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2011年8月 3日 (水)

福島原発メモ:再臨界は起こりうる

シリーズを放置してすまんです。

元東芝の原子力専門だった先輩と話す機会があったのでメモします。まだ裏は取っていませんが、とりいそぎ。

 

1. 再臨界は起こりうる

再臨界を起こすには特殊な配置と減速材(水)が必要だから、福島原発でそれが偶然に起こる可能性はほぼゼロだという人もいる。

しかしこれは効率的にエネルギーを取り出すしくみであって、制御されない核エネルギーを放出するだけなら高濃度のウランがあればこと足りる。

証拠1 東海村事故ではバケツだけで再臨界を起こした

証拠2 核兵器に水は必要ない

 

2. 実はアメリカの原発もヤバイ

アメリカはスリーマイル島の事故(1979年)以来、原発を作っていない。つまりどの原発も30年以上は経っているということ。

そして技術者が育っていないので、日本と組むことにしている。

 

3. 日本は水冷、アメリカは空冷

アメリカは富士山のような形をしている空冷式の原発が主流。

それに対し日本は水が豊かであるし、コストの安い水冷式が主流になった。

別の言い方をするとコストを抑えるために立地は海岸沿いに限られているということ。地盤の弱さや津波のリスクはあまり考慮されていない。

 

4. 昔は緊急事態に対する議論が活発だった

その先輩が東芝にいた頃は、「旅客機が突っ込んだらどうなるか」など緊急事態にそなえた議論が活発になされていた。そのためにロボットを作る動きもあった。

しかしそれはいつしか「原発事故は起こらない」という論調が主流となり、備えもなくなってしまったようだ。ただこれは東芝が決定したことなのかどうかわからない。

「考えなければリスクは存在しない」という日本的な発想かもしれない。 

 

2011年5月 8日 (日)

福島原発: 日本文明の限界(2) なぜこの人が日本の首相に?

タイムリーなところで菅首相が「浜岡原発の停止」を要請し、物議を醸しています。

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私はこの提案自体に反対ではありません。

原子力というテクノロジーを今後も維持する上で、今回は貴重な教訓を得ました。それは地震そのものの加速度が耐震性の基準値(438ガル)を1.25倍上回っていても、原子炉は安全に停止できたということです。

しかし福島原発はその後の津波の衝撃、そして電源の喪失によって今回の事態を招きました。

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一方で、津波を食らわない立地であった東北電力の女川原発は何事もなかったかのように操業を続けています。(失礼、運転再開はこれからでした)安全に停止した上に、被災者の避難所となっています。

ですから耐震性をさらに強め、津波に直撃されないような立地や設備を整え、電源のバックアップを拡充すれば、原発をさらに安全に運転できるのではないかと思うのです。

逆説的ですが今後も原子力を使いたいのであれば、それらの修正が終わるまでいったん原子炉を止めるのが良いと考えていました。

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こう書くと私は「原発推進派」と見られそうですが、実は原発にはこだわっていません。原子力というテクノロジーを維持できれば、何でも良いのです。

その理由は「CO2削減」とか「安い電力供給」などといったものではなく、単純に

核武装に必要

だからです。

危険な技術でかえってコスト高かもしれないけれども、周辺のヤクザ国家から身を守るためには手離してはいけないテクノロジーだと考えています。

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日本は今、国を守る「意思」を失いつつありますが、その「能力」だけはかろうじて残っています。

ここで日本が原子力技術を失ってしまったら、中国やロシアは喜んで技術者を引き抜き、日本の領土を奪いに来るでしょう。

そのときになって日本が国を守る「意思」を取り戻したとしても、核武装する「能力」は失っています。尖閣だろうが南鳥島だろうが離島をガンガン奪っても、反撃はできません。

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今は日本に核武装の「能力」があるので、周辺のヤクザ国家にも多少の遠慮はあります。しかしその能力を無くしたとしたら、チベットや東トルキスタンと同じ運命になるでしょう。

そうならないためには、原子力のテクノロジーは手放せません。

カネを稼ぎ、技術者を養い、試行錯誤を繰り返し、常に進化し続けなければらならいのです。

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話がそれましたが、核武装論者の私であっても「浜岡原発の停止」という提案には反対しません。

しかしなぜ浜岡だけなのか?

原発は全部止めれば良いじゃないか。全部を一度に止めるのが無理でも、電力を融通し合いながら危ない順に片付けよう。良い機会だから国の予算を付けてちゃんとやろうぜと思うのです。

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実は私にとって、菅首相はわかりやすい人物です。

というのも彼は常に「民衆にとっての悪役」を探し出し、それを懲らしめることで自分を善玉ポジションに置くという思考回路を持っているからです。

「悪玉」は薬害エイズだったり、カイワレ大根だったり、小沢一郎さんだったり、東電だったり、浜岡原発だったりします。しかしいくら悪玉が変わっても、菅直人が善玉であるというストーリーは変わりありません。つまり彼は水戸黄門になりたいのです。

ただその視点が実に「市民活動家」的であり、世の中がどうやって動いているとか、人々がどう支え合っているのかということはわかりません。社会に出て働いたり、経営した経験がないので仕方がないのです。

今回もたまたま、市民活動の仲間から「みんなが浜岡原発を不安視している」と聞いたのでしょう。だから浜岡「だけ」がターゲットなのです。

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これは決して悪口ではなく、菅さんのような人は必要だと思います。彼が大活躍できて、なおかつ周囲もハッピーになる適切なポジションがあると思います。

しかし一国の首相としてはまだまだ経験不足です。前首相の鳩山由紀夫さんもしかり。

これはむしろ選び出す国民のほうに問題があるでしょう。他にマシな選択があるはずなのに、思考停止して怠けているようにしか見えません。

(続く)

2011年5月 5日 (木)

福島原発: 日本文明の限界(1) 倒産する会社に似た現象

福島原発は、2ヶ月近く経過してようやく1号炉の建屋を覗くことができるようになりました。

しかし危機管理が全くできておらず、「失敗の本質」に書いてある旧日本軍と同じ弱点をさらけ出した点で、いろいろ考えさせられる状況が続いています。

 

そこに書いてあった「旧日本軍の弱点」とは、以下の通りです。

  1. 情報軽視・技術軽視・人命軽視
  2. 自分や他人の失敗から学べない
  3. 失敗したときの代替(コンティンジェンシー)プランがない
  4. 指揮系統や責任がはっきりせす、勝手な「命令」が飛び交う
  5. 能力や意欲のない人物が出世する。たとえ失敗しても「栄転」する
 

まずそのタイプの原子炉は危ないという情報や、改善勧告を無視したことは「情報軽視」です。

いざというときの作業用ロボットを用意せず、電源喪失のケースを考えなかったのは「技術軽視」です。

普段は下請け・孫請け・ホームレスに作業させ、いざというときは自衛隊や消防隊に「特攻」させ、代わりはいくらでもいると考えて満足な装備や処遇を与えないのは「人命軽視」です。

チェルノブイリやスリーマイルから学べなかったのは「自分や他人の失敗から学べない」ということです。  

「原発は安全だ。だから事故のときのことは考えなくて良い」というのは代替(コンティンジェンシー)プランがないということです。

対策室ばかりが増え、スピードが上がっているように見えないのは「指揮系統や責任がはっきりしていない」からです。

責任ある立場の人々がどこか他人事で、責任のなすり合いをしているのはそんな人々が出世したからです(ついこのまえ責任を取って辞めたはずの人が重職に返り咲いています)。

 

今回特に考えてみたいのは最後の部分です。

今の日本は政治家にしても経営者にしても、「この人がどうしてこの職に就いているんだろう」と思うことが多くなりました。

もちろんちゃんとやっている人は目立たないでしょうし、たまたま問題がある人を大きく報道するだけなのかもしれませんが、まるで倒産直前の会社のように組織が機能していないのです。

 

政治家や経営者は責任者として先頭に立って問題を解決しなければならないはずです。

しかし「俺は悪くない」「コイツの責任です」などと、問題をほったらかしで責任回避ばかりしているように見えるのです。

この現象について、私は「誰が悪いから」「しょうがないから」で終わらせる気はありません。なぜならその思考回路が問題の根源ではないかと考えるからです。

したがってここでは当事者意識を失うことなく、自分を含めた日本社会の問題として考えてみようと思います。

 

日本中の期待を背負って政権交代を達成した民主党ですが、財源のないばら撒きや、支持母体を考えればできるはずのない公務員改革など、およそ実現不可能なマニフェストを掲げて来ました。

自民党への幻滅や批判が大きかったにしても、それよりもマシだろうと国民が期待したことは間違いありません。

しかしほどなく、民主党の面々が「文句タレ」の域を出ていないことを知りました。国民は民主党にも幻滅し、次はどこに投票したら良いのか迷っている人々は大勢います。

 

ここでは民主党が口ばかりだとか、何でも人のせいにするなどといったことは問題にはしません。

「地位が人を作る」という言葉があるように、重い責任を負えるようになるには長いトレーニングが必要です。それまで他人の悪口を言うことで人気を得てきた人々がいきなり国の経営をするのは荷が重過ぎるのです。

むしろ問題は、経験や能力がまだ足りない人々に過剰な期待をしリーダーとしてもて囃したかと思うと、すぐ幻滅して次の救世主を求めてしまう日本人の幼稚性にあるのではないかと考えたりします。

 

今の原発処理を見ていると、まるで倒産直前の会社のように組織が機能していません。

上は現場のことも、技術のこともわかっていない。その仕事に人生を賭けてきたわけでもない。

「チェッ、俺のときだけこんな事故が起こるなんてついてないな。誰に責任を押し付けて尻拭いさせようか」

こう考えているように見えてしまうのです。

そして下に対しては「散らかった燃料棒を明日までに片付けておけよ!できなきゃクビだからな!」と命令するだけです。自分にはアイディアがないので、権力をカサに着て脅しつけるしか方法がないのです。

 

そう言われると下のほうはツライ。

装備も処遇も敬意も名誉も与えられず、「お前の責任で解決しろ!」と命令されるだけなのですから。

仕事と責任をすべて丸投げされ、うまく行けば報酬・成功・名誉は上のもの、失敗すれば自分の努力や名誉は守られずクビです。やってられません。

上からは「命懸けでやれよ!」と凄まれますが、全く説得力がありません。シロウトの思いつきを真に受けて自分が本当に死んでしまったとしても、全く見返りがない犬死にです。

「こんな奴のために死んでたまるか。怠けていてもちゃんとやっても怒鳴られることには変わりない。素人にはどうせわかりゃしないんだし、仕事してるフリしてお茶を濁そうぜ」

というように自己防衛に走ります。

 

その結果、目指すゴールは達成されません。

上司はますます怒鳴って圧力を強めますが、下はますますやる気を失います。

ミスが増え、離脱者が増え、似たような失敗が繰り返されるだけです。

 

これは現場を責めれないでしょう。

上がそんな状態だとやる気が起きないし、実際にやるだけ損だからです。

ただ我々が「日本の問題」として考えなければならないのは、なぜそんな人が上に立つようになったのか、それを修正する仕組みはないのかということです。

 

これは以前に書いたように、日本の家族制度に根ざしているからではないかと考えたりします。

それは日本の強みでもありますが、もしかしたら平和な時代が続くと同じような問題を発生させる「持病」なのかもしれません。

 

60-70年おきに頭をもたげる日本の問題。

その根本原因となる「幼稚性」。

それについて考えます。

 

 

2011年3月26日 (土)

放射線量換算Excelシートを作ってみました

 福島原発についていろいろ書こうと考えています。

そのついでというわけでもないのですが、「X時間でXXマイクロシーベルト」のような報道を見てもどれぐらいヤバいのか感覚がわからないので放射線量換算シートを作ってみました。

こんなイメージ
 ↓↓↓

Photo_3

この表を使えばバラバラな計測時間と単位(マイクロシーベルト・ミリシーベルト・シーベルト)を換算してくれます。そして年間許容量と比較して大丈夫なのか、また何キロ離れたら大丈夫で、何キロ以内なら危険なのか大雑把な感覚がつかめます。

 

また被曝許容量の段階を設定することができ、計算結果がそれらを超えると警告色が出るようになっています。

被曝許容量の目安は某掲示板の書き込みなどを参考に作りました。柔軟な作りになっていますので、新たに行を加えたり削ったりしても影響はありません。

Photo_4

 

表の読み方ですが、たとえばサンプルの1行目では「30キロ地点、1日あたり1.4ミリシーベルト」が計測されています。

これを年間に換算すれば511ミリシーベルトで、「全身被曝、末梢血中のリンパ球の減少。」というレベルです。免疫系に影響が出てくるので30キロ圏内から退避することを考えるべきということになります。

仮に15キロまで近づくと年2000ミリシーベルトを超え「全身被曝、出血、脱毛。5%死亡。」レベルとなって色が赤に変わります。もちろん放射線は一様ではないでしょうし浴び方にもよりますが、長居するのが危険であることは明らかです。

 

サンプルの2行目「30キロ地点、1時間あたり0.24マイクロシーベルト」は年換算で2.1ミリシーベルトですから、かなり安全なレベルにまで下がっています。しかしそれでも1キロ圏内に近づくと2000mSvで「全身被曝、出血、脱毛。5%死亡。」レベル、500メートルなら7500mSvとなり(1年いれば)100%死ぬと言われるレベルです。

かなり大雑把ではありますが状況判断のために使ってください。

 ↓↓↓

「ExposureDose.xls」をダウンロード

 

[参考リンク]

福島県環境対策本部 環境放射能測定結果

茨城県放射線モニタ

原発からの距離を測る

 

[追記]

距離換算は単純に「距離の二乗に反比例する」という計算式を使っています。しかしご存知のように放射性物質の拡散は地形や風に影響されます。

計測地点が30キロとして、そこから原発までの間の放射線量をイメージするには多少の助けになるかもしれません。しかしそこから100キロ遠ざかった地域の数字を類推するにはほとんど役に立たないと思います。

下は原子力安全委員会による「甲状腺が受ける放射線量の積算値の分布」のシミュレーション図(20110323日経新聞)です。これもシミュレーションに過ぎないのですが、方角によってかなりバラツキがあることがわかります。

20110323

 

また、表に記した放射線の許容量は一度に被曝したときに起こる現象です。

たとえば一度に2000mSv浴びると「全身被曝、出血、脱毛。5%死亡。」と言われていますが、これを1年の累積として浴びたときについてはあまりデータがないそうです。ここでは乱暴ですが「累積すると同じ症状が起きる」という考えでそのまま使っています。

ウィキペディア放射線障害

 

2009年5月18日 (月)

感染するのも悪くない? いや、やっぱり拡大防止

新型インフルの続きです。

これまで日本ではほとんど感染者が見つかっていませんでしたが、いきなり100人以上も発見されました。東京の電車内でもマスクをする人が増えました。

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新型インフル感染拡大130人に、5歳児や60歳も
(2009年5月18日  読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090518-OYO1T00666.htm?from=top
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前回のブログにも書きましたが、これほど人の交流が盛んな時代に日本だけ感染しないことはありえません。空港や港での水際対策も感染が確認された国しかチェックしないですし、発症前の人はそのまま抜けてしまうわけですから、感染拡大を遅らせることしかできません。

今回はたまたま関西から見つかりましたが、「誰々に移された」ということばかり気にすると、インフルにかかっても言わない・保健所に行かない・マスクをしない人々が増え、感染症との闘いに遅れを取ります。

「発見されていないこと」「発表されていないこと」は、「感染していない」ということではありません。他の地域でも感染拡大が進んでいると考えて対策したいですね。

 

さて相変わらずメキシコでの致死率だけが突出しており、他の国では普通のインフルエンザ並みの危険度です。しかしだからといって安全なわけではなく、この時期に北半球で流行するのですからあなどれない感染力です。

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新型インフル、NYで初の死者 (日経ネット 2009/05/18 15:47)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090518NTE2INK0618052009.html

同市の学校副校長の男性(55)が死亡した。米国での死者は6人目で、世界では76人目。同日には南米チリでも同国初の感染者を確認し、日本時間18日午後1時20分までに感染者は41カ国・地域で8836人(米国は感染の疑いが濃厚な人を含む)に達した。
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ここまで感染力が強いと「致死率が高なる前にわざと罹っておこうかな」という考えも頭をよぎります。というのもスペイン風邪のときは、症状が軽いうちにかかっていた人々は免疫を獲得し、変異した後にはじめて罹った人々よりも死亡率が下がったという話があるからです。

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新型インフルエンザ、致死性の変異型に免疫となる可能性も 米研究
AFP 2009年05月07日 23:43 発信地:パリ/フランス

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2600098/4113377

前年11月に感染症専門誌「Journal of Infectious Diseases」に発表された研究では、スペインかぜに第一波で感染した人は、その時に感染しなかった人に比べ、死亡率が70%低かった。(略)
ローン・シモンセン(Lone Simonsen)氏は「1918年の場合、現在われわれが持てる判断力から考えると、ウイルスの毒性がまだ弱かった最初の一波の感染を許したほうが、免疫力をつける上で良かったはずだ」と語る。
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しかし、よく考えると「わざと罹る」ことはできませんね。

というのも自分が感染拡大を助けてしまえば、ウイルスが変異する確率を高めてしまうからです。

それに、すでに病気を持っている人(特に糖尿病など)がインフルにかかると危険なことになるので、自分だけのことを考えて感染拡大を手伝うわけにはいきません。

ということは、今までどおり「うがい手洗いマスク励行」「たっぷり睡眠。たっぷり栄養」などでディフェンスするしかないですね。

それでも罹ってしまったら、イキの良いワクチン(ホントに生きてますけど!)を打ってもらったと思って養生するしかなさそうです(笑)。

2009年5月 5日 (火)

新型インフルの死者は風邪薬が原因、という仮説

みなさん、お久しぶりです。

本業のほうに集中していましたが、今回の新型インフルでいろいろ考えさせられたので記録しておきます(投資にもからむネタですし)。

まず簡単な経緯をここにまとめます。感じたことはもっとたくさんあるので、別にまとめることにします。

 

新型インフルは、最初「豚インフル」と呼ばれていた。
下の記事にもあるように、初期の情報で計算すると致死率はだいたい7%(57/800)であった。

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メキシコなどで豚インフルが人間に感染、60人死亡の疑い
(2009年4月25日01時43分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090424-OYT1T00882.htm
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2009年4月26日(日)

「どひゃー! 致死率7%の新型インフルがヒトヒト感染かよ!」

たまたま実家に帰ったときにこのニュースを知る。

「ヒト→ヒトへの感染は確認できていない」という報道だが、そんなにたくさんの旅行者がメキシコの豚に近づいたとは思えないので、自分の中では「ヒトヒト感染」確定。しばらく様子を見て、ホントだったら東京に戻らずこちらで「穴熊生活」に入ることを考える。

考えてみると満員電車ってものすごい「病原菌拡散装置」だよな。しかし乗らないと仕事ができないから、首都圏にいったん入り込んだら拡散は速いだろう。

 

2009年4月27日(月)

ビビリながら東京市場を見るが、みなさんあまり気にしていない感じ。後場になってアジア市場の崩れを見てから東京も軟調になり、もしかしたら何も考えていなかったのかと不思議に思う。

後場、会員サイトの会員さん宛てにメールを出す。

  • 豚フルの感染者が1000人以上という事は、おそらく「ヒト→ヒト」感染と思って間違いない。普通に考えると感染拡大は止めようがない
  • その反面、SARSのように押さえ込みに成功する事もある。伝播するうちにウイルスの毒性が低くなることもある。栄養状態・衛生状態の良い国では流行しないとか、日本人の遺伝子には致命的ではない可能性もある。取り越し苦労になる可能性も否めない。
  • しかし「増えすぎた人口は戦争や疫病で減らすしかない」という人口調節メカニズムが変わったわけではない。注意するに越したことはない。
  • 市場への影響はもっと難解。普通なら株を買い増す局面だが・・・。

引け後、食料品や医薬品の備蓄を増強する。別の地方都市ではマスクが売り切れていたようだが、こちらはのんびりしたもの。店内でマスクをしている人間は俺だけ(笑)。

テレビでは「豚肉が売れない」「メキシコ料理店に閑古鳥」などとピント外れの報道が続く。ヒトヒト感染が始まった時点で、その発生源が豚だろうが鳥だろうが試験管内だろうが関係ないと思うのだが。まあ、豚フルで死んだ豚の肉は食わんけどね。

 

2009年4月28日(火)

やはり世界的に感染が拡大している。WHOは警戒レベルをフェーズ4に引き上げ。えらいこっちゃ。GWの予定はぜんぶキャンセルかな・・・と思ったら、みんなガンガンに海外旅行に行くらしい。サーモグラフィーで熱を持っている人が空港の検疫を突破したようだ。警戒レベルの意味がねえ!(笑)。

その中で、先進国での死者が出るかどうかに注目。果たして7%という致死率はメキシコ特有なのか、それとも病原菌自体にそんな毒性があるかを確かめたい。

メキシコ以外で初の死亡例はアメリカ。1歳11ヶ月の幼児。しかし後でわかったことだが、これもメキシコからの旅行者とのこと。先進国でも何百人も感染者がいるのに死亡者がいない。ということは致死率は7%どころか2%のスペイン風邪にも及ばない、致死率0.1%以下の普通のインフルエンザなんじゃないのか?と思い始める。

メキシコ人が特別にこのウイルスに弱いのであれば他のラテンアメリカも打撃を受けるはず。医療体制が悪いというのであれば、メキシコよりも遅れた国は世界にいくらでもある。やはりメキシコだけに死者が集中しているのはおかしい。

自分の中で「メキシコの市販薬に毒が入っている」という仮説が頭をもたげる。風邪シロップにジエチレングリコールが入っていて、乳幼児を含む数百人が死んだパナマの事件を思い出した。

 

2009年4月29日(水)

予定していた筍掘りとバーベキュー。油断しているわけではないが、まだメキシコ以外で死者が増えていないことがひっかかる。

 

2009年4月30日(木)

朝起きたら、警戒レベルがフェーズ5に引き上げられていた。

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新型インフルエンザ:「フェーズ5」 「大流行直前の兆候」WHO、米の2次感染受け
http://mainichi.jp/select/science/news/20090430dde001040004000c.html
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検疫は以前より強化され、勝手に国内に入れなくなっている。感染国以外はノーチェックだからいずれ入ってくるのはしょうがないにしても、ここで時間を稼げるのは大きい。

ただ、いまさら「ヒトヒト感染を確認」というのも驚きだ。感染者がみんなメキシコで豚と濃厚接触しているはずはないのだから、旅行者が数百人感染した時点で「ヒト→ヒト」は間違いないだろうに。

ということは、こういった宣言は証拠が揃わないと出せないので、今後も後手後手に回ると考えたほうが良いということ。学習した。

 

2009年05月01日(金)

会員さん向けに「新型インフルの死亡原因は風邪薬か?」というメールを出し、自分の警戒レベルも落として通常の生活に戻ることにする。

  • これだけ感染が広がっても、死者はメキシコだけに集中している。時間が経っても他の国で死者があまり出ないのであれば、毒性は通常のインフルエンザと変わらない
  • ということは、もうメキシコの医療体制や処方薬・市販薬に問題があるとしか思えない。パナマでは某国製の風邪シロップ原料で幼児が数百人死んでる。そちらの可能性を疑ったほうが良い。
    (知らない方は以下のキーワードをいくつか選んで検索してください。
    パナマ シロップ 幼児 死亡 ジエチレングリコール
  • それでも新型インフル、特に強毒のH5N1型の脅威が高まっていることは間違いない。また今回の新型にしても、梅雨に向けた今よりも第二波・第三波に注意したほうが良い。その間にどう備えるか。

2009 H1N1 Flu Outbreak Map
http://tinyurl.com/swinemap09

LAタイムズ2009/04/30の記事

今回の新型インフルはスペイン風邪(1918)ほど致命的ではない。あるいは通常冬季に流行するものよりもマイルドであるかもしれない。

http://www.latimes.com/features/health/la-sci-swine-reality30-2009apr30,0,3606923.story

Scientists see this flu strain as relatively mild
Genetic data indicate this outbreak won't be as deadly as that of 1918, or even the average winter.
By Karen Kaplan and Alan Zarembo
April 30, 2009

 

2009年05月04日(月)  車で東京に戻る

 

2009年05月05日(火)  

早朝、電車に乗る。咳やくしゃみをしたら気にする人がいるだろうなと思ってマスクをしたが、自分以外は誰もしていない。すっごく神経質で気が小さい人間に見えるかもなあ。本当に注意してたら電車なんか乗らないってば(笑)。

 

メキシコでの死者が200名を超えていたと思ったが、いつからかメキシコ政府が「確認できない死者は除外する」として急減した。それでも突出して致死率が高く、5月5日読売新聞の記事から計算すると約3.6%(=26/727)。メキシコ以外での死者はまだ出ていない。

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新型インフル、1200人超す(2009年5月5日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090505-OYT8T00255.htm?from=nwlb
***********************************************

 

メキシコでしか死者が出ていないことについて、産経の記事。

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【新型インフル】メキシコ「下降局面」 なぜ死者集中? (1/2ページ)
2009.5.5 00:26
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090505/amr0905050027000-n1.htm
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「世界でメキシコの死者数だけが突出する状況に、専門家も・・・一様に首をひねっていた。」

「最初の死者となったオアハカ州の女性が、極度に病状が悪化するまで売薬に頼り病院に行かなかった」

 

ここまで来ているのになぜ「その市販薬や原料」を疑わないのか?製薬会社などから圧力をかけられて口にできないのか?

メキシコ側が原因をはっきりさせない限り、投資や貿易は最貧国並みに落ち込むかもしれないがそれでもいいのか?

そう思っていたら、とっくに青山繁晴さんが問題点を指摘していました。この時点でこの見識はスゴイ!

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2009年4月29日(水)anchor
新型インフルエンザの真実 1-5

  • メキシコ政府が基本的な情報を開示したがらない
  • 本当は、メキシコ発のインフルエンザなのかもわかっていない
  • WHOに問題あり。現地に調査団を入れようとしない

http://www.youtube.com/watch?v=naQIVvHglfA&feature=related
(関連動画で続きます)
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追記

動画を漁っていたら、2月の頭の時点で、「新型インフルのカギを握るのは豚」と言っている番組を見つけました。普通は豚経由でヒト型に変異すると。そういえば読売新聞も初期のころに「豚の体内で豚インフルと鳥インフルが結合したか?」と指摘してましたね。そういうメカニズムだったとは知りませんでした。

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2009年02月09日(水)番組不明
【中国】北京厳戒!鳥インフルエンザ パンデミック(前後半) 20090209

  • 新型インフルの鍵を握るのは豚。なぜなら豚は鳥インフルにも罹るし、人インフルにも罹る。それらが結合するとヒトヒト感染する鳥インフルができるかもしれない
  • 20世紀に大流行したスペイン風邪等は、鳥から豚を経由して変異したと見られている。
  • 人、豚、鳥が一緒に暮らす中国南部の環境こそ、変異を加速する最適の環境。

前半
http://www.youtube.com/watch?v=Ztj3Piv6-dE

後半
http://www.youtube.com/watch?v=MApcHYLjoqk&feature=related

 

まさか「豚インフルエンザ」とは、想定外の感染拡大
(2009年4月26日13時19分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090426-OYT1T00381.htm

画像
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20090426-OYT9I00402.htm

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