2009年11月12日 (木)

[超絶バブル] 新興国ニフティ相場へ

 

新興国バブルの条件が揃ってしまいました。。。

 

「今年も充分バブルだろ!」とツッコミが入りそうですが、
ここから先の超絶バブルはそんなもんじゃありません。

先進国の似たような銘柄に対し、ある新興国では3-10倍の割高さで取引されるような狂ったバブルのことです。

今は「新興国」と言うだけで買われていますが、そのうちピカピカの50銘柄ぐらいに絞られ、さらに30銘柄→10銘柄→5銘柄へと狭められてゆくでしょう。


名づけて、「新興国ニフティ相場

まだ誰も言い出してないようなので、勝手に命名しました(笑)。


この背景には先進国が軒並み低成長であること、
金融緩和を続けざるを得ないことなどがあります。

すると投資家は数少ない「成長ストーリー」に殺到することになります。

かつてのアメリカのニフティ・フィフティ(素敵な50銘柄)相場やITバブルのように、一部の銘柄だけに投資が集中してしまうのです。

新興国ニフティ銘柄はバリューもへったくれもない価格までブチ上がります。

逆に、他の銘柄はゴミクズのように打ち捨てられます(笑)。

本当にそうなるのか、まだ半信半疑です。
しかし条件としては揃いすぎて怖いぐらいです。


  • 「何を根拠にそんなことを言い出したのか」
  • 「どんな銘柄を狙えば良いのか」
  • 「どんなサインに気をつけて、いつ降りれば良いのか」

については、いまのところ顧客やレポート会員さんにしか提示していません。

しかしこれは面白いバブルになりそうなので、折に触れてブログやメルマガで経過を報告しようと考えています。

(終)




具体的な銘柄・根底の考え方・ド天井のサインなどは今のところレポート会員さんにだけ提示しています。Deep Inside 2009年11月号をお読みください。有料です(月々2480円)。

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2009年9月23日 (水)

基軸通貨の本質(1)

うら若き源静香は苦悩していた。

ジャイアンが発行する通貨「ジャイ」をこれ以上持つべきか、についてである。

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なるほど、ジャイアンは無敵だ。

しかしだからといってジャイアンが無制限にジャイを発行し、そのカネで贅沢をすることが許されるのであろうか?

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通貨ジャイはただの木の葉である。

しかしその価値をジャイアンが保証しているため、その信用はジャイアンの信用やメンツと同義であった。

オモチャの交換は、すべて「ジャイ」を単位に交換された。ジャイがあれば広場の使用権を買うこともできた。争いや恨みも、最終的にはジャイの交換でたいがい解決した。

究極は「義務の免除」である。一定額のジャイを支払えば、ジャイアンリサイタルを聞く「町民の義務」を免れることができた。

だからみんな、争ってジャイを求めた。

ある者は快楽を追い求めるために、
ある者は苦痛から逃れるために。

****************************
通貨ジャイはジャイアンの権威であり、ジャイアンそのものであった。その価値を貶める者は、ジャイアンの覇権を否定することと同義であった。

布施院(フセイン)くんは「ジャイを使うのをやめる」と言ったため、いいがかりをつけられてタコ殴りにされた。

「ジャイ」の偽造などもってのほかで、「ただの木の葉じゃねえか」と偽造していたジョン君は、ジャイ決済を止められて交換に参加できなくなった。この町内では最上級の経済制裁である。

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しかし、それらがたとえ理不尽で自分勝手な暴力であっても、シズカのような人間にとってはありがたい話であった。

なぜならこの町の子供はジャイアンが打ち立てた秩序によって暮らしているので、ジャイを使って経済活動をしている限りジャイアンがその価値を守ってくれるからである。

シズカは誰にも負けない技術と優しい心を持っていた。誰かに編み物をしてあげたり、料理をご馳走したり、オモチャをあげて、それで満足であった。

しかし中には、シズカを利用するだけ利用して何の感謝もしない人間がいる。

そんなときにはサービスと引き換えにジャイをもらうことにすれば、それを払わない相手はお断りすることができた。またジャイを蓄えて別の場所で別の人から「お返し」をしてもらうことができた。

シズカがジャイを使うとき、受け取りを拒否すればジャイアンがすっ飛んできてさんざんな目に会わせる。

他人に騙されたり、脅されたりして泣き寝入りしたくなければ、ジャイを通じた交換が最も安全・確実なのだ。

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シズカも正直、ジャイアンは恐い。

しかしそれは他のみんなにとっても同じだ。

だからジャイを交換通貨として使うことは、ジャイアンを除いたみんなにとってきわめて「平等」なシステムなのだ。

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ジャイアンはジャイの価値を守るために暴力を振るっているが、それは結果的に過去に生み出した価値を守ることになっている。

過去に何らかの「貢献」をした者が別の場所で、別の者から見返りを受けるとき、そこにジャイアンがいなくてもその暴力によって守られていることを示していた。

本人は気付いていないかもしれないが、彼は全知全能を傾けて「あらゆる交換の場において信用補完をして」くれているのだ。

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しかしこの町内には、それが面白くない人々もいるらしい。

たとえばスネ夫は、
「ジャイ以外の決済通貨が必要だ!」
と息巻いていた。

2008年に町内が金融危機に陥り、みんなが決済用のジャイを求めて血眼になっていたとき、ジャイアンはみんなと「ジャイスワップ協定」を結んで資金不足にならないように配慮した。

信用が足りない人にもそれを補完してあげていた最中にスネ夫がそんなことを言い出すので、シズカは驚いた。

  何と恩知らずな!

ジャイアンがヘソを曲げて「じゃあ、おまえとはスワップ協定を結ばない」と言い放ったら、スネ夫のところだけ銀行がバタバタ倒産していたのかもしれないのだ。

ジャイアンはああ見えてバカではないから、スネ夫を締め上げる代償として金融危機を深刻化させることはなかった。それにしてもスネ夫は政治的なアピールのために、ずいぶん危ない橋を渡ろうとしたものである。

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2008年の教訓は
「少なくも今のところ、ジャイに代わる基軸通貨はない」
ということであった。

ジャイアンも傷ついたが、他の人はそれ以上にボロボロになったので、結果的にジャイアンの強さを証明しただけの年であったとシズカは考えている。

しかしそれがわからない人々は、
「ジャイは基軸通貨としてふさわしくない!」
という宣伝を真に受けているようだ。

たとえばのび太は、スネ夫たちと一緒に共同体を作り、
ジャイに代わる基軸通貨を作ろうとしているらしい。

   何と愚かな!

のび太の発行する通貨ノビーもそれなりに信用があるのに、それを離脱して信用の低い通貨と一緒になろうとする意味がシズカにはわからない。

基軸通貨の争いは、すなわち覇権争いである。

ジャイを捨てて自分を裏切ったのび太をジャイアンが守ると思えない。のび太がスネ夫に騙されてカネを巻き上げられても、それはスネ夫との間で解決するしかない。

武力を持たず悪知恵もないのび太がそれでやっていけるのか?のび太は稼ぐ以上に食い物にされ、反撃できないまま沈んで行くだろう。

「心底ドMなのね、のび太君は」

と、シズカは思うしかない。

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だからシズカは、このままジャイを使い続けたいと思っている。

それが暴力を持たない人間の処世術であり、町内の安定のためと思うからだ。

ジャイアンの覇権が永続的ではないとしても、それが誰の目にも明らかになるまでは「反ジャイアン派」の宣伝に乗らないようにしよう。

そもそも彼らだって、「ジャイ」を外貨準備として積み上げているのだ

ジャイを貯め込んで信用を補完しなければならない通貨が、代わりの基軸通貨になるはずかない。

彼らがジャイを準備しなくても他の人々がその通貨を受け取るようであれば、もしかしたら可能性があるかもしれないが。

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それにしても、と、シズカは溜息をついた。

最近のジャイアンは浪費癖がついてしまったように思える。

基軸通貨が「成長通貨」をばら撒かなければならないとしても、あまりにひどいジャイの濫発はその信用をなくすことにつながるであろう。

それはシズカにとって「過去に稼いだ資産が目減りする」ことであり、ジャイアンにとっては「覇権の弱体化」になる。

なんとか共倒れを食い止められないか、とシズカは悩むのであった。

(続く)

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2008年11月11日 (火)

来週からもっと荒れそうです(会員メール2008/11/11)

異例ですが、会員以外のみなさんはどう考えているのか知りたくて最新の会員向けメールを公開します。

中国の57兆円景気刺激策って、みんな信じているんだろうか?

本当にやったら中国国内は強力なインフレ圧力が発生。人民元の切り下げ圧力上昇。そして外貨準備を取り崩すなら米債などが暴落(=金利が急騰)しますよね。

フィードバックいただけると幸いです。

 

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来週からもっと荒れそうです(会員メール2008/11/11)
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中国が57兆円の緊急経済対策を発表しました。
内容は農村の基盤整備や鉄道・高速道路の建設、港湾整備などだそうです。

毎日新聞より
http://mainichi.jp/select/world/news/20081110dde001030105000c.html

各国メディアは
「この困難な時期に、中国が世界の主要なプレイヤーであることを印象付けた」
「各国に大きな恩恵に浴するだろう」
「G20の主役は中国だ!」
などと手放しで褒めています。

  • 「ほほう、国家予算80兆円の国がそれを2年間35%も増やすんですかい」
  • 「財源は? 外貨準備から57兆円の米国債やGSE債を売るってか。面白いじゃねえか」
  • 「そんなカネあるならODAやアジア開銀からの借金返せよ」
  • 「日本もIMFにカネ入れずに国内の景気対策に使おうぜ。そうすれば各国が褒めちぎってくれるさ」

などとヤボな突っ込みをするのはやめておきましょう。
本気にしている人が多いほど、のちのち面白いことになりますから。(←悪魔)

実は金額は5兆円程度で、農民の生活がいっこうに楽にならないとしたらどうでしょうねえ。
役人が横領したなんてデマが広がらないといいんですが。

 

では、なぜこんな大風呂敷を広げなければならなかったのか?
ここから読み取れるメッセージは以下の通りです。

  1. 中国は国内に手一杯で、IMFや他国を援助している余裕はありません。
  2. だからパキスタンはIMFに投げました。私に期待せず日本のカネをみんなでしゃぶってください。
  3. 工場が閉鎖されて失業が増え、農民の不満が高まってホントに大変なんです。

私には悲鳴のようなメッセージしか受け取れません。
資金繰りに苦しむ経営者の、でかいホラ話を聞かされているようです。

 

ところで、11月14日からのG20はこの金融危機を乗り切ろうとする話し合いの場になってます。

新興国は
「俺たちがこんな状態になったのは先進国のせい。
G7では問題を解決できないから新興国にも国際会議の発言権をよこせ!」
と言っています。
http://mainichi.jp/life/money/news/20081111ddm008020103000c.html

しかし「その代わりIMFへの出資を増やすから」という提案はまだ聞いていません。
要するに「カネは出さないけど、権力を寄越せ」ということですかな。
G7を国連化することを狙っているようです。

 

では、G7に新興国を加えたG20にすれば話が進むのか?

ひとりの債権者(日本)と債務者(先進国)の話し合いに、多重債務者(新興国)を加えて話が進むわけがありません。ますます混乱するだけでしょう。
日本以外で唯一可能性があった中国がこうやって「俺、カネ出せねえから」と降りてしまったので、かなり揉めるでしょうね。

「誰かが救世主となって、自分を救ってくれるはず」
そう思って参加した国、そして参加しなくても話し合いの結果を期待していた国々はかなりがっかりすることになります。

 

また週明けの17日からは、ファンドの解約・廃業売りも加速するはずです。鼻血が出るような安値を試しに行ってもおかしくありません。

年内はそこがドン底になるといいですねえ。
実体経済は真っ暗ですけど。



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2008年10月14日 (火)

新興国クラッシュ、新ブレイディ債、超クラウディングアウト  (会員メール2008/09/30)

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ワイルドインベスターズ会員向けメールより  2008/09/30 (火) 18:56

新興国クラッシュ、新ブレイディ債、超クラウディングアウト
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[加速する金融収縮と処理]

私は最近、夜中までNY市場を見ています。

短期トレードするわけでもないし、朝になれば結果はわかるはずなのですが、
この仕事を始めて以来の大イベントをこの目で見ようと思っているんです。

まるでワールドカップを生で見ようと、夜更かししているサッカー少年のようです。
あまり生産的だとは思いませんが、何か感じることもありますんで許してください。


さて、昨夜はアメリカ下院で金融安定化法案が否決され、各国の市場は軒並み大幅安となりました。
SP500指数は1106.42(-106.59,-8.79%)、ダウ工業株30種平均は10365.45(-777.68,-6.98%)。
ブラジルも10%近く下げてます。

それに先立ちまして、欧州市場も大きく下げていました。

掲示板等では「次は欧州の金融株」とさんざん指摘してきたわけですが、
実際に起こってみると動きは速かったです。

ベネルクス3国が1兆7千億円相当を投入してフォルティス(FORB BB)を救済したとか、
英ブラッドフォード・アンド・ピングレー(BB/)も国有化されたとか、
ドイツ不動産2位のヒポ・レアルエステート(HRX GY)に5兆3千億円相当を投入するとか、
ここぞとばかりに処理を加速させています。

しかし、なんだか感覚が麻痺してきますね。

ワシントンミューチュアル(WM)が破綻しただとか、
ワコビア(WB)がシティに救済合併されるだとか聞いても、
「ああ、そう」
みたいな感じで特別の感慨もありません。

通常であれば数年ぐらいかけるぐらいの変化を9月に一気にやってしまったようですが、
こういった流れは「恐慌が起こりやすい9-11月」のあいだ続くであろうと予測しています。


[米納税者は生贄を望むか?]

それにしても、まさか米下院がこの法案を否決するとは思っていませんでした。

バーナンキやポールソン、そしてもしかしたらブッシュ大統領も(笑)この法案の重要性は理解しているのでしょう。
特にバーナンキは「ハルマゲドン」という言葉を使って、半ば脅しのように必要性を訴えたそうです。

しかしどうも、納税者の立場としては
「さんざんオイシイ思いをした連中を、どうして税金で救わねばならんのだ?」
という感情的な反発が根強いようです。

確かに、税金を注入される金融機関がどさくさに儲けることがないよう、
役員の給料カットや既存株主へのペナルティなどの整備は必要でしょう。

やみくもに脅したり、成立を急ぎすぎるのは逆効果です。
何よりも救済されるのは金融システムであり、
ひいては国民自身なのだということを理解してもらう必要があります。

あたかも米国民は、ベアスターンズやリーマンに続く生贄を求めているようです。

誰の責任なのかを明確にして、生贄を差し出せという気持ちはわかります。
しかしその生贄が自分自身になるかもしれない可能性について、まだ理解できていないのかもしれません。

それは公的資金を出し渋ったばかりに、
激烈な金融収縮・倒産・失業の嵐でなぎ倒された日本の姿を思い出します。



[新興国はすでにクラッシュ?]

しかしそうは言っても、米国の金融システム自体についてはあまり心配していません。

なぜならこの法案が通らないと米国経済がガタガタになるので、
多少の豪腕を振るっても通してしまうだろうからです。
米銀の大手は、買いのチャンスではないかとまで考えています。

しかし、問題はまだ終わっていません。

たとえば欧州の金融・不動産部門は要注意です。
日本だって、地銀などをはじめ弱っているセクターが散見されます。

そして何度も言ってますが、新興国は資金流出と需要の消失に直面し、
かなり厳しい状態になるでしょう。

実はもう、新興国クラッシュと呼んでも良いような株価の動きと、
調達金利の上昇が見られています。

いくら政府が救済するといっても、世の中すべての投資商品を救うわけには行きません。
必然的に、ヘッジファンドや新興国は「自己責任」ということになるでしょう
借り入れに頼ってそれらに投資をしていた人々は、かなり厳しいことになります。

今の時点では各国の被害状況を以下のように想定しています。
もし処理が遅れたり、失敗するようなことがあれば、
それぞれの状況がひとつづつランクアップする可能性があります。

事態はなお、余談を許さないということです。

[レベルA 風邪で寝込む]  米国・日
[レベルB 入院・療養]   英欧など先進国
[レベルC 重症]      有力新興国
[レベルD 棺桶入り]    泡沫新興国


[新ブレイディ債(仮)]

では、
「じゃあ各国で危ない金融機関を処理して、債務保証しましょうね!」
とやれば、危機は収まるのでしょうか?

たとえすべての国がそうやったとしても、今度は別の問題を引き起こします。
それは「国ごとの信用力が、モロに調達金利に響いてしまう」ということです。

たとえばアメリカ政府に保護された米銀、日本政府に保証された邦銀、
あるいは欧州先進国に国家補償された銀行…。

これらはよほど問題がない限り、低利で調達できるでしょう。
逆に言うとお互いが支障なく資金を貸し借りできるよう、
危ない金融機関を取り除いてしまうことが、金融危機脱却の第一歩です。

このことを意識してか、すでにFRBが9カ国との間に米ドルスワップ協定を結んでいます。

**************************************************
ロイター日本語版より
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-33992020080929

(前略)
通貨スワップ協定の各中銀別の最大供給額は、ECBが2400億ドル、カナダ中銀が300億ドル、英中銀が800億ドル、日銀が1200億ドル、デンマーク中銀が150億ドル、ノルウェー中銀が150億ドル、オーストラリア中銀が300億ドル、スウェーデン中銀が300億ドル、スイス中銀が600億ドル。
**************************************************

これは言うなれば、ドル調達の先進国メジャーリーグです。
「この中だけは、心配なく貸し借りしようぜ」
という仮想ブロック経済ですね。

ロシアや中国などは、ドル覇権を崩そうとしている節があるので、
当然混ぜてもらえないでしょう。
そういった政治的な意図を除外しても、たとえばブラジル・インドあたりも難しいでしょうね。

するとどうなるか?

ジンバブエはジンバブエの銀行債務を保証します。
キューバはキューバの銀行債務を保証します。
北朝鮮は北朝鮮の銀行債務を保証します。
(以下略)

当たり前ですが、各国でこのような努力をしても調達できない国が出てきます。
国自体に信用がないので、保証に意味がないんです。

すると信用力の弱い国から「飛ぶ」ことになり、
貿易していた先進国の企業がとばっちりを受けて、下手すれば破綻の危機です。
そこで、「助けてくださいよお」と自国政府に泣きつくことになります。

先進国の政府にしてみれば、有力企業が破綻するのは損です。
また、他国を支配下に置いておけばなにかと有利だという計算も働きます。
そこでこんなことを言い出すかもしれません。

「しょうがねえなあ。払えないって言うんだから、借金を少し負けてやろうぜ。
その代わり現地の政府債務ってことにしてさ。
俺たちも少しはカネを出すから」

そう、これは80年代の中南米危機のときに米財務長官だったブレイディ氏の発案で発行された
「ブレイディ債」のようなものです。

もちろん、先進国に余裕のない今はこんな話は出ていません。
しかし新興国がクラッシュして世界経済に大きなダメージを与えるようになれば、
こういった話は出てくるでしょう。

与太話で終わるかもしれませんが、ありうる話だと考えています。


[超クラウディングアウト]

そうなればようやく、不況も終わりですかねえ…。

…と思ったのですが、すんなりとは終わらないでしょう。
次にはけっこう強烈なクラウディングアウトが来ると考えています。

クラウディングアウトとは、政府債務が増えすぎてカネを集めてしまい、
民間の投資が減ってしまうことを言います。

**************************************************
金融用語辞典より
クラウディング・アウトとは
http://www.findai.com/yogow/w00422.htm
**************************************************

世界中が政府債務になれば、金利は上昇するでしょう。

たとえば米国金利が10%になってしまえば、
リスクを取って投資やビジネスをやる人は減ります。
その結果、民間の経済活動が鈍ってしまうことは充分に考えられます。

まあこれも、確率は半々ですけどね。
期待インフレをうまく操作することができれば、無事にソフトランディングできるかもしれませんし。

しかしまずは最悪の状況を想定しておいて、そこから楽観的に行動したほうが良い結果が得られるかもしれません。



いろいろ書きすぎてちょっとしたレポート並みになりましたが、
次のDeepInside10月号には妄想エンジン全開の未来予想図を用意しています。

ご期待ください!


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2008年10月13日 (月)

大底か、デッドキャットバウンスか ?? (会員メール2008/09/19)

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ワイルドインベスターズ会員向けメールより  2008/09/19 (金) 19:06

大底か、デッドキャットバウンスか ??
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「速報!新興国クラッシュの可能性あり」の確率がどんどん高まっています!

…と書いた瞬間に株が大反発して、ちょっと困っている逆張り投資家です(笑)。

毎日メールするようなサイトでもないし、それほどマメな性格でもないのですが、
「あいつが言った瞬間に逆に行ったよ。ははは」
と笑われるのも癪なので、今日もストーカーのようにメールさせていただきます。



[金融危機のセオリー]

昨日は米国株が4%以上の大幅反発をしました。
それを受けて日経平均も+3.76%
上海や香港は8-9%以上の大爆騰です。

要因として挙げられているのは以下の3つです。

1. 日米欧6中央銀行によるドル資金供給
2. 米国年金基金がゴールドマン、モルスタの貸し株を停止
3. 米国で整理信託公社(RTC)復活・公的資金注入による金融機関救済案が浮上


1.が発表された直後は、市場からはほぼ無視された形でした。
しかし米国市場の午後に入ってから2.3.の要因で金融株を中心に激しいショートカバーが入りました。


2.、強烈な金融株買戻しの起爆剤になりましたね

GSは25%、モルスタは30%下げていたところから強烈に値を戻しました。
空売りを禁止したり、貸し株を止めたりすることが長期的に良いとは思いませんが、
トップ2の証券会社までどうにかなってしまうことは避けたかったのでしょう。

このさい、どうしてリーマン・メリル・AIGにもそうしてくれなかったのだとか、
GSが危なくなると緊急措置が発動されますよねとか、
財務長官はどこの証券会社出身でしたっけ?
などというヤボは言わないことにします。


3. はかなり抜本的な解決策です。

S&L危機や日本の不良債権問題でやったように、銀行から不良債権を切り離してしまうんです。

これは時間稼ぎに過ぎませんが、金融危機への対策は
「負担を薄く広く撒き散らして、時間を稼くこと」
しかありません。
国民負担にするわけですから反対は強いでしょうが、もうそれしかないんです。

日本が長い時間かかったプロセスをあっという間に処理してしまうあたり、さすがビバ!アメリカです。
「GSの上乗せ金利が6%を超えなかったらこんな話は出なかったでしょ?」
なんてヤボは絶対に言いません。ええ、言いませんとも。

モルスタの上乗せ金利なんて10%を超えてましたからね、
本当にヤバかったんです。

大統領選挙もありますから一筋縄では行かないでしょう。
金額やら制度やら固めなければなりません。
しかし仮にこれが実現するとなればアメリカはやるべきことをほとんどやってしまったことになります。


[大底か、デッドキャットバウンスか]

さて、ではこれが株価の大底につながるでしょうか?

VIXは一時的に40%を超えましたし、目先の底かもしれませんね。

しかし私は楽観していません。
というのもまだ多くの爆弾が残っているからです。

新興国はドル資金を調達できなくなり、中には8%以上の金利を払っているところもあります。
GM・フォードなども、上乗せ金利が全く落ち着いていません。
欧州の銀行だってヤバイ状態にあるはずなのに、ECBは夏に利上げなんかしちゃってます。

特に新興国は

アメリカの需要が減退すると、彼らの売り上げや利益は消滅します。
資金が先進国に引き戻されると、金利高、株安がさらに進みます。
成長への幻想が消えて、パニック売りが出やすくなります。
それはめぐりめぐって、先進国の株にもダメージを与えるでしょう。

ですから今回の反発はしばらく続くにしても、
大底ではなくデッドキャットバウンスになるのではないかと思っています。
死んだ猫が高いところから落とされると跳ね返って、あたかも生きているように見えるということです。

ところでこの言葉を作った人、死んだ猫が高い所から落とされるのを見たことがあるんだろうか?
全然リバウンドしないグロテスクな光景しか思い浮かばないんですが…。


[結局は、アメリカの強さを思い知る]

これら一連の動きを見て

- アメリカの時代は終わり。これからは多極化の時代に。
- ドルは信用できない。基軸通貨が変わる

ということを言っている人がいます。
実は私、それには正反対の意見を持っているんです。

世界経済は今でも、アメリカにおんぶにだっこのところがあります。
新興国はアメリカへの輸出で成長し、黒字を蓄積しています。
昔よりも依存の度合いが薄れただけで、構造が全く変わったわけではないのです。

「ドルは信用できない。わが国は外貨準備があるから安心」と言っても、その中身はほとんど米ドルだったりします(笑)。
リスクが取れなくなった先進国から資金が引け上げられドルが調達できなくなれば、
みんな上乗せ金利を払って泣きながらそれを求めるのです。

これから欧英日あたりも公的資金を投入して金融システムを守るかもしれません。
しかし同時に新興国にも危機が起こった場合、どういった手を打つのか?
私は80年代の「ブレイディ債」が復活してもおかしくないと考えています。

新興国が危機に陥れば、世界は米ドルの、そしてアメリカの偉大さを思い知るでしょう。



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2008年10月12日 (日)

ロシアで株・債券取引停止、再開の時期は不明 (会員メール2008/09/18)

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ワイルドインベスターズ会員向けメールより  2008/09/18 (木) 19:21

ロシアで株・債券取引停止、再開の時期は不明
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ロシア市場がついに売買を停止しました。

9月2日に会員メールでお知らせした、「速報!新興国クラッシュの可能性あり」の確率がどんどん高まっています。


みんな意識していないかもしれませんが、新興国の株や通貨は本質的には「クレジット商品」です。

自分はカネがなくて信用がいまいちなところを
高利回りで納得してもらいながら投資家に資金を出してもらっているわけです。

だから基本的には投資家がビビって手を引いてしまうとおしまいです。
債務超過に近い企業や中小企業の株と同じリスクなので、それらと価格が連動するんです。


さて、今月に入ってファニー・フレディ、リーマン、AIGなどが「処理」されたことにより、
彼らはこれまでのようなヤンチャができなくなってしまいました。

彼らは良くも悪くも世界中のクレジットリスクをブラックホールのように引き受けてくれていたので、
最終的な「クレジットリスクの受け手」がいなくなってしまったということです。

するとこれまでデリバティブなどを利用して「クレジットリスクをヘッジしたつもり」
になっていた人々が、突然リスクを抱えて立ちすくむことになります。

そこで突然、リスク管理の担当者が飛び出てきます。

「あんたさあ、なんでこんなにリスク取っているわけえ?
さっさとヘッジするなり売ってしまいなさいよ!」

しょうがないので、損を覚悟で商品そのものを投げ売りします。
もはやクレジットリスクだけ切り離しても誰も受け取ってくれないので、商品そのものを売るしかないんです。

すると、

1. リスクを抱えられないから投げ売りする、

2. 投げ売りするからリスク(クレジットスプレッドやボラティリティ)が跳ね上がる、

3. ヘッジファンドや投信が大損。解約を食らってさらに下落に拍車がかかる

4. おまけに各商品の相関がブチ上がって、VaR(バリュー・アト・リスク)の上限を軽く超える

1. しょうがないからまた投げ売りする。(以下、ループ)


要するに、10年前に日本が食らったデフレスパイラルが世界的な規模で起こるということですな。

こういうときはクレジットやボラティリティの売り手が死にます。
債務超過企業、中小企業、新興国はかなりつらいことになるでしょう。

反対に、日欧米英あたりの国債が避難所(refuge)となります。

レポートにも書きましたが、この後いつ買い場が到来するかはわかりません。

今は安全なところに避難しておいて、
完全に心電図が止まってから死体をついばみに出て行けば良いと思います。(←悪魔)

そのときが近くなったらお知らせしますね。
大底は当てられないと思いますが、「アホでも儲かる相場」が来るまでガマンしましょうや。

ああっ、次のレポートが待ち遠しい!!!


(このメールは公共性が高いので、時間をおいてブログやメルマガで公開するかもしれません)

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ロイターより

[モスクワ 17日 ロイター] 17日のロシア株式市場は売り注文が殺到し、主要証券取引所のMICEXとRTSは、取引開始後2時間ほどで株式と債券の売買を停止した。取引がいつ再開されるかは、依然不明だ。

 取引が停止された時点では、ドル建てのRTS指数は前営業日終値比72.280ポイント(6.39%)安の1058.840。5月につけた年初来高値の2498.100から約58%低い水準になる。

 ループル建てのMICEX指数は27.24ポイント(3.09%)安の853.93だった。

 ING銀行のロシア調査担当のスタニスラフ・ポノマレンコ氏は「今日の売りの殺到は、パニック的な要素も多分にうかがえる。取引の一時停止は、このパニック的な要素を取り除くことが目的だった」と述べた。

 ロシア株価はここ数カ月下げ続けており、5月以来の下げ幅は約60%に達している。市場関係者は、世界的な金融市場の混乱に原油価格の下落とグルジア紛争が重なり、ロシアの金融市場を襲っているとしている。

 金融市場の混乱を受け、ロシア政府は流動性拡大策を発表。またロシア中央銀行は、17日付で銀行の預金準備率を引き下げた。イグナチエフ中銀総裁は、この措置は、3000億ルーブル(117億6000万ドル)の流動性供給に相当する、としている


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2008年10月11日 (土)

速報!新興国クラッシュの可能性あり (会員メール2008/09/02)

 

会員向けメールから一部抜粋して、経過の記録および今後の見通しといたします。公開するにあたって変更した部分はこの色で示してあります。

「速報じゃねえよ! 早く言えって!」

とお怒りのみなさん、申し訳ありません。1ヶ月ぐらい経ったら公開しようと思っていたら、その間に市場が大きく下がってしまいました。本業が忙しくなると情報公開はどうしても遅れがちになります。ご容赦ください。

 

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ワイルドインベスターズ会員向けメールより  2008/09/02 (火) 16:20

速報!新興国クラッシュの可能性あり
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会員の皆様

今月のレポートで詳しく書くつもりですが、
その前に大きな動きが始まるかもしれませんのでまずはメールにてお知らせします。

新興国がきな臭くなってきました。

私が注目しているのは、ある国の通貨と株価です。
両方とも最近になって下落のペースが上がり、資本逃避のような動きをしています。
通常は日米の株価に連動しているはずが、ずるずる下がっているんです。


それに連動するようにタイバーツ(THB)やフィリピンペソ(PHP)なども安くなってきましたからね、
新興国が連続してクラッシュした97-98年あたりに似てきています。


しばらくその国関連のニュースに注目しながら、他の新興国にも注意を払っておいてください。

 

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ワイルドインベスターズ会員向けメールより  2008/09/10 (水) 18:01

うげげ! 高金利通貨ブームの最期か?
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噂には聞いていましたが、8月は高金利通貨ファンドがバカ売れしたようです。

モーニングスターによるデータ。
(内容が変わってしまうかもしれませんので最後にまとめて数字を残しておきます)
http://www.morningstar.co.jp/fund/menu/nav_rank/chg_mth.asp

金額はひとつのファンドで多くても500億円ぐらいの純増ですから、まだブームとはいえないのかもしれません。

しかし
「日本の投信が力いっぱいセールスしたときがド天井」
という法則から言うと、高金利通貨ブームの最後が近づいているのかもしれませんね。

「株は値下がりが怖いから、高い利息が確実に入る高金利通貨にしましょうよ!」
なんて言いながら売ってたりして、キンXマが縮み上がります。

特にブラジルレアル・・・
売る勇気はないですが、大丈夫なんだろうか?


このテーマについて、会員サイトに掲示板を用意しています。

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モーニングスターによる月間増加額ランキング(2008年8月)
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順位
ファンド名
投信会社
純資産総額(百万円)
前月比(百万円)

1
UBS ブラジル?レアル債券投信(毎月分配型)
UBS
261,424
48,803

2
日興 高金利通貨ファンド(毎月分配型)
日興
85,660
29,150

3
ニッセイ 高金利国債券ファンド 『愛称 : スリーポイント』
ニッセイ
426,150
23,771

4
UBS ブラジル?レアル債券投信(年2回決算型)
UBS
72,002
16,256

5
りそなハイグレード?ソブリンF(毎月決算)
大和
91,575
11,049

6
高金利通貨オープン 『愛称 : ワールドエイト』
大和住銀
114,993
10,459

7
世界のサイフ
日興
267,660
8,673

8
ラサール?グローバルREIT(毎月分配型)
日興
47,200
8,308

9
グローバル?ボンド?ベーシック(毎月決算型)
三菱UFJ
18,352
7,415

10
日興 五大陸債券ファンド(毎月分配)
日興
358,508
6,057

11
日興 高金利通貨ファンド(資産成長型)
日興
20,196
5,899

12
PCA 米国高利回り社債オープン
PCA
279,461
4,660

13
ダイワ 海外ソブリン?ファンド(毎月分配型)
大和
217,735
4,627

14
AIG 新成長国債券プラス 『愛称 : ブルーオーシャン』
AIG
128,967
4,575

15
DIAM エマージング債券ファンド 『愛称 : ライジングネクスト』
DIAM
12,692
3,821

16
海外国債ファンド
新光
174,324
3,748

17
新興国国債オープン(毎月決算型) 『愛称 : アトラス(毎月決算型)』
岡三
133,533
3,609

18
エマージング?ソブリン(毎月決算型)
国際
96,958
3,596

19
GS ハイ?イールド?ボンド?ファンド
ゴールドマン
170,780
3,285

20
住信 毎月分配パッケージファンド 『愛称 : 分配ファミリー』
住信
203,120
3,106
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2008年10月10日 (金)

新興国支援のアイディア (政府介入と暴力の時代に)

ご無沙汰でしたあ!!!

本業が忙しくてそちらに熱中してました。市場が荒れて「コイツ死んでるんじゃないか?」と心配した方もいると思います。パフォーマンスはまずまずで、自分のことよりも業界や世界秩序の行く末を心配しているぐらいです。

 

さて、日本が外貨準備を使って新興国救済の提案をするそうです。今日から始まるG7で中国や中東産油国に参加を呼びかけるとのこと。

****** Nikkei Net 2008/10/10 ******
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081010AT3S0901M09102008.html

IMF、新興国に新融資 日中などの外貨準備活用

 政府は、国内の金融危機への対応で財政難に陥った新興国などに対し、日本などの外貨準備を使って支援する緊急融資制度を国際通貨基金(IMF)につくるよう提案する。銀行への公的資金注入などで多額の財政資金が必要になる国への国際支援の枠組みを整備し、世界的な金融危機の封じ込めをねらう。10日にワシントンで開く7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で中川昭一財務・金融担当相が提案、外貨準備が豊富な中国や中東産油国にも参加を促す。

 米国発の金融危機が欧州や新興国にも飛び火し、小国では国家規模を上回るような金融機関への公的資金投入を迫られる例が出ている。(07:00)

************************

 

危機に対して、日本がイニシアティブを取るという姿勢はすばらしいです。

今回の危機は、最終的に先進国が新興国を救済するスキームを作らないと、先進国にもそのとばっちりが返っきて大恐慌になるでしょう。なぜそう考えるのかはおいおい説明しますが、恐慌を食い止めるためには80年代のブレイディ債のように、「債務削減」「新興国政府保証」「先進国からの援助」をパッケージにして新興国の支払いを補佐しなければなりません。

しかしここはひとつ、日本の国益を守りながら国際社会での存在感を増すように立ち回って欲しいものですな。

なぜこんなことを言うかというと、日本が援助をしたところでそれが利益になるかどうかわからないからです。援助したあげくに「少ない」「遅い」など と文句を言われたり、実績を横取りされたり、横流しされて軍拡に使われたり、タカられたあげく馬鹿にされるようなことが何度もありました。

 

今のところ、政府はIMFを通じて資金を提供しようとしているそうです。そのほうが「支払いが確実になるから」だとか(10月10日日経新聞朝刊1面より)。

しかし現状では、このカネを出せるのは日本しかありません。「IMFが保証する」って言ったって、IMFが大損したときに保証してそのカネを出せるのはもはや日本だけです。どうせ中身は日本のクレジットなんですから「日本が思ったとおりに、国益に合致した援助をする」ってことでいいじゃないかというのが私の意見です。

 

日本からの援助については、たとえばこういった条件をつけます。

  1. 反日教育をやめる
  2. 日本の領土侵略、資源強奪をやめる
  3. 軍拡、特に核兵器をやめる。(日本はOKだけどね・笑)

ねっ、簡単でしょう?
これでたいがいの国には援助ができますし、相手の国にとっても損ではないはずです。

 

新興国の民間企業への貸し倒れに対しては「債務削減」「期限の先延ばし」をした上で現地政府の債務にしてしまい、日本の外貨準備を担保に「新・ブレイディボンド」として売り出してもいいですね。

今回はスポンサーの名前を冠して、「中川ボンド」なんて名前ではいかがでしょう?(笑)

 

「援助は感謝されるためにやるんじゃない。国益のためにやるんじゃない。そんな援助は不純であり、邪道だ。」

とおっしゃる方には、こう反論しましょう。

「では、そう思う人だけで好きなだけ寄付やボランティアをすればよい。日本の税金は日本人の安全と財産を守るために使われるべきものです。自己満足のために公共のカネを使い込まないでもらいたい」

 

これから、世界は二極化します。

救済される人、切り捨てられる人。
救済される会社、切り捨てられる会社。
救済される国、切り捨てられる国。

どちらにも属さず、みんな仲良くというわけにはいきません。勝ち残って世界をコントロールする意思がなければ、いくらカネやスキルを持っていても意味がありません。容赦なく奪われて、切り捨てられる側に落ちるだけです。そういう時代に突入しようとしているんです。

 

政府介入と暴力がエスカレートする時代に、これまでのように「カネをむしられるだけのお人好し」のままでは、生き残ることすら難しいでしょう。

特に武力行使についてなにかとややこしい日本にとって、まず経済や外交で安全を確保することが第一です。貴重な「カネ」や「信用」といった財産をならず者に利用されて、自分を危険にさらすようなアホなまねは慎むべきです。

 

それでは、「なぜ日本が新興国を救う必要があるのか」「なぜ政府介入と暴力がエスカレートするのか」ということについてご説明しましょう。会員向けのメールやレポートから抜粋させていただきます。

(続く)

 

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2007年12月28日 (金)

投資家教育の可能性と限界

最近よく、「サブプライム問題ってどうよ?」と聞かれます。

詳しいことは会員サイトのレポートに書いているのですが、私の意見をまとめるとこういうことになります。

  1. サブプライムは深刻な問題。もっと信用力が高いALT-Aやプライム層まで悪化するのではないか。
  2. 大手の金融機関は「損失計上+資本増強」のセットでこれを処理している。しかし損失計上も資本増強もままならず、息を潜めている金融機関は山ほどあるはず。これはいずれ表に出てきて、対処を迫られるだろう。
  3. なぜなら日本の不動産バブルと同じで、究極的には支払い能力(ソルベンシー)の問題になる。利下げや金利減免をしたところで払えないものは払えない
  4. しかし1-2年は金利低下によって世界的に株価は上がると予想している。影響を受けない国やセクターではバブルが起こる可能性が大。その後はたぶん地獄。

 

こう書きながらも、多くの誤解を与えてしまうんだろうなあと頭の片隅で考えてしまいます。 

というのも、実はこのストーリーにはデータ分析や経験則に基づいており、「株のインデックスは上昇する」とは言っていても「すべての株が上昇するわけではない。むしろ二極化が進む」という本質の話が隠れているからです。

たとえば金融株はこれから数年「相対的にダメ」その後は「絶対的にダメ」、おいしいのは3-4年後からと予想しています。金融株の中でも信用サイクルの直撃を受ける銀行やノンバンクはダメダメ、デット系投資銀行はダメ、エクイティ系投資銀行は悪くないなどと、いう結論が導き出されます。同様のロジックで、「大型株は良いが、中小型株はいまいち」という理由もレポートで繰り返し言っています。

しかし私がここで「サブプライムで株はむしろ上がる」と書いてしまうと、信用力の低い銀行を買ってしまったり、中小型株に集中投資してしまう人が出てきてしまいそうです。

自分が発した情報の一部だけ切り取られたり、都合の良いように解釈されるのは昔からあることなので覚悟しています。しかし最近は特にその怖さというか、影響の大きさを感じることがあります。

で、思うのは「投資情報発信や投資家教育には社会的意義やビジネス的可能性がある反面、限界もあるな」ということ。

 

本にも書きましたが、「情報の価値は受け手の能力に依存」します。どんなに有用な情報を出しても、受け手がそれを感じる力がなければ何の価値もない。むしろ都合の良い解釈を加えて、損をしたらこちらが恨まれたりします。

逆にこちらが1の情報を出しただけで、5にも10にも発展させて利用する人もいます。そういう人は「信じる信じないは自己責任」という原則が徹底しているので、私の見通しが間違っていても恨み言を言われることはありません。こちらとしても非常にやりがいがあり、ありがたい話です。

投資家教育は前者を救うことはできません。後者の人々が回り道をし、痛い目にあう時間とコストを短縮するだけです。人口比率にして5%以下でしょうか。幸い会員サイトには後者のマニアックな人々が濃縮して集まっているのでストレスを感じませんが、投資に関する情報をどう取り扱うかについての難しさをひしひしと感じます。

 

投資で勝ち続ける人は5%もいないと言われています。その理由はおそらく、「投資の技術や考え方を教えることはできるが、性格や信念を変えることはできないから」ではないでしょうか。

信じたストラテジーを守り続ける強い意思、あらゆることから学び続ける向上心、状況に対応する柔軟性、自分のアホさと失敗を認める余裕・・・これら矛盾する資質を持ち合わせた人間はそうそういません。頑固すぎれば柔軟性や向上心がなくなり、柔軟すぎると一貫性がなくなります。

そういった絶妙の人格形成の上に「優れた投資家」は成り立っており、それは社会における人気者や、ビジネスにおける成功者とは異なります。人間は誰しも社会生活に適応するために進化し教育を受けているので、多くの人は多数派として埋没する傾向があります。逆に投資で成功する人間は良い意味でも悪い意味でも異端であり、どうしても少数派にならざるをえないのです。

成功する人は少数派であるという基本構造の中で、より多くの人に情報を発信するという矛盾・・・単純に考えて「理解され感謝されるより、誤解され恨まれる可能性が高い」というリスクを背負うことになります。

しかし逆に「量をこなさないと質は上がらない」「裾野を広げないと頂点は高くならない」、つまり「多くの人に教育機会を与えないと、トップレベルも低いものにとどまる」という法則もあります。

ということは「日本を投資大国にしたいのであれば、自分は誤解されて恨まれてもいいから情報を発信してゆく必要がある」ということ。悩ましいっす(笑)。

 

自分は投資の技術・考え方について、知っていることの約98%を公開しています。残り2%は同業他社にマネされると怖いので、自分の優位性(エッジ)を守るための保険として黙っています。それからこういった秘伝の知識は自分ひとりのものではなく、いろんな人からこっそり教わった「共通の秘密」だったりするので、自分の都合で話すことはできないのです。

しかしたとえ自分が知っているすべてを公開したところで、「投資で勝ち続ける人は5%以下」という状況に変わりはないでしょう。ずっと儲けている人が、さらに儲けるだけの話です。しかし儲ける人のレベルが上がって運用をやってくれるのであれば、日本人がカモにされることなく世界から投資収益を巻き上げることができるかもしれません。

 

そんなわけで、誤解されたり恨まれたりする可能性はあるけど、このまま情報を伝えてゆくしかないんでしょうね。本やブログに書いておけば、今は理解されなくても後世になって評価されることもあるでしょうし。

別に大衆から評価されたいわけでもなく、それはむしろ危険なことかもしれないと感じています。しかしまあ、自分が思ったまま投資家教育を続けてみますわ(笑)。

 

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2007年12月12日 (水)

主流と異端のバランス(3) 下克上M&A

大事なことを忘れていたので続けます。

この本は示唆に富む記述が多かったのですが、第四章の「登れるが、降りられない」は特に興味深かったです。

  1. 企業にとってのお得意さんは、複雑で高価な製品(ハイエンド商品)を買ってくれる客である。いったんこの分野での地位を確立したなら、ブランドと既存客の維持に集中したほうが利益率が高いから。いったんハイエンドの市場に行ってしまうと、今さらローエンドで薄利多売をやろうという気はなくなる。「登れるが、降りられない」ということ。
     
  2. 一方で破壊的イノベーションは当初、性能は低くコストが安い。だから収益性の低い顧客にしか受け入れられず、大手企業には見向きもされない。
     
  3. しかしいずれ破壊的イノベーションは洗練され、中位・上位の市場のニーズを満たすようになる。たとえば大型コンピュータ(メインフレーム)に代わってPCが使われるようになり、製鉄でも高炉に代わってコストが1/10である電炉に代わられたりする。新興企業はそうして上位市場に君臨する「かつての王者」を追い落とす。
      
  4. そうやってのし上がった新興企業も、やはりかつての王者のように利益率の高いハイエンド商品に特化し、新しい破壊的イノベーションには見向きもしなくなるかもしれない。ローエンド市場は別の新興市場に制覇され、いずれハイエンド市場までも席巻される。かくて歴史は繰り返す。

これは経験的に知っていたことですが、「(上位の市場に)登れるが、降りられない」と言われたらその通りです。

「プレゼントの値段は上げられるが、落とせない」
「結婚相手の条件は上げられるが、落とせない」

何にでも使えそうです(笑)。

 

ここで思ったのは「ブランドや特許を持っているからと言って、経営者は安心できないな」ということ。

たとえば私が新興国にある会社の社長で、何かを作っていたとします。技術もなくブランドもないですが、地元民の人件費が安いので先進国のローエンド市場を開拓します。これは先進国と新興国の「人件費の裁定取引」なので、儲かる可能性は高いですよね。

さて、カネはできた。しかし依然として技術力は低い。

では下位と中位の間ぐらいで苦しんでいる同業他社を買収して、その市場にふさわしい技術と販路を手に入れましょう。本国の安い人件費を活用し、他社のシェアを奪っていきます。そのうち中位企業でも苦しくなるところが出てくるでしょうから、それを買って技術と販路を手に入れましょう。

これを繰り返してゆくと、「安い人件費」が「潤沢なキャッシュフロー」になり、いずれは「ブランド」「技術・特許」が手に入ることを示しています。破壊的技術がなくとも上位市場に移行できるということです。いずれは安い人件費にも限界が来ますが、それまでに市場を制覇してしまえば関係ありません。

 

うーん、これは個人に例えるとなんだろうなあ・・・。「カネさえあればいずれ地位も名誉も女も思いのまま」みたいなもんか(笑)。

ということは、先進国の経営者は「ブランド」「技術・特許」を持っているからといって、下克上M&Aという錬金術がある以上は新興企業からの挑戦に対して油断してはいけないということになります。ミッタル・スチールなんかはもろにその戦略ですからね。技術を持っている日本の鉄鋼メーカーはターゲットにされるでしょう。

wikiですまんが・・・ミッタル・スチール
            ↓↓↓
    http://tinyurl.com/2qfd9c

たとえメーカーに技術やブランドがなくとも、後からそれらを手に入れることも可能なのですから面白いものです。

(終)

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