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2020年9月 4日 (金)

『それを教えちゃマズイだろ!』第96号 冷戦以来の再ブロック化 (6)隠れトランプ派を考慮すると支持率7%劣後でも再選か

 


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
メルマガ版 『それを教えちゃマズイだろ!』
 
第96号 冷戦以来の再ブロック化 (6)隠れトランプ派を考慮すると支持率7%劣後でも再選か

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                        安間 伸 
                        Shin Amma, CFA
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 


米大統領選は引き続き、民主党のバイデン氏が大幅にリードしていると伝えられています。

しかし私は、かなり高い確率でトランプ大統領が再選すると考えています。

理由は「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」の隠れトランプ派が4年前より急増しているだろうからです。

 

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目次
--------------------------

  1.  最近の選挙は似たシナリオをたどる
  2. 本当に世論調査しているのか。「定番の演出」ではないのか。
  3. EU離脱派やトランプ大統領が3-4ポイント差を逆転できた2016年
  4. BLMで「隠れトランプ派」は4年前より確実に増えた
  5. ポリコレを批判するとクビや退学。リンチにかけられて命の危険もある
  6. 今ならおそらくRCP7-8%差で互角
  7. 「反トランプ」「反ポリコレ」票はそれぞれ岩盤だが…
  8. 実態を反映しない世論調査に意味はあるか

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1. 最近の選挙は似たシナリオを辿る
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近年、大きな選挙とマスメディアの世論調査は似たような推移をたどることが多くなりました。

まずは選挙戦が始まると同時にリベラル側の優勢が伝えられます。

そこから途中追い上げられるものの、最後はまた突き放して出口調査でも勝利間違いなしというものです。

 

しかし開票結果は違っており、反マスメディア・反リベラル・反ポリコレが勝利するのです。

トランプ氏が大逆転勝利した前回の米大統領選も、英国のEU離脱時もそうでした。

日本の選挙でもほぼ、このパターンが定着しています。

 

 


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2. 本当に世論調査しているのか。「定番の演出」ではないのか。
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あまりにも似たパターンで事前予想と違う選挙結果が続くので、

「マスメディアは世論調査などしておらず、シナリオを作って世論を誘導しているのではないか」

と考えたことがあります。

全くの捏造ということもないのでしょうが、多少の「演出」を加えた方が都合が良いのかもしれません。

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1. 選挙戦開始直後、まずは「リベラル派が圧倒的優位!勝利確定!」とぶち上げる。
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  •  味方の士気を高揚させ、敵の戦意を失わせるため
  • 投票先を迷っている人々に対し「あなたも勝ち馬に乗ろう」と誘導するため
  • リベラルに投票しない人は世間知らずで愚かという同調圧力を加えるため

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2. リベラル派の勝利確定を内外に印象付けたら、中盤では「保守が追い上げ」と危機感を煽る。
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  • 引き続き、興味を失うことなく記事を読んでもらうため
  • 気を緩めずリベラル派に選挙に行ってもらうため
  • 調査結果と選挙結果があまりにも違うと信用を失うので、ここで「現実に寄せて」支持率を調整するため

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3. 選挙直前の調査と出口調査の結果により「やはり、リベラルの勝利だ」と喜ぶ。
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  • 隠れトランプや保守派はそれを口外すれば何をされるかわからないから出口調査を避けて帰る
  • リベラルやポリコレ連中を特に嫌悪している人々は、落胆を倍加させるためにわざと逆の投票先を答える

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4. ところが選挙で負けると、リベラル派はパニックに陥る
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  • 世論調査しても「反リベラル・反ポリコレ」の人々はまともに答えない。
  • またマスメディアもその存在を認めようとしない。だから何度でも見誤る
  • しかし世論を誘導して勝たせることができなかった責任を「上」から問われるので、何らかの弁解をしなくてはならない
  • また視聴者が世論調査の正確性を疑わぬよう、それっぽい理由付けが必要になる

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5. その後は責任のなすり合いと選挙やり直し工作
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  • 「愚民どもがポピュリストに騙されたから予測が外れたのだ」と有権者をバカにする
  • 「こんなことは誰にも予測不能だった」と、予測を当てた人々の存在を無視する
  • 「他のマスメディアが相手を応援したからだ」と内ゲバを始める
  • 「トランプとヒラリーは最初から接戦だった」と忘れたころに何度も繰り返し、記憶の書き換えを狙う
  •  なぜかリベラルが負けた時だけ「面白がって投票してしまった。今は反省している。選挙をやり直して欲しい」という有権者が次々に取材を受ける
  • 選挙結果に文句を言って暴れたり訴えたりするのはいつもリベラル。他の人はどんな結果でも受け入れることが多い。

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3. EU離脱派やトランプ大統領が3-4ポイント差を逆転できた2016年
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2016年6月の英国EU離脱(ブリグジット)投票では、直前および当日の調査で残留派が離脱派を4ポイント上回っていました。

それぞれ44%対40%、52%対48%です。

ところが実際の投票では、ほぼ逆の52%対48%で離脱が決まりました。

EU referendum: Remain lead at four
https://yougov.co.uk/topics/politics/articles-reports/2016/05/18/eu-referendum-remain-lead-four

Eurefmay17

YouGov on the day poll: Remain 52%, Leave 48%
https://yougov.co.uk/topics/politics/articles-reports/2016/06/23/yougov-day-poll

Brexit
EU referendum results
The leave camp has won the day by 1,269,501 votes
51.9% LEAVE
48.1% REMAIN
https://ig.ft.com/sites/elections/2016/uk/eu-referendum/#

Eureferendom2016

 

2016年11月の米大統領選では、ヒラリークリントン氏が勝つと思われていました。

RealClearPolitics(以下RCP)によると46.8対43.5で3.2ポイント、FiveThirtyEightでは48.5対44.9で3.6ポイント優勢だったようです。

選挙人の前段階であるPopular voteベースでそれぐらい差があったので、選挙人ベースでは7割確保すると思われていました。

https://www.realclearpolitics.com/epolls/2016/president/us/general_election_trump_vs_clinton-5491.html

https://projects.fivethirtyeight.com/2016-election-forecast/

Rcp2016

538_2016

 

しかし実際の投票ではPopular voteで48.1対46.6。

クリントン氏のほうが票を集めたことは確かなのですが、差が1.5%まで縮小したことになります。

そしてトランプ氏はスイングステートの大半を獲得したことにより、選挙人ベースでは304対227で逆転。

見事に大統領となりました。

つまり当時の状況でも3-4ポイントの差をひっくり返したということです。

 

 


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4. BLMで「隠れトランプ派」は4年前より確実に増えた
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実はその現象、日本のネット民が相当な「先駆者」でした。

なぜなら2009年に民主党政権が成立する前から、マスメディアやリベラル派が自民党支持者を馬鹿にして嫌がらせをする動きが激化したからです。

実社会で自民党支持と言えなくなった人々は、黙ることにしました。

代わりに民主党の敵になる勢力に投票し続けると決心したのです。

そのうち「出口調査は民主党」と呼びかけて、リベラル派をぬか喜びさせる遊びが流行しました。

少なくとも10年以上前から「隠れ自民」「隠れ安倍・麻生」「隠れアンチ民主」勢力が存在したのです。

おかげで世論調査と選挙結果が全く違う結果になることが恒常化し、「本当に調査しているのか?」と世論調査そのものを疑われるようになったのです。

 

そして4年前の2016年にも同じことが起こりました。

EU残留派や米民主党は、自分に投票しない人々を馬鹿にして腐しました。

「低学歴・低知能の無職レイシスト」

「つまらない人生の不満を外国人にぶつけている差別主義者」

「そんな奴らには何をしても良い」

というロジックで反対派に暴力を振るいました。

そんなことをやっても、お仲間であるマスメディアが隠して擁護するためさらなる怒りを買いました。

実害を受けた保守派や無党派層は、リベラルに殴られるのを防ぐために黙りました。

その代わり、EU離脱やトランプ大統領に投票したのです。

保守派はもちろん、いわゆる無党派層まで「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」となって世界を変え始めた年でした。

 

 


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5. ポリコレを批判するとクビや退学。リンチにかけられて命の危険もある
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それから4年経って、「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」の人々は減ったのでしょうか?

いいえ。彼らがいっそう暴力化・狂信化するにしたがってますます増殖しています。

 

日本の場合、「反戦」「反差別」を旗印に入れ墨をして暴れ回る人々がいました。

それをマスメディアがヒーローとして扱うものだから、ますます反感を買いました。

彼らが逮捕されても、マスメディアやリベラルは知らぬふりをして「悪いのは差別主義者」と言い張りました。

それを知っている人は「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」から動きませんし、新たに知った人は騙された恨みとともにアンチになります。

年を経るにつれてサイレントマジョリティは「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」で固められて行ったのです。

 

米国はその動きが日本よりも遅かった代わりに、劇的だった気がします。

すでに4年前、トランプ支持と言った女子学生が殴られていました。

トランプ大統領の当選直後、西海岸の名門大学で放火されました。

トランプ大統領を認めない「一般の有権者」が集まり、暴れたり放火したあと、なぜかチャーターバスで一斉に帰って行きました。

 

今年になってからも、人種差別を口実にした暴動・放火・略奪が相次ぎました。

「すべての命が大事 (All Lives Matter)」と言った女性は射殺されました。

「人種に関わらず平等に扱う」と言った教授はクビになりました。

その運動に賛同しない企業やスポーツ選手・芸能人はリンチされました。

日本よりもはるかに強烈な同調圧力で、「反対する者はブッ〇す」と言っているのです。

 

このような状況では「法と秩序」を重視するトランプ大統領を支持するとは言えないでしょう。

ポリコレを批判すると簡単にクビや退学となり、リンチにかけられて命の危険もあるからです。

その代わり、強烈なアンチが発生します。

自分の口を塞がれる代わりに、正論を主張する人にすべてを託そうとするのです。

それがトランプ大統領であり、ペンス副大統領です。

 

 


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6. 今ならおそらくRCP7-8%差で互角
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確実に増えたであろう「隠れトランプ」を推計しようとする人々も居ます。

2016年にトランプ大統領の誕生を予測したトラファルガー・グループは「あなたの隣人の大半はトランプ支持か」という問いを追加しました。

表立ってトランプ支持を打ち出せない人も、これには本心をある程度示すようです。

4年前でさえ実際の選挙結果と最大7ポイント違っていたそうです。

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「隠れトランプ」増えている 世論調査の精度、依然課題―米専門家
2020年08月03日18時00分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020080200186

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投票日まで残り3カ月となった米大統領選の世論調査で、共和党のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領にリードを許している。ただ、トランプ氏は4年前もクリントン元国務長官に支持率で終始劣りながら勝利した。米社会の分断が深まる今回、調査に正直に答えない「隠れトランプ支持者」がむしろ増えているとして、精度を疑問視する専門家もいる。

トラファルガー・グループ(ジョージア州)は2016年の前回大統領選で激戦州ミシガンなどの結果を言い当て、トランプ氏勝利を予測した数少ない世論調査会社。ロバート・カヘリー上級調査員は取材に対し「トランプ支持でも、そうとは言いにくい空気が4年前より強い」と指摘する。

カヘリー氏によると、電話など人対人の世論調査では、社会的に望ましいとみられる回答に反する場合、対象者がうそをつくことがある。4年前、同社は「あなたはトランプ支持か」という質問に加え、「あなたの隣人の大半はトランプ支持か」を尋ねた。後者が本心を聞き出すための質問で、より実態を捉える効果があったという。

1日現在、各種調査の平均でバイデン氏の支持率はトランプ氏を7ポイント上回るが、同社の調査では、五分かトランプ氏やや有利の展開という。カヘリー氏は「人々がバイデン氏の楽勝を信じ、結果が異なれば、選挙の公正さを疑われかねない」と語り、精度向上の必要性を訴える。

隠れトランプ支持者の存在をめぐっては論争がある。4年前、激戦州の直前世論調査の平均は、実際の選挙結果と最大7ポイント違っていた。米世論調査協会は半年後の17年5月、「なぜ間違ったのか」を検証する報告書を公表。態度未定の有権者の多くが最終盤でトランプ氏に流れたことなどを理由に挙げたが、「隠れ支持者」の存在は「証拠がない」として認めなかった。 (略)
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また最近の調査でも、隠れトランプ支持者は本心を明かさないという調査結果が出ています。

本心を明かさないと回答したのは民主党支持者が5.4%だったのに対し、共和党支持者は11.7%にもなった模様。

単純計算で6%以上の差があるわけです。

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「隠れトランプ支持者」は存在、本心明かさない傾向-調査が示唆
2020年8月29日 3:47 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-28/QFRQHQT1UM1H01?srnd=cojp-v2

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米大統領選の電話調査に本心隠す共和党支持者の比率、民主党の2倍
「現在のリベラルな観点から外れる意見を表明するのは危険」が理由

今年の米大統領選挙の支持候補をたずねる電話調査に対し、共和党や独立系の支持者は民主党支持者に比べて本心を明かさない割合が2倍に上ったことが、新たなオンライン調査で明らかになった。世論調査が示すトランプ大統領の支持率は、実際に比べて低めに出ている可能性がありそうだ。

インターネットを活用した市場調査やデータ収集を行う米企業クラウドリサーチの調査によると、電話調査で本心を明かさないと回答したのは民主党支持者が5.4%だったのに対し、共和党支持者は11.7%前後、独立系の支持者は10.5%に上った。理由に挙げられた中には、「現在のリベラルな観点から外れる意見を表明するのは危険」などがあったと、同社の共同最高経営責任者(CEO)で調査責任者のリーブ・リトマン氏が語った。(略)
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これがどの程度、実際の投票行動になるかは不明です。

しかしおそらく、上記の調査以上に隠れトランプ派は増えているでしょう。

なぜなら用心深い人は「あなたの隣人は…」などと遠回しに聞かれても本心を明かさないですし、本心を明かさないことすら隠すからです。

日本でもXX新聞の世論調査が来たら、ガチャ切りしたり無視する人が多いでしょう。

本当に嫌いな者に対しては、いかなる情報も与えたくないのです。

したがって根拠薄弱ですが、RCPで7-8%差ぐらいならバイデン氏とトランプ大統領は互角と考えます。

 

 

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7. 「反トランプ」「反ポリコレ」票はそれぞれ岩盤だが…
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おそらく「反トランプ」「反ポリコレ」票はそれぞれ岩盤で、今後何が起ころうが変わることはないと思います。

しかしポリコレ・リベラル側が暴力で言論弾圧をしている限り、無党派層やノンポリがどんどんアンチになって行きます。

だからいかにバイデン氏が世論調査でリードしていようと、蓋を開けてみればトランプ大統領の再選というシナリオを捨て切れません。

ある英ブックメーカー(賭け業者)の参加者たちは、トランプ大統領が勝利すると考えているようです。

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トランプ氏がバイデン氏上回る、賭け業者の予想オッズで
2020年9月2日 / 22:42
https://jp.reuters.com/article/usa-election-bets-idJPKBN25T23X

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英ブックメーカー(賭け業者)ベットフェアによる米大統領選の勝利者予想で、現職のトランプ大統領が2日、対立候補のバイデン前副大統領を上回った。

ベットフェアの広報担当者は「8月はトランプ氏の再選オッズが史上最悪の状態で、バイデン氏に敗北する可能性が高まっていた」と指摘。ここにきてトランプ氏の勝利確率が劇的に持ち直していると述べた。

ロイター/イプソスの世論調査によると、各候補の支持率はトランプ氏が40%、バイデン氏は47%で、バイデン氏が7%ポイントリードしている。(略)
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民主党の首長たちは、トランプ大統領が暴動・放火・略奪を鎮圧するために軍の出動を仄めかしたことに反対しました。

警察解体に賛同し、ならず者たちが中枢を占領することを許しました。

おかげで民主党を主張とする地域では治安が大幅に悪化しています。

バイデン氏はそれをトランプ大統領のせいにしていますが、どう考えても治安維持を放棄した米民主党のせいです。

実害を食らった人々は、次々と「隠れトランプ」に転向して行くでしょう。

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米NY市、発砲事件2.6倍に
8月、コロナ拡大で社会不安か
2020/9/3 10:39 (JST)9/3 10:50 (JST)updated
https://rd.kyodo-d.info/np/2020090301000883?c=39546741839462401

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米ニューヨーク市警は2日、市内の8月の発砲事件が前年同月と比べ約2.6倍の242件、殺人事件が47%増の53件に達したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大による社会不安や経済状況の悪化、警官の暴力的な取り締まりへの抗議活動に伴う治安悪化が背景にあるとみられる。

ニューヨーク・タイムズ紙電子版によると、こうした傾向は全米各地でみられるという。

今年に入ってから8カ月間では、発砲事件が前年同期比87%増の1014件、殺人事件が34%増の291件だった。(略)
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このように考えたことが、支持率が14%開いた6月時点でもトランプ大統領の再選を予想した根拠です。

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2020年06月13日11:20
【週末だけのグローバル投資】米国、本気の中国共産党潰し (3)支持率14P劣勢でもトランプ大統領の再選を予想
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51269453.html

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8. 実態を反映しない世論調査に意味はあるか
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いずれにしても「マスメディアが行う世論調査にどんな意味があるのか」という問いかけは続くでしょう。

なぜなら「反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ」の人々はテレビを見ないし、調査も信用しないし、本心を語らないからです。

テレビを良く見る人々を喜ばすために支持率を操作しても、どうぞご自由にとしか思いません。

どうせ選挙になればこちらが勝つし、ぬか喜びした後に悔しがる連中の顔を見るのは楽しいからです。

「それでいいのか?」と自省して態度を改める人が出て来ない限り、この状況は続くのでしょう。

 

(続く)

 

 

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2020年9月 1日 (火)

冷戦以来の再ブロック化 (5)安倍首相辞任!「シンゾーロス」で波乱必至の国際情勢

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安倍首相の辞任に際し、これまでの国内・国際情勢を振り返ってみました。

米中戦争のさなかに安倍首相を失うことは、米英などの海洋国家連合(ブルーチーム)にとっては大きな痛手です。

この隙につけ込もうと狙っている人々もいるはずで、大きな波乱がありそうな予感がしています。


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目次
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  1. 安倍首相の復帰で「日本が首の皮一枚で生き残った」2012年
  2. 世界的な反マスメディア・反リベラル・反ポリコレ潮流の先駆けとなる
  3. 異次元緩和は良かったが二度の消費増税で台無し。構造改革は手つかずでピンハネ構造を強化
  4. 安倍政権そのものは中道左派のグローバリスト。それでも「代わりが居ない」強みで長期政権に
  5. 外交では親米を強めたが、後半の権力基盤は親中派に頼る
  6. 今のところ後継者は菅(すが)氏が有力と言われているが
  7. 米中戦争のさなかに「つなぎの首相」「中国への接近」は許されない
  8. トランプ米大統領は「シンゾーロス」を乗り越えて再選へ向かう

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1. 安倍首相の復帰で「日本が首の皮一枚で生き残った」2012年
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安倍首相が体調悪化により、辞任を発表しました。

まずは「お疲れ様でした」と、その努力と功績に最大限の感謝をしたいと思います。

通算在職日数および連続在職日数はともに日本の首相として歴代最長

潰瘍性大腸炎と戦いながら、「この人いつ休んでいるんだろう」と思うほどの働きぶりが印象に残っています。

 

思えば8年前の2012年9月、安倍首相は自民党総裁選の決戦投票で逆転勝利を収めました。

重鎮たちの慎重論を押し切った決断力と、サポートする議員たちの団結は見事でした。

ネット世論も少しだけ力になったのかもしれません。

そのとき私は「日本が首の皮一枚で生き残った」感じがしたものです。

 

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2. 世界的な反マスメディア・反リベラル・反ポリコレの先駆けとなる
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あの総裁選で安倍さんが勝っていなければ、世界はまったく違ったものになっていたでしょう。

毎年首相が変わり、どの国からも相手にされない状態が続いていたかもしれません。

中国べったりの政策を続け、今の韓国のようになっていたかもしれません。

英国のEU離脱や、トランプ大統領の誕生もなかったかもしれません。

セキュリティダイヤモンド構想(インド太平洋構想)は立ち消えとなり、米国がそれに乗っかることもなかったかもしれません。

安倍首相の再登場は、大げさでなく世界のターニングポイントだったと私は考えます。

 

なぜならば「行き過ぎたグローバリゼーション」や「マスメディア・自称リベラルの誘導工作」に対する人々の怒りが頂点に達していたからです。

「あいつら何かおかしいぞ」という感覚が大衆にも共有され、フェイクニュースに騙される人が減ってきました。

深層で勢いを増していた潮流が表面化し、ついに政治の世界にまで及んできたと感じました。

私はそう思って「これは長期政権になる」と、ある人に話しました。

その人は「自民党の重鎮たちが一斉に引退したので長期政権になる」と、別の理由から同じ結論に達していたことを覚えています。

しかしその時点では、まさか難病を抱える安倍首相が歴代在職記録を塗り替えることになるとは思っていませんでした。

 

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3. 異次元緩和は良かったが二度の消費増税で台無し。構造改革は手つかずでピンハネ構造を強化
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内政としては、デフレ脱却を目指して異次元緩和を実行したところまでは素晴らしいと思いました。

「この人、遠い将来に一万円札の肖像になってるんじゃないか」

と思いました。

しかしそれは二度の消費増税によって台無しとなりました。

アベノミクスは結局、

「大規模な債務の貨幣化(異次元緩和) × 公的資金による株の買い支え」

に終わりました。

デフレ脱却の目標にも遠く及んでいません。

 

アベノミクスとは本来「金融や財政の健全性を犠牲にして時間を稼ぎ、その間に産業を強化する戦略」だったと思います。

しかしそれ以外の改革は掛け声だけで、日本経済のピンハネ構造が強化されただけでした。

そして二度の消費増税によって「時間稼ぎ」は終わり、ここからは徐々にツケを支払う段階に入ります。

ただし米国経済が好調なうちは、それらの問題は覆い隠されるでしょう。

 

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4. 安倍政権そのものは中道左派のグローバリスト。それでも「代わりが居ない」強みで長期政権に
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安倍政権の誕生は、世界が「反グローバリゼーション」「反メディア・反リベラル・反ポリコレ」へと向かい始めるきっかけとなりました。

しかし安倍政権そのものは中道左派のグローバリストであり、真正保守や親米海洋派から見ると危ういものでした。

日本国民よりも外国を優遇し続け、騙されたり脅されたり侮られたりの繰り返しでした。

韓国との間で長年戦ってきた慰安婦問題を認めたかと思えば、新しく作られた徴用工の罠にまんまと嵌められました。

北方領土の解決やロシアとの平和条約は遠のきました。

尖閣を奪われようとしているのに、習近平主席を国賓で招こうとしていました。

国会で多数派を占めながら、改憲を本気でやることもありませんでした。

失望して支援をやめる人も少なくありませんでした。

 

私もさんざん批判しました。

ただしその根底には、かなり厳しく批判しても安倍首相が政権を降りることはないという安心感がありました。

実際「モリカケ桜」などでマスメディアに叩かれても、ほとんどの選挙で自民党が勝利を収めました。

安倍政権が民主党みたいなことをするから支持が落ちるのであって、民主党政権に戻って欲しいと思っているわけではありません。

おそらくそのように考える人が多かったのではないでしょうか。

 

野党は選挙をやるたびに負けるので、「解散しろ」とは言わなくなりました。

代わりに「安倍ヤメロ」「安倍政治を許さない!」など、意味も理由も不明な人格攻撃を繰り返しました。

野党への政権交代は不可能なので、自民党内で都合の良さそうな人物を「次の総理」として祀り上げました。

「安倍総理の後任にふさわしい人は?」などのアンケートを頻繁に行い、「心理的レームダック化」を図りました。

 

上からは「早くやめさせろ」と命令されているのに、できないものだから「仕事しているアピール」をするしかなかったのでしょう。

今回の辞任を受けて「また政権を投げた」と批判している人がいますが、在職日数記録を更新した後に何を言っているのかと思います。

先発ピッチャーが完封目前にケガで交代するときに「俺が引きずり降ろしてやったんだぜ」と粋がるような滑稽さです。

 

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5. 外交では親米を強めたが、後半の権力基盤は親中派に頼る
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安倍首相の特筆すべき点は、外交で世界をリードしたことでしょう。

遅れてきた「反グローバリゼーション・反ポリコレ」のトランプ大統領を助け、日米同盟を強固なものにしました。

EUを離脱した英国にも手を差し伸べ、米英日で最強のブルーチームを構成しています。

そこから派生した「ファイブアイズへの参加」「敵基地攻撃への言及」も歴史的と思います。

 

しかしその反面、時が経つに連れて脇を固める人物に「親中派」が増えて行った印象があります。

安倍首相を外交の表舞台で活躍させているうちに、裏の権力を固めて思い通りに動かす手口は「さすが」というべきか。

権力基盤をそれらの人々に頼っていたとすれば、真正保守や親米海洋派が望むような政策を進めるにも限度があったのかもしれません。

 

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6. 今のところ後継者は菅(すが)氏が有力と言われているが
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次の首相候補としては、今のところ菅義偉(すがよしひで)官房長官が有力とされています。

マスメディアが何年も推し続けた人物は、推薦人を集めるのも苦労していることでしょう。

ただし私のイメージだと、現在のスタッフが変わらないまま安倍首相から菅氏に交代するなら外交的には「中国寄りへの変化」です。

これは菅氏が悪いわけではなく「首相という役職を取り巻く日本の権力構造が現状そうなっている」からです。

官僚の入れ替えも来年7月でしょうから、すぐ変わりそうにはありません。

 

菅氏は補佐役としては十分すぎるほどの人物です。

それでもトランプ大統領・習近平国家主席・プーチン大統領などと会談している姿はまだ思い浮かびません。

もちろんこれは私個人のイメージであり、「立場が人を作る」ことはよくあるので、これからその印象は変わってくるのかもしれません。

 

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7. 米中戦争のさなかに「つなぎの首相」「中国への接近」は許されない
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しかし、もし自民党が「とりあえず菅氏にしておいてから後のことを考える」と思っているのであれば危険だと私は思います。

中国にしてみれば、首相官邸に親中派が多く残っている間に米国と離間させ日本をレッドチーム側に引き込みたいはず。

今までのように尖閣諸島や沖ノ鳥島を侵略しながら、習近平氏を国賓として招かせようとするでしょう。

その目的はもちろん天皇陛下訪中であり、六四天安門事件後と同じように中国包囲網を突破することです。

 

米国から見れば、米中戦争のさなかに「つなぎの首相」を立てて中国に接近することは十分に「反米的な行為」です。

つまり菅氏が首相になったとすれば、すぐに閣僚人事などで「親米」であることを示さなければならないのです。

もしそれができなかった場合、何らかの形で警告や制裁が行われるでしょう。

「1年間のつなぎ」のつもりが、ずっと短命に終わる可能性もあります。

米国が覇権を維持するためには日本が不可欠です。

だからこそ、戦時中の裏切り行為を彼らは許さないのです。

 

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8. トランプ大統領は「シンゾーロス」を乗り越えて再選へ向かう
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さて、安倍首相の辞任に最もショックを受けたのはトランプ大統領ではないでしょうか。

リベラルが多いG7首脳たちの中で、真っ先にトランプ大統領を受け入れたのは安倍首相でした。

グローバリストとナショナリストの違いはあっても、ともにフェイクニュースと戦い続けた仲間でした。

後からそこに英国のボリス・ジョンソン氏が加わって、最強の海洋国家連合を作り上げる途中でした。

おそらく安倍首相の辞任を聞いても信じることができず、しばらく反応できなかったに違いありません。

安倍首相を失った「シンゾーロス」の傷は、かなり大きいのではないかと思います。

 

それでも、トランプ大統領は再選に向けて前進しなくてはなりません。

リアル・クリアー・ポリティクス(RCP)によると、トランプ大統領の支持率は43.4ポイント。

米民主党バイデン氏49.6ポイントに対し、6.2%の遅れを取っています。
https://www.realclearpolitics.com/epolls/2020/president/us/general_election_trump_vs_biden-6247.html

しかしこの程度の差にまで縮小したのであれば、トランプ大統領が再選すると考えて大丈夫でしょう。

なぜなら「隠れトランプ派」は4年前からさらに急増した可能性が高いからです。

 

Rcp20200901

(続く)

 

 

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