対中政策50年ぶりの大転換 (7終)中国の戦略を見抜くための参考図書
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メルマガ版 『それを教えちゃマズイだろ!』
第89号 対中政策50年ぶりの大転換 (7終)中国の戦略を見抜くための参考図書
不定期発行
Presented by Wild Investors
安間 伸
Shin Amma, CFA
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では最後に、中国の戦略を見抜くヒントとなる参考図書をご紹介します。
日本はこの分野で相当の積み重ねがあり、少なくとも西欧諸国よりは読者の裾野が広いと思います。
たとえばアマゾンの本で「史記」を検索すると約900、「孫子の兵法」500超がヒットします。
しかし今回紹介するものは、ごくベーシックなものです。
他の良書には申し訳ないのですが、ご容赦願います。
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1. 史記
2. 六韜(りくとう)・三略(さんりゃく)
3. 孫子の兵法
4. 資治通鑑(しじつがん)
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1. 史記 (司馬遷)
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歴史や古典は、まずマンガで概略を頭に入れてしまうとすんなり理解できます。
そこで「史記」の面白さ知るために、私がお薦めするのはこれ。
全10巻ですが、1巻から5巻まで合わせた大合本(kindle版)が無料で読めることがあります。
なんと太っ腹!
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史記 大合本1 1~5巻収録 Kindle版
史記 大合本2 6~10巻収録 Kindle版
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これを読むと、策略が次々に展開されます。
仲直りの酒宴を開いて殺す。
講和を結んだ後に背後から襲う。
敵の名将・名軍師を罠にかけて敵の王自身に殺させる。
毒殺・謀殺・替え玉・偽手紙・自作自演・乗っ取り・裏切り・讒言なんでもあり。
「はいはい、まさに中国ですねー」という感じ。
これを2500年以上前からやっていたのですから、古代中国はいろんな意味で凄かったのです。
特に呉の伍子胥(ごししょ)・孫子と、越の范蠡(はんれい)の駆け引きに痺れます。
敵に貢物をして腑抜けにしたり、米を借りて育たない種籾で返したり、戦争ばかりするよう煽ったり。
范蠡は引退時のリスク管理も見事だったそうで、見習いたいですね。
有名な故事ことわざの由来も盛りだくさんです。
漢文の授業で苦労している人も、これならスラスラと頭に入るでしょう。
ただしちょっと大人向けのシーンがありますので、子供に読ませるときは注意してください。
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2. 六韜(りくとう)・三略(さんりゃく)
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「敵の中でバカが権力を持つように仕向けよ。そうすればやがて滅ぶ」
で有名になった六韜です。
今の先進国ではそんな人々が権力を握っているような気がしてなりません。
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六韜 (中公文庫)
三略 (中公文庫BIBLIO S)
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3. 孫子の兵法
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孫子の兵法は数多くありますので、好きなものを読めばよいと思います。
あまり有名でない計略も、それなりに奥が深いです。
私はこんな感じのやつを、古本屋で買って読んだ記憶があります。
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孫子
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4. 資治通鑑(しじつがん) 司馬光
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ピルズベリー氏によると、毛沢東や中国の指導者たちがこれをじっくり読み込んでいるとか。
紀元前403年の戦国時代の始まりから、959年の北宋建国前年までの1362年間を収録した帝王学の書、らしいです。
私は世界史で名前を知っているぐらいですが、実際に読んだ人は少ないかもしれません。
アマゾンで検索しても、28件しかヒットしないのです。
この本には何か大きな秘密があるのではないかと感じ、図書館に行って借りてみました。
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資治通鑑選(1980年) 中国古典文学大系
平凡社
リンクなし
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抄訳のはずなのに、けっこうヘビーです。
なかなか進まないので挫折しそうになります。
そこで、「読みやすい」というレビューが目立つこれに惹かれます。
↓ ↓ ↓
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徳田本電子版 全訳資治通鑑 1 戦国時代 Kindle版
司馬 光 (著), 徳田 隆 (翻訳)
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徳田さんという方が訳しているのでしょうか。
時代のニーズをとらえた、ありがたいチャレンジです。
実は資治通鑑でヒットする28件のうち、ほとんどがこのシリーズなのです。
しかし現在「22」までシリーズが出ていますが、資治通鑑294巻のうち巻69で三国時代まで終わったところ。
単純計算でまだ4分の3が残っていることになります。
この先を楽しみにしていますが、まともに全巻買うとかなりの金額になります。
kindle unlimitedに入って一気に読むか…。
(実は私、読み放題に入ったらそれだけで人生が終わりそうな気がして避けていたのです)
資治通鑑に関しては私も調査中ですので、進展があったら追記いたします。
(終)
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コメント
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図書館で平凡社の「資治通鑑選」を借りてみましたが、2週間やそこいらで読めそうにありません。お正月休みに出直します。
投稿: Jおじ | 2018年11月11日 (日) 11時48分
Jおじ さん、
Jおじさんですらそうなのですか。少し安心しました(笑)。私も途中で止まったままで、危うく図書館で延長手続きするのを忘れるところでした。もうちょっと頑張ってみます。
投稿: 逆張り投資家 | 2018年11月13日 (火) 16時26分
資治通鑑が検索にヒットしにくいのは当然の事。
そこには、唐帝国の軍隊の糧食についての記述があります。
「人肉の干し物」ってね。つまりは、資治通鑑は中国が太古から人食いを当然の事として来た事実が書かれているのです。
だからこそ、それを人目に触れにくくする。
民族の正体が書かれた歴史書ですからね。中国当局もひやひやしているでしょうよ。
投稿: 七篠権兵衛 | 2019年4月 2日 (火) 00時56分
七篠権兵衛さん、
ほおー!そうなのですか。
中国の古典にはしばしば出て来るシーンですが、資治通鑑にも正式に(?)載っているのですね。
その部分を探してみます。
ありがとうございました!
投稿: 逆張り投資家 | 2019年4月 3日 (水) 10時46分
七篠権兵衛さん
検索してみると、かなりヒットしますね。唐代には供給過多で「市場価格」が犬肉の5分の1にまで下落したとか(絶句)。
たとえばこのあたりをヒントに平凡社の資治通鑑選を借り直して確認しようとしたのですが、
https://marco-germany.at.webry.info/200709/article_35.html
借りてきた本にはその年代(882-902年)がスッポリ抜け落ちています。
これはいわゆる忖度というやつですかね。研究者としては余計なことを書くと協力してもらえなくなるし、いろいろな不幸が「偶然」続くことになるからかもしれません。別の本にも描写があるようなので、なるべく一次資料に近づけるよう辿ってみます。
投稿: 逆張り投資家 | 2019年4月 7日 (日) 18時20分
今月「目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画 / クライブ・ハミルトン 」を読みました。
"China 2049"に並ぶ日本人として読んでおくべき本でした。二段組で約400ページと内容も充実しておりオーストラリアがどのように中国共産党にやられていったのかが分かります。同様に日本もやられていることを考えると「やりくち」を学ぶことは大切だと思います。これまで疑問に思っていたことの幾つかの謎がこの本で理解できました。以前仕事で一緒になったアメリカでPhDを取得した中国系アメリカ人の考え方が「中国共産党の主張と同じだった」のが「謎」だったんですが、グリーンカードを取得してもなお「中国共産党」の支配下にあるんですね。恐るべしです。久しぶりにマーカーペンでライン引きまくりでした。やはりスパイ法や防衛に関する法律の整備が至急必要です。
中国人は、歪曲された歴史教育で洗脳されています。アヘン戦争に端を発する1800年代半ばから1900年代半ばまでの「恥辱の1世紀」から「国家の偉大なる復興」(中国の夢)を目指す事を子供の頃から叩き込みます。結果「中国=中国共産党」という認識になります。恐ろしい事に凄い数の中国人が海外へ移民していますが、「中国への忠誠」が要求されます。これに従えば、大きなメリットがありますし、従わないと中国国内にいる家族や親戚に報復が及ぶという事実があるようです。共産党の要求があれば、国家機密や産業機密を流出させなければいけません。ファーウェイが危険なのはそういう背景があるからなんです。長野での中国人の動員もその流れで「普通」に行われます。「洗脳」ベースなので、海外で共産党に批判的なものがあった場合、全力で(別に支持がなくとも)戦います。
アマゾンのレビューを元に内容を追加すると・・・
「驚愕の一語に尽きるのは、ここまでオーストリアという国が中国に浸透されていたのか?ということ。特に驚いたのが中国共産党の「代理人」による政治資金を通じてのオーストリアの政治の操作です。オーストリアの政治資金規正法が詳しく説明されていないのですが、中国系企業や帰化もしくはresident permitを持った中国系の移民が政党(与野党双方)への多額の政治献金を通じてオーストラリアの対外政策を中国共産党(CCP)の方針に沿った方向へと誘導しようとする実態が詳しく語られていきます。政治家や政党の指導層は中国への接待旅行や様々な利益供与の仕組みを通じてCCPにもはや首根っこを押さえられているのです。ふつうは外国人による政治資金は禁止されているのですが、もはやオーストラリア人となってしまった「中国系」の企業や個人からの献金は止めようもないのです。
ことは政界だけではありません。中国からの留学生に依存するようになった大学にもacademic freedomなるものはもはや存在しないようです。majorityではないにせよ、無視しがたいminorityとなった中国からの留学生はもはややりたい放題でmulti-culturalismの旗の下で大学運営やカリキュラムの内容に干渉してくるのです。公海の自由にかかわる問題、東シナ海の島をめぐる国境問題、チベット問題、中国の人権問題等の問題に関して学生は中国共産党の公式見解を前面に押し出し、もはや開かれた自由な議論は封じ込められていきます。この背後には、いうまでもなくCCPや在外公館による中国人留学生の組織化そして孔子協会が存在しています。
学生だけではありません。教える側もここ30年の大量の留学生導入の結果、中国系の人物が教授陣に多数存在しており、これらのかなりの部分がCCPや人民解放軍(PLA)がらみの中国軍需企業と密接な関係を結んでいるというのです。オーストラリアでの最先端の科学技術の開発には大学やシンクタンクが関わっており、そこではこれらの人物が中心人物としてオーストラリア政府からの補助金を直接受け取ったり、また開発プロジェクト自体をPLAがらみの中国企業と合弁という形を取ることにより、そこでの開発成果はすべてPLAに流出するというわけです。
つまるところCCPは西側の様々な制度や仕組みを徹底的に悪用しているのです。本書に登場する様々な略語はCCPがオーストラリア浸透のために作り出した様々な中間団体です。あくまでも私的団体との装いを取りながらもこれらの団体を通じてオーストラリアに資金を供給し人材を配置することによりオーストラリアをもはやCCPの意に反した行動がとれない社会へと変貌させているのです。
この種の浸透工作は旧ソ連も活発に展開していたものですが、ここで特異なのは移民による社会のcommanding heightの占拠と巨額の金なのです。これは決して対岸の火事ではありません。おそらく日本も同じ状況に追い込まれているはずです。西側の社会・文化インフラを利用して西側を操作する。これこそ孫子の教えです。」
投稿: Jおじ | 2020年6月21日 (日) 12時32分
Jおじさん、ありがとうございます!
実はその本も気になっていて、ぜひ読もうと思っていたところなのです。ただ最近は分析の仕事が多くなり執筆が滞りがちだったので、購入をためらっていました。Jおじさんのご推薦とあれば必読書も同然なので、とりあえず買ってから考えます(笑)。
しかし思った通り、先進国は完全に「やられている」感じですね。米国だけが何とか抵抗力を残しており、日本は微妙、欧州はまるでダメ。正気なのはロシアとインドぐらいですか。また各国メディアだけでなくネット企業も人間を送り込んで支配下に置いていますから厄介です。私も少し気合を入れて情報発信しようと思います。
投稿: 逆張り投資家 | 2020年6月21日 (日) 19時59分
<a href=https://ndt.su/news/pribory-i-materialy-nerazrushauschego-kontrolya.html>неразрушающие методы контроля материалов и изделий</a> - аналог magnaflux, визуальный контроль
投稿: RobertCeara | 2024年6月16日 (日) 02時17分