なら、まず英国をボコボコにして大英連邦を服従させます。これで世界の海のほとんどを支配することができ、資源と市場に自由にアクセスできます。

次に日本をボコボコにして技術・資金・市場を確保。同時に中国・ロシアが太平洋に出られないよう「勤勉な忠犬」として見張らせます。

ここまで来たら残りは時間をかけて構いません。日本・豪州・インド・南アフリカを拠点に中東まで足を延ばし、そこに軍を駐留させて油田を確保します。

するとあら不思議、現状と似たような状況になります。つまり現在の米軍基地や同盟国との関係は、米国が世界を相手に戦争して勝った後の支配体制と同じなのです。

日本は戦争に負けたものの、いまや米国覇権とドル基軸の「戦勝国側」にガッチリ組み込まれています。その戦勝国利権を手放すことは馬鹿げており、米国覇権を脅かす試みには積極的に反対すべきです。ADBを脅かすAIIBに対しては、協力するどころか潰しにかからなければなりません。

 

米国にとって、大英連邦と日本は地政学上手放すことができないキーストーンです。

もし逆らうようなことがあれば、真っ先にボコボコにされて連れ戻される運命にあります。

英国や日本にしてみれば、米国に逆らっても良いことは全くないということになります。

米国が海洋覇権を手放そうと思わない限り、この状況に変化はありません。

 

その意味では米国・英国は誤ったメッセージを中国に送っている可能性が高いです。

彼らの態度はまるで中国に覇権を譲り、ドル基軸体制をやめるように見えるからです。

少なくとも日本の海洋派から見ると不安です。

オバマとキャメロンは「21世紀のチェンバレン」として名を残すかもしれません。

 

しかし日米が手を組んでいる限り、我々は豊かで、自由で、法律が通用する世界に住むことができます。

米国の支配が長くても、また不満や不備があっても、中国が支配するダークサイドに回る理由はありません。

 

日本は常に米国側に立つべし!

 

これが地政学的かつ経験的な結論です。

(終)

2015年4月14日 (火)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とドル覇権(4)  貿易インフラは米国覇権の柱

「わかったわかった。AIIBバスに乗らなくてもいいからカネだけ出すアル。足りなくなったらまた呼ぶから」
                ∧∧
               / 支 \
               (`ハ´ )
 
 
「あの・・・私この路線でもう50年ほどADBバスを運転してるんですが・・・」
∧_∧
( ´・ω・)
 
 
 
さて、これが米国にとってどのような意味を持つのか考えてみましょう。
 
米国の覇権の根幹は海洋覇権にあります。海を自由に行き来することで世界中の資源と、製品を売りさばく市場にアクセスすることができます。生産と販売をグローバルに最適化することで、大きな利益をあげることができます。
 
それを可能にしているのは、世界最強の軍事力です。「米国 vs 残り全世界」で戦っても米国が勝つでしょう。米国は交易を自由に行う一方で、敵の交易を妨害することができるのです。
 
その海の通路は、シーレーンと呼ばれています。米国のシーレーンを妨害したり、自分のシマにしようとするのは、虎の尾を踏むのと同じことです。かつて日本は南洋に資源を求めるようになり、米国にボコボコにされました。戦後は米国のシーレーン防衛に乗っかる形で、貿易大国として復活しています。
 
中国が尖閣・沖縄や南シナ海にちょっかいを出して無事で済んでいるのは、相手がオバマだからです。仮に日本が同じことをしたら経済制裁と戦争でボロボロにされているでしょう。
 
 
 
さて貿易で栄えている国家は、自然と金融が発達します。外国との貿易には通貨の両替が必要ですし、危険な船旅には保険が必要です。もともと株式会社は投資家の資金を集めてリスク分散をするために考え出されました(東インド会社)。貿易と金融・投資は切っても切れない関係にあります。
 
NY・ロンドン・東京がそれぞれ大金融市場であることは偶然ではありません。香港やシンガポールも同様です。貿易が活発な地域はヒト・モノ・カネ・情報が集まるマネーセンターになりやすいのです。
 
日本でも大都市の近くには貿易港があり、日銀や証券取引所があります。金融機関の大きな支店もあります。かつて小樽にも日銀の支店があったことを不思議に思っていたのですが、ニシンの他に樺太・千島との交易で小樽が栄えていたからだそうです。金融が発達する地域にはそれなりの理由があるということです。
 
 
 
このように米国は「海上覇権」と「金融」の両面から、世界の貿易インフラを支配しています。
 
IMF、世界銀行、アフリカ開発銀行 (AfDB)、アジア開発銀行 (ADB)、欧州復興開発銀行 (EBRD)、米州開発銀行(IADB)なども、このドル決済インフラを支える国際金融機関です。
 
米国はドル決済のインフラを握ることで国や企業の資金を監視し、必要であれば制裁することができます。
 
北朝鮮が偽ドル札を作ったりすると、ドル決済を止めてしまいます。気に入らない国は資金決済できないようにして、経済活動をストップさせてしまうのです。
 
 
 
中国やロシアは、米国の覇権が面白くありません。
 
そしてドル基軸体制を早く崩したいと考えています。
 
米国の気に入らないことをやるとすぐドル決済を止められてしまい、何もできなくなってしまうからです。
 
だから彼らは、貿易をドル以外の通貨でやろうと各国に持ちかけて来ます。
 
 
 
中国がAIIBを作ったのは、ドル基軸インフラのひとつであり50年の歴史があるADBに対抗するためです。これは明らかな米国ドル覇権への挑戦です。本気でアジアの発展を願っているはずもなく、ADBであれAIIBであれ国際金融機関を私物化して資金を勝手に使うのが狙いです。
 
相手が日本とオバマなので「削り取れる」と見たのでしょう。防衛識別圏拡大やスプラトリー埋め立てを見ても何もできないのですから、「口だけ野郎」と舐めているのです。
 
 
 
米国覇権を担っている人々は、これを許すはずがありません。少なくとも米財務省や国防省は忘れないと思います。
 
イラクのサダム・フセインが原油のドル決済をやめたとき、大量破壊兵器の言いがかりをつけて戦争を仕掛けました。それに匹敵するような報復行為がなされてもおかしくないのです。
 
英独仏伊韓などの輸出品が米国から締め出されたり、訴訟を起こされたりする可能性は大です。巧まずして日本企業に神風が吹くことになるかもしれません。
 
ただしオバマ大統領の任期はまだ2年近くあるので注意が必要です。オバマは忠犬に鞭を打ち、咬みつく犬にはヘラヘラ媚びて餌をあげる変わった人だからです。
 
(続く)

2015年4月 8日 (水)

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とドル覇権(3) 中華文明の生き残り戦略

「早くAIIBに参加するヨロシ。お前が来ないとバスが買えないアル」
 
    ∧∧
   / 支 \
   ( `ハ´)
 
 
 
これまでのところ、AIIBに対する日米の態度は正しいものです。
 
「なぜか」を説明する前に、中華文明圏の生き残り戦略について述べましょう。そうでないと日米の対応が正しいかどうか評価できないからです。
 
 
中華文明圏の生き残り戦略は、きわめて単純です。
 
  1. まず相手の強さを見極め、弱ければすべて奪ってぶっ殺す
    (チベット・東トルキスタン・自国民)。
     
  2. 強ければにこやかに「一緒に戦いましょう」と近づく。表面上は協力するふりをして相手にだけ働かせ、裏で足を引っ張りながら気付かれないように相手の力(権力・人脈・資金・技術)を乗っ取ってゆく
     
  3. そのとき相手組織の中に自分の味方になってくれそうな人を見極めて支援する。つまり敵の中で内通者(裏切り者)を出世させる
     
  4. 相手(家族・会社・国)の内部で争うようにウソをつき、利益をちらつかせて切り崩す。特に重要な同盟国や取引先に、相手を支援しないよう働きかける。両方にひどい噂を流してお互いが信用できないようにする。
     
  5. 相手が孤立し弱ったところですべて奪い、葬り去る。
    敵組織の中で利用した内通者はすぐ粛清。
     
  6. 次のカモに笑いながら近づく
 
 
これは中国の歴史やビジネスに詳しい人ほど賛同してくれるのではないでしょうか。
 
どうも中華圏(北朝鮮・韓国含む)では「勝ち負け」「序列」以外は価値を持たないようなのです。つまり「どんなに卑怯なことをしても勝てばよい」という人生哲学です。
 
 
 
実際のところ、「勝てばいい」と考える人は世界中にいます。
 
しかし先進国ではそれ以外に「フェアな競争」「公共心」「自己犠牲」「共存共栄」「恩に報いる心」などが家庭や学校で教育されます。ただ上に行くのではなく、その過程や方法が厳しく問われるのです。
 
したがってこのような行動をする人が、大多数とはなりません。だからこそ先進国でいられるのです。
 
 
 
ところが中華圏の場合、 「どんなに卑怯なことをしても勝てばよい」が普通の考えのようです。 
 
これを意図的・戦略的にやっているかというと、どうやらそうでもない。「人間は世界中みんなそうだ」と考えている節があります。
 
なぜなら夫婦の間でも裏切りや蹴落としがあったり、雇ってくれた上司を引きずり落としてその地位を奪うことは日常茶飯事だからです。
 
相手が外国人だからやっているのではありません。先進国の人間は他人を信じるので特に騙しやすいだけで、中国人・北朝鮮人・韓国人同士はいつも問題そっちのけで争ってばかりです。これでは発展しようがありません。
 
 
 
しかし彼らの思考回路や生き残り戦略を知らずに信用すると、さんざん利用されたあげくすべてを奪われ、最後は殺されることになります。 
 
たとえば今の台湾(中華民国の国民党)は、正真正銘の戦勝国です。米英の支援を受けていた国民党に対し、中国共産党は「争うのはやめて、一緒に日本と戦いましょう」と近づきました(国共合作)。
 
しかし中国共産党は日本軍とは戦わず、国民党に戦わせて逃げ回っていました。それと同時に宣伝活動を行って、来るべき国民党との決戦に備えていたのです。終戦と同時にソ連の支援と日本が満州に残した武器や資産を使って国民党と戦い、台湾島へと追いやります。
 
その後いろいろありましたが1971年のアルバニア決議で台湾(中華民国)から中国の代表権を奪い、常任理事国の座と拒否権をゲットします。これによってチベットや東トルキスタンへの侵略も不問となり、その後の軍事侵略も楽になりました。
 
ここで注目したいのは、中国共産党は時間をかけてアメリカ国内の台湾派を切り崩したことです。またキッシンジャーなど親中派(パンダハガー)を育てて米国世論や政策を誘導したことを忘れてはなりません。米国の方もソ連との対立があったので中共を味方に引き込みたかったという事情はありました。しかし中共が米ソ対立を煽り漁夫の利を得るという構図は今に通じるものがあります。
 
 
 
次の大きな獲物は日本でした。
 
日中国交回復後の日中友好ブームに乗って、現パナソニックがテレビ工場を作ったり、現新日鐵住金やJFEスチールが宝山鉄鋼を作るなど技術協力を加速させます。この時期に中共は、日本国内の親中派育成に力を入れたようです。
 
私が中学生だった頃、シルクロードやパンダ・人民服など、中国ブームが起こったことを覚えています。その中で妙に印象に残っているのは「北京の罠に日本が自滅する日」という本のタイトル。正直内容は覚えておらず、残念ながら今は廃刊になってしまったようです。(追記:以前は探しても見つからなかったのですが、再確認したところアマゾンで売ってました。Kindol化のリクエストを出しておきました。他の中古書店でも売っているようです)
 
転機が訪れたのはソ連崩壊による冷戦終結(1991年)でした。天安門事件(1989年)によって先進諸国から制裁を受けていた中国は、日本を使って苦境を突破すると同時にその地位を奪う方向に舵を切りました。
 
まず天皇陛下の訪中を実現させ、「日本は許したぞ」と世界にアピール。これにまんまと他の西側諸国が追随し、経済制裁が解かれます。
 
そして国内では反日教育を強化、中国共産党に向いていた矛先を日本に向けることで不満をそらしました。
 
米国では「ソ連崩壊後の主敵は日本だ!」と煽りました。米民主党で親中派のビル・クリントンを応援し、大統領にします。クリントンは貿易交渉などで徹底的に日本を叩き、中国を優遇しました。
 
米国への世論工作としてはアイリスチャンの「レイプオブ南京」(1997年)など、日本人・日系人が嫌われるよう工作を激化させます。それに韓国の慰安婦などが乗っかって、いまの状況を作り出しています。
 
裏ではそんなことをしながら、日本にはあたかも友人のふりを続けます。「これからは中国の時代だ!」と親中派マスコミが煽ります。1980年代から中国進出はほとんど失敗していたのに、そんなことは教えません。政治家・マスコミ・銀行・企業が揃って日本の資金と技術を流出させ、世界第二位の経済大国に押し上げました。
 
この危うさに気付いていた人々は、早くから警鐘を鳴らしていました。しかしそんな意見が取り上げられることはありませんでした。
 
2000年代に入って領事館が襲撃され、工場が焼き討ちされ、尖閣を返せと漁船が海保に体当たりし、日本人社員が人質に取られ、レアアースを禁輸され、公船が毎日領海侵犯するあたりからみんながおかしいと感じ始めました。
 
中国はいまや日本を完全に上回ったと自信を持ち、友達の仮面を捨てました。「すべて奪ってぶっ殺す」段階に進んだのです。
 
今はほとんどの日本国民が、中国に対して警戒しています。しかし政治家・マスコミ・銀行・企業が相変わらず中国のために日本を犠牲にしようと画策しています。今回のAIIBにもその構図が見て取れます。
 
 
 
そして今、中国に「食われ」ているのは大英連邦のようです。
 
「あなたは本来、米国の手下になるような国ではありません。あなたの金融センターと、私の『世界の工場』が組めば怖いものはありません。私はあなたが日本のADB利権を奪うお手伝いをします。ふたたび大英帝国を蘇らせようではありませんか。」
 
などと甘い言葉で誘われたのでしょう。
 
 
 
近年の英国の迷走ぶりは目を覆いたくなるものがあります。
 
オバマもたいがいですが、英国キャメロン首相も筋金入りのルーピーです。
 
スコットランド独立投票では、あやうく国を分裂させられるところでした。
 
ダライラマ14世に会ったことを中国に咎められ、「チベットは中国の一部であることを承認し独立を支持しない」と言わされました。
 
オーストラリアやニュージーランドは中国の留学生と移民で乗っ取られています。
 
しまいには大臣が「日本は温暖化ガスを4割減らせ」と要求しています。中国の書いたシナリオに踊らされ、すっかり詐欺商品のセールスマンになっています。
 
温室ガス「日本は40%削減を」 英大臣から異例の書簡
http://www.asahi.com/articles/ASH3W3S31H3WULBJ00D.html
 
 
 
彼らの手口がわかってしまえば、対処方法を考えることはそれほど難しくありません。
 
中華思想では生産活動を「卑しいもの」と考えるので、誰かの生産物や信用を横取りし続けないと生きて行けないのです。
 
ということは「仲間と情報交換をして同士討ちさせられないように注意し、資金・技術・信用を与えなければ勝手に自滅する」ということになります。
 
 
 
しかしここで厄介なのは、各国で育てられた親中派(パンダハガー)がいまや大きな権力を握っていることです。
 
日本の国益に反し、おかしな動きをする政治家・マスコミ・官僚・銀行・企業は数えきれないほどいます。
 
彼らは自分の会社や国が滅んでも、中国共産党を助けるように働くのです。
 
 
 
彼らは「中国を助けて日本を支配下に入れたら、ご褒美で自分をトップにしてもらえる」と期待しているに違いありません。
 
しかしそれは相手を良く知らないからでしょう。彼らは利益を他人に与えませんし、そもそも約束を守りません。
 
多くの故事ことわざが示す通り、侵略が成功すれば内通者は真っ先に粛清されるのを知らないようです。だってもう用はないのに「ご褒美」をしつこく求められるのも面倒です。そして何よりも祖国を裏切るような奴は自分のことも簡単に裏切るだろうからです。
 
 
 
彼らの手先となって働く人々に共通するのは、相手の歴史や文化も知らず馬鹿にされながら利用されていることに気付いていないことです。
 
そういった人々が日本の中で高い地位を占めていることは、軍隊が攻めて来るよりも恐ろしいと思います。
 
そして彼らはいま、移民という名前の占領軍を日本に進駐させようとしています
 
この間接侵略に気付かなければ、いまの先進国はすべて乗っ取られて滅ぼされるでしょう。
 
 
 
(続く)

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