2006年5月28日 (日)

ウェブ進化論(1) -- 日本国民必読!

私はふだん、同じ本を読み返したりしません。

まれに重要な本に出会うと、折に触れて何度か読み直します。しかしそれでも赤やら青やらの線を引きながらひとつの本をむさぼり読んだのは、幼稚園のとき以来のことでしょう。

ウェブ進化論 --- 本当の大変化はこれから始まる

梅田望夫

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私は1994年に初めてインターネットに触れ、テクノロジーの変化があらゆる業界の競争条件を変化させることを予感しました。情報の非対称性で利益を上げている業界はただの「仲介屋」で存在することを許されず、強烈な中抜き圧力(ディスインターミディエーション)の中で変化を迫られると。金融業界もそれは同じで、私もそのとき勤めていた銀行内で提言などしていましたが、なかなか大きく舵を切ることができずにもどかしい思いをした覚えがあります。

あれから10年経って、予想していたことがかなり現実になりました。20行の大手銀行がいくつかのグループに集約され(私はグローバルな邦銀は2行以下になると予想してました)、コンビニに共用ATMが置かれるようになり、人々はネットを使って比較検討しながら買い物をしています。自分としては、「社会のインフラとしてネットが整備されたから、これからはコンテンツの勝負だな」と思っていました。

ところが、筆者の梅田さんは「今までは試行錯誤の期間であり、本当の大変化はこれから始まる」とおっしゃいます。そんなバカなと思いつつページをめくると、過去にあったブレイクスルー(内燃機関・鉄道など)やシリコンバレーの歴史などを例にとり、テクノロジーがゆっくり浸透し、大きく社会を変えて行く過程を描いています。

今現在、ネットの「あちら側」で何が起きているのか?
日本が「こちら側」にこだわっているうちにアメリカでは「あちら側」のアーキテクチャに手を突っ込みどれだけ地力の差が開きつつあるか、非常に興味深いいくつかの観点から「ネット社会vsリアル社会」の対立(そして融合)を俯瞰しています。

 

梅田さんの議論を私なりに延長してゆくと、

  1. 貧富の差はグローバルにますます開く。今みたいなもんじゃない。(ここは梅田さんの意見と反対)
  2. ネットの恩恵を受けられない人々はジリ貧になる。独裁国家は言論の規制を強め、さらに貧しくなる。彼らは暴力によって劣勢を打開しようとするだろう。
  3. 既存の権威が揺らぐと同時に、社会や国のありかたも考え直されるようになる。
  4. 高度なネット技術を持った人々が、投資業界に参入してくるはず(もう何人か知ってるけど・笑)。内輪の競争に目を奪われていると、日本の金融・投資業界はまた敗北する危険がある。
  5. 伝統的な投資尺度は今後も有効だと思うが、成長株の判断は難しくなるかも。

Googleが標榜する「本当の民主社会」は、彼らのテクノロジーによって実現可能となりました。いずれ世界中のHPやブログに書かれている文章を解析して、「みんな市場に対して強気なのか弱気なのか」を判断することもできるようになるでしょう。今までになかったサービスが出現し、ビジネスとして成立しなかった作品が世に出て、創作意欲にあふれた人々にとっては天国のような時代になると思います。

ただそういった楽しい想像の裏側には、それについて行けない人々、面白く思わない人々がいるはずです。情報の流れを遮断することで生き残ってきた人・会社・国は、死に物狂いで妨害しないと生きて行けません。長い間にはテクノロジーが社会を変えてしまうという意見には賛同しますが、そこに至るまでには血生臭い抗争もありうると予想します。

 

ディープなネタなので、何回かに分けて説明します。(続く)

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